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Inferiority 3
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シウとすばるの眩しさに目を逸らそうとしたその時、俺の視線に気付いたシウが下ろしたままの手で小さくこちらに手を振ってくる。
それに面食らってしまった俺は、思わず固まってしまう。
ふっ、と顔を緩ませ「す、き」とシウの口が動く。
自分の顔が一瞬で温度を上げるのがわかる。
あいつ・・・!何が表向き恋愛タブーの元アイドルだよ!堂々とあんな事しやがって・・・!
そう思う頭と裏腹に、体は熱を持って素直に嬉しいと喜んでしまう。
横にいるイケメンでも他の女でもなく、なんで俺なんだ・・・。疑問でしかない。
しかも俺に妻がいることを、あいつは知っているのに。
妻・・・櫻子とはお互いに愛情は無い。親父に強制されるままに籍を入れて、その時は何も考えてはいなかった。
湊に失恋してからは誰かを好きになるなんて考えてもいなかったし。一生、適当な相手とその場限りの快楽に溺れて過ごして行くだろうと思っていた。
こうして真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれる相手と出逢うなんて、思いもしなかった。
が、シウはまだ若い。一時の気の迷い、って事も考えられる。この恋にハマり過ぎたら、痛い目に遭うのはきっと俺の方だ。
ドラマの撮影、スポーツブランドとのCM契約、メンズファッション誌の撮影、音楽プロデューサーとの食事を終えてマンションに帰る。
芸能界に復帰したシウは、分刻みのスケジュールにも関わらず元気いっぱいだ。アイドル時代は年間で数日の休みもなかったらしく、それに慣れてしまっているらしい。
ほぼ毎日遊び歩いていた俺とは真逆の生活を送って来たシウには本当に頭が下がる。
「ばんり、ゲームしよ」
「何時だと思ってんだよ。休める時にちゃんと休め、明日も仕事だぞ。俺はこれからまだやらなきゃなんねー仕事があるんだよ。明日もおまえを起こす前に事務所に行かなきゃなんねーの!」
「え~!つまんない。一緒に遊びたかったのに~」
肩を落としたシウは、トボトボとバスルームへ入っていく。
23時過ぎてからゲームなんかやってられるか。・・・セックスならやってもいいんだけど。
ってダメだろ!いくら想い合っているとはいえ、痛がる姿を見るのは気が引けるし、何よりシウを泣かせたくない。
煩悩を振り払うようにテーブルの上にスケジュール帳とタブレットPCを並べる。
そういえば、俺のこの居候生活はいつまでなんだ?親父も櫻子も何も言ってこないけど。しばらく自宅にも帰ってなかったな。たまには帰らなきゃな、ご近所の目が・・・。
シウのスケジュールを調整して、CM契約の内容等を事務所にメールで送り一息つく。
売り込みをしなくても次から次へと仕事のオファーが来るシウは、マネージャーとしては非常に有難いタレントだ。
それもこれも、シウが若い時から第一線で活躍してきた地盤があるからこそ。あいつが一流の証だ。
「ばんりもお風呂入ってきたら?」
いつの間にか風呂から上がってきたシウは、下着一枚の姿でウォーターサーバーからグラスに注いだ水を一気に飲み干す。
・・・つーか、そんなカッコで彷徨くなよ。俺を好きだって言って同じように言わせといて、警戒もしないで無防備に素肌を晒すなんて、襲ってくれと言ってるようなもんだぞ。
「俺が洗ってあげよっか?ばんりのからだ。・・・なーんて」
シウの誘惑とも取れる冗談に煽られ、今すぐにでも押し倒してしまいたい衝動に駆られる。
「ふざけてないで早く寝ろ」
必死でその衝動を抑えバスルームへ入る。
ケツ腫らしてるくせに、しょーもないこと言ってんじゃねえ!また泣きたいのか、あいつは!
