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セックスフレンド 4
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シウをマンションに送り届けて、俺は湊の待つホテルへと向かった。
古いホテルの一室をノックすると、シャワーを浴びた後なのか、濡れた髪の湊がドアの隙間から顔を覗かせた。
部屋へ入るとタオルを腰に巻いただけの湊が、縋るように首に腕を回し抱きついてくる。
「ごめん、万里。・・・何も聞かずに抱いて欲しい」
震えてる?
前に抱いてた時は、溶けてしまうんじゃないかと思うくらい熱かった湊の体が、今は別人のように冷たい。
湊に口付けようと顔を寄せた瞬間、シウの言葉が頭を過ぎる。
『浮気者』
あれは・・・そういう意味で言ったんじゃない。妻がいる俺がシウにキスしたから言ったセリフだ。
なのに、なんでこんなに罪悪感が湧いて来るんだよ。だいたいシウとは何でもないだろ。オナニーの延長で一緒にコキ合ってるだけで・・・タレントとマネージャー、それ以上でも以下でもない。
湊は俺のキスを待っているでもなく、ただただ苦しそうな表情で俯いている。
湊に何があったのかは知らない。
だけど、セックスに依存してしまった体を持て余して俺に縋って来たのは間違いない。
湊を快楽の海に沈めたのは、他の誰でもなくこの俺だ。縋るこの細い腕を、振り解けるわけが無い。
狭い部屋は数歩進んだだけでベッドに辿り着く。
湊の首筋を食んでゆっくりと押し倒す。抱き慣れた華奢な体は、呆気ないほど簡単に俺の腕の中で堕ちて行く。3年も抱いていなかったのが嘘の様だ。
「万里、もっと・・・酷くして。何も、考えたくない」
従順な体とは真逆に、湊の表情は苦渋に歪んでいる。
湊に求められるまま、浅い所を抉るように進み奥を一気に貫く。
「うあ・・・っ!ああっ、あっ、あ・・・っ」
何度も何度も繰り返し湊の弱いところを撫でては進み引き返し、叩きつけるようにまた進む。
「あっ、あ───・・・っ、あんっ、ん・・・」
「湊?大丈夫か・・・?」
虚ろな目をして揺さぶられているだけの湊にはもう、俺の声は届いていないようだった。
「あぁっ!・・・あ、・・・・・・つ、・・・なつ・・・」
なつ?誰かの名前?
湊は最後まで小さくその名前を呼び続け、事が終わると何事も無かったかのようにスーツに袖を通した。
「急に呼び出して、こんな事頼んで悪かった。でも・・・誰でも良かったわけじゃない。万里しかいないと思ったんだ」
誰でも・・・か。きっと、他の誰でもなく俺でもない。湊が、本当は『なつ』を求めているんだとわかった。
不思議と怒りも悲しみも湧いて来なかった。
何故なら、俺は湊を抱いている間ずっと思っていたから・・・
こんな風にシウを抱けたらどんなにいいだろう、と。
湊と別れマンションへ帰ると、リビングにはドラマの台本を熱心に読み込むシウの姿があった。
俺が部屋に入って来たのに気付き、シウは台本を閉じる。
「遅い。お腹減った。今日は好きなもの食べさせてくれるって言ったのに」
膨れっ面でソファに寄りかかるシウ。
「悪い。湊と会ってた」
シウの膨れっ面が一瞬で真顔に変わる。
「・・・そう、なんだ。仕事?・・・じゃなかったら許さない」
何でだよ。友人なんだからプライベートで会っても別にいいだろ!
と思いつつも
「仕事だよ」
咄嗟に嘘を吐いてしまう。
空腹のシウを待たせて湊とセックスしてました!とは口が裂けても言えねーし。
「それより何食いたいんだ?」
「・・・ジャージャー麺。事務所の近くの店の」
いつも出前取ってる店のやつか。
「そんなんでいいのか?肉でもいいんだぞ?」
「・・・でも、俺まだ社長に外出許可もらってないから」
しゅん、と聞こえそうな表情。
ああ、なんでこんなにひとつひとつが可愛らしく見えるんだよ、こいつ。
可愛い、なんて言葉が似合わない程の美形イケメンなのに。
俺はスマホを耳に当て、シウに深くキャップを被せる。
「あー、すみません、個室空いてます?・・・・・・はい、じゃあ今から行くんで、二人お願いします」
シウの耳にマスクを掛けて腕を引く。
「行くぞ。社長には内緒な!」
ぱあぁっと花でも咲いたかのように、シウの表情が明るくなる。
が、すぐに真顔を作るシウ。
「別に、ジャージャー麺でもよかったのに。マネがそこまで言うなら、肉食ってやってもいい」
クッソ可愛くねぇ。
シウが俺に見せてくれる顔は、さっきので限界か・・・。
セックスの最中 湊が他の奴の名前を呼んだ事より、シウを笑顔にできない事の方が余程ダメージが大きい。
おそらくシウはドラマの番宣がウチからの初露出になる。俺がシウのプライベートを管理するのもそれまでだ。きっとシウも俺も今以上に忙しくなる。ある程度稼げるようになればハウスキーパーでも何でも自分で雇えるだろう。
これ以上 気持ちが大きくなる前に、無理矢理踏み込んでしまう前に、線引きできる関係に戻さないと・・・。
まさかシウの猛追が始まろうとは夢にも思っていないこの時の俺は、自分の気持ちに蓋をする事で精一杯だった。
古いホテルの一室をノックすると、シャワーを浴びた後なのか、濡れた髪の湊がドアの隙間から顔を覗かせた。
部屋へ入るとタオルを腰に巻いただけの湊が、縋るように首に腕を回し抱きついてくる。
「ごめん、万里。・・・何も聞かずに抱いて欲しい」
震えてる?
