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シウはそのまま目を覚ますこと無く2時間寝続け、その間俺は、床に転がるシウの頭を膝に乗せ、時々細く柔らかい髪を撫でながら天使のような寝顔に魅入っていた。
さすが世界ナンバーワンは伊達じゃない。美しく、女とも違うキュートさもあり、男らしい凛々しさもある。
こいつの顔、ずっと見てても飽きねーな。
シウが芸能界に復帰したら、間違いなくウチで一番の稼ぎ頭になるだろう。
元韓ドルが日本で再デビューか・・・。それを管理してんのが俺だなんて、なんだか実感が湧かねーな。
つーか、自分が結婚してるって実感も未だに湧いてないんだけど。
マンションに帰ると、廊下にバッグを投げ落としたシウは、俺に向かって頭を下げた。
「ごめんなさい!・・・途中で寝るなんて、どうかしてた。振り付けの先生にも迷惑かけた・・・」
マジか、こいつでも謝ることあんのか・・・。
シウの後頭部を見下ろしながら、あまりの驚きに言葉が出ない俺。
「・・・マネージャー?・・・やっぱり、怒ってる?」
少しだけ顔を上げ、不安げに俺の反応を待つシウ。
「あ・・・、イヤ。怒ってない。無理させてたのはこっちだしな。明日はオフに調整しといたからゆっくり休め」
「嫌だ!MVの撮影も近いのに休んでなんか・・・」
悔しそうに下唇を噛み俯く。
「体がなきゃ出来ない商売なんだ。とにかく休め。これは事務所からの命令だ」
「・・・っ」
シウは俺を睨みつけ、わざとらしいほど大きな足音を立てながら寝室に入り、力任せにドアを閉める。
はあ~、ったく。ああいう態度は まだまだガキだな。
床に残されたシウのバッグを拾い中に入っている汗で汚れた衣類を出すと、バッグの底に使い込まれたノートがあるのに気付き、何気なく開いてみる。
びっしり書き込まれたハングル文字と拙い平仮名。所々に漢字と片仮名も見える。
そういえば最近、あいつの口からポロッと出る韓国語も英語も聞いていない。
レッスンの時も、講師達の話を聞き返す事が無くなったような・・・。
まさか、睡眠削ってまで日本語を・・・?
「シウ、ちょっといいか?」
俺は寝室のドアをノックしてシウに声を掛ける。・・・が返事は無い。
オフ入れたのがそんなに