この俺が、自分の欲望より相手の体を優先するなんて・・・。シウに惚れに惚れまくってる証拠だな。
しかし、いつまでこうしてあいつの体を気遣ってやれるだろう。今でさえ抱きたくて仕方ないのに。
シウの中へ入った時、未開のそこは狭くてキツくて千切られそうなほど締められて、正直苦痛の方が大きかった。
きっとシウはそれ以上に苦痛でしか無かったはず。
じっくり時間をかけて慣らさないと・・・恐怖心を植え付けることだけは避けたい。俺なりに、シウを大事にしたいと・・・
「ばんり、俺も入る」
・・・え!?
返事をする間もなく全裸のシウがいきなりバスルームへと入って来る。
「シ!?・・・ウ、ななななんだよ急に、何やって・・・」
予想もしなかったシウの行動に、俺は咄嗟に自分の胸と股間を抑え隠す。
やば。何オトメ的反応しちゃってんだ俺、だっせぇ・・・。
「ばんりも好きだって言ったよね?あれ嘘だったの?」
「嘘で言えるかよ。つーか風呂場でする話じゃねえだろ」
裸なんか見せられたら、話なんかできる状態じゃ無くなるだろ!あ、ヤバイ、既に反応しそう・・・。
「俺はばんりの裸見たいって思うし触りたい、触られたい。そういう意味の好き。ばんりは、どういう好き?」
「どういう、って・・・」
見たい触りたいのレベルじゃない。突っ込んで掻き回して最終的にはぶっかけたい、と思ってる好き。
なんって言えるかよ!
「隠さないでよ。ばんりの、見たい」
自分の股間を覆った手をシウに外されて、20%ほどで抑えていた欲望は50%を軽く超えてくる。
正面に立ち俺の股間を見下ろすシウの瞳は、好奇心に満ち溢れているように見える。
「これ・・・まだマックスじゃないよね?なのに、ばんりの、こんなにおっきい」
やめろ。そんな純粋な目でそんな所を見てそんなセリフを吐くな~!
「見て。俺のマックスよりおっきいんだよ、すごい」
背伸びをしながら、自分のそれを俺のに、ぴと、と添わせるシウ。
え、もう何なの?
おまえは・・・俺に、どうして欲しいんだよ。
それに面食らってしまった俺は、思わず固まってしまう。
ふっ、と顔を緩ませ「す、き」とシウの口が動く。
自分の顔が一瞬で温度を上げるのがわかる。
あいつ・・・!何が表向き恋愛タブーの元アイドルだよ!堂々とあんな事しやがって・・・!
そう思う頭と裏腹に、体は熱を持って素直に嬉しいと喜んでしまう。
横にいるイケメンでも他の女でもなく、なんで俺なんだ・・・。疑問でしかない。
しかも俺に妻がいることを、あいつは知っているのに。
妻・・・櫻子とはお互いに愛情は無い。親父に強制されるままに籍を入れて、その時は何も考えてはいなかった。
湊に失恋してからは誰かを好きになるなんて考えてもいなかったし。一生、適当な相手とその場限りの快楽に溺れて過ごして行くだろうと思っていた。
こうして真っ直ぐに気持ちをぶつけてくれる相手と出逢うなんて、思いもしなかった。
が、シウはまだ若い。一時の気の迷い、って事も考えられる。この恋にハマり過ぎたら、痛い目に遭うのはきっと俺の方だ。
ドラマの撮影、スポーツブランドとのCM契約、メンズファッション誌の撮影、音楽プロデューサーとの食事を終えてマンションに帰る。
芸能界に復帰したシウは、分刻みのスケジュールにも関わらず元気いっぱいだ。アイドル時代は年間で数日の休みもなかったらしく、それに慣れてしまっているらしい。
ほぼ毎日遊び歩いていた俺とは真逆の生活を送って来たシウには本当に頭が下がる。
「ばんり、ゲームしよ」
「何時だと思ってんだよ。休める時にちゃんと休め、明日も仕事だぞ。俺はこれからまだやらなきゃなんねー仕事があるんだよ。明日もおまえを起こす前に事務所に行かなきゃなんねーの!」
「え~!つまんない。一緒に遊びたかったのに~」