前に抱いてた時は、溶けてしまうんじゃないかと思うくらい熱かった湊の体が、今は別人のように冷たい。
湊に口付けようと顔を寄せた瞬間、シウの言葉が頭を過ぎる。
『浮気者』
あれは・・・そういう意味で言ったんじゃない。妻がいる俺がシウにキスしたから言ったセリフだ。
なのに、なんでこんなに罪悪感が湧いて来るんだよ。だいたいシウとは何でもないだろ。オナニーの延長で一緒にコキ合ってるだけで・・・タレントとマネージャー、それ以上でも以下でもない。
湊は俺のキスを待っているでもなく、ただただ苦しそうな表情で俯いている。
湊に何があったのかは知らない。
だけど、セックスに依存してしまった体を持て余して俺に縋って来たのは間違いない。
湊を快楽の海に沈めたのは、他の誰でもなくこの俺だ。縋るこの細い腕を、振り解けるわけが無い。
狭い部屋は数歩進んだだけでベッドに辿り着く。
湊の首筋を食んでゆっくりと押し倒す。抱き慣れた華奢な体は、呆気ないほど簡単に俺の腕の中で堕ちて行く。3年も抱いていなかったのが嘘の様だ。
「万里、もっと・・・酷くして。何も、考えたくない」
従順な体とは真逆に、湊の表情は苦渋に歪んでいる。
湊に求められるまま、浅い所を抉るように進み奥を一気に貫く。
「うあ・・・っ!ああっ、あっ、あ・・・っ」
何度も何度も繰り返し湊の弱いところを撫でては進み引き返し、叩きつけるようにまた進む。
「あっ、あ───・・・っ、あんっ、ん・・・」
「湊?大丈夫か・・・?」
虚ろな目をして揺さぶられているだけの湊にはもう、俺の声は届いていないようだった。
「あぁっ!・・・あ、・・・・・・つ、・・・なつ・・・」
なつ?誰かの名前?
湊は最後まで小さくその名前を呼び続け、事が終わると何事も無かったかのようにスーツに袖を通した。
「急に呼び出して、こんな事頼んで悪かった。でも・・・誰でも良かったわけじゃない。万里しかいないと思ったんだ」
誰でも・・・か。きっと、他の誰でもなく俺でもない。湊が、本当は『なつ』を求めているんだとわかった。
不思議と怒りも悲しみも湧いて来なかった。
何故なら、俺は湊を抱いている間ずっと思っていたから・・・
こんな風にシウを抱けたらどんなにいいだろう、と。
湊と別れマンションへ帰ると、リビングにはドラマの台本を熱心に読み込むシウの姿があった。
俺が部屋に入って来たのに気付き、シウは台本を閉じる。
「遅い。お腹減った。今日は好きなもの食べさせてくれるって言ったのに」
膨れっ面でソファに寄りかかるシウ。
「悪い。湊と会ってた」
シウの膨れっ面が一瞬で真顔に変わる。
「・・・そう、なんだ。仕事?・・・じゃなかったら許さない」
何でだよ。友人なんだからプライベートで会っても別にいいだろ!
と思いつつも
「仕事だよ」
咄嗟に嘘を吐いてしまう。
空腹のシウを待たせて湊とセックスしてました!とは口が裂けても言えねーし。
「それより何食いたいんだ?」
「・・・ジャージャー麺。事務所の近くの店の」
いつも出前取ってる店のやつか。
「そんなんでいいのか?肉でもいいんだぞ?」
「・・・でも、俺まだ社長に外出許可もらってないから」
しゅん、と聞こえそうな表情。
ああ、なんでこんなにひとつひとつが可愛らしく見えるんだよ、こいつ。
可愛い、なんて言葉が似合わない程の美形イケメンなのに。
俺はスマホを耳に当て、シウに深くキャップを被せる。
「あー、すみません、個室空いてます?・・・・・・はい、じゃあ今から行くんで、二人お願いします」
シウの耳にマスクを掛けて腕を引く。
「行くぞ。社長には内緒な!」
ぱあぁっと花でも咲いたかのように、シウの表情が明るくなる。
が、すぐに真顔を作るシウ。
「別に、ジャージャー麺でもよかったのに。マネがそこまで言うなら、肉食ってやってもいい」
クッソ可愛くねぇ。
シウが俺に見せてくれる顔は、さっきので限界か・・・。
セックスの最中 湊が他の奴の名前を呼んだ事より、シウを笑顔にできない事の方が余程ダメージが大きい。
おそらくシウはドラマの番宣がウチからの初露出になる。俺がシウのプライベートを管理するのもそれまでだ。きっとシウも俺も今以上に忙しくなる。ある程度稼げるようになればハウスキーパーでも何でも自分で雇えるだろう。
これ以上 気持ちが大きくなる前に、無理矢理踏み込んでしまう前に、線引きできる関係に戻さないと・・・。
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