肩を落としたシウは、トボトボとバスルームへ入っていく。
23時過ぎてからゲームなんかやってられるか。・・・セックスならやってもいいんだけど。
ってダメだろ!いくら想い合っているとはいえ、痛がる姿を見るのは気が引けるし、何よりシウを泣かせたくない。
煩悩を振り払うようにテーブルの上にスケジュール帳とタブレットPCを並べる。
そういえば、俺のこの居候生活はいつまでなんだ?親父も櫻子も何も言ってこないけど。しばらく自宅にも帰ってなかったな。たまには帰らなきゃな、ご近所の目が・・・。
シウのスケジュールを調整して、CM契約の内容等を事務所にメールで送り一息つく。
売り込みをしなくても次から次へと仕事のオファーが来るシウは、マネージャーとしては非常に有難いタレントだ。
それもこれも、シウが若い時から第一線で活躍してきた地盤があるからこそ。あいつが一流の証だ。
「ばんりもお風呂入ってきたら?」
いつの間にか風呂から上がってきたシウは、下着一枚の姿でウォーターサーバーからグラスに注いだ水を一気に飲み干す。
・・・つーか、そんなカッコで彷徨くなよ。俺を好きだって言って同じように言わせといて、警戒もしないで無防備に素肌を晒すなんて、襲ってくれと言ってるようなもんだぞ。
「俺が洗ってあげよっか?ばんりのからだ。・・・なーんて」
シウの誘惑とも取れる冗談に煽られ、今すぐにでも押し倒してしまいたい衝動に駆られる。
「ふざけてないで早く寝ろ」
必死でその衝動を抑えバスルームへ入る。
ケツ腫らしてるくせに、しょーもないこと言ってんじゃねえ!また泣きたいのか、あいつは!
この俺が、自分の欲望より相手の体を優先するなんて・・・。シウに惚れに惚れまくってる証拠だな。
しかし、いつまでこうしてあいつの体を気遣ってやれるだろう。今でさえ抱きたくて仕方ないのに。
シウの中へ入った時、未開のそこは狭くてキツくて千切られそうなほど締められて、正直苦痛の方が大きかった。
きっとシウはそれ以上に苦痛でしか無かったはず。
じっくり時間をかけて慣らさないと・・・恐怖心を植え付けることだけは避けたい。俺なりに、シウを大事にしたいと・・・
「ばんり、俺も入る」
・・・え!?
返事をする間もなく全裸のシウがいきなりバスルームへと入って来る。
「シ!?・・・ウ、ななななんだよ急に、何やって・・・」
予想もしなかったシウの行動に、俺は咄嗟に自分の胸と股間を抑え隠す。
やば。何オトメ的反応しちゃってんだ俺、だっせぇ・・・。
「ばんりも好きだって言ったよね?あれ嘘だったの?」
「嘘で言えるかよ。つーか風呂場でする話じゃねえだろ」
裸なんか見せられたら、話なんかできる状態じゃ無くなるだろ!あ、ヤバイ、既に反応しそう・・・。
「俺はばんりの裸見たいって思うし触りたい、触られたい。そういう意味の好き。ばんりは、どういう好き?」
「どういう、って・・・」
見たい触りたいのレベルじゃない。突っ込んで掻き回して最終的にはぶっかけたい、と思ってる好き。
なんって言えるかよ!
「隠さないでよ。ばんりの、見たい」
自分の股間を覆った手をシウに外されて、20%ほどで抑えていた欲望は50%を軽く超えてくる。
正面に立ち俺の股間を見下ろすシウの瞳は、好奇心に満ち溢れているように見える。
「これ・・・まだマックスじゃないよね?なのに、ばんりの、こんなにおっきい」
やめろ。そんな純粋な目でそんな所を見てそんなセリフを吐くな~!
「見て。俺のマックスよりおっきいんだよ、すごい」
背伸びをしながら、自分のそれを俺のに、ぴと、と添わせるシウ。
え、もう何なの?
おまえは・・・俺に、どうして欲しいんだよ。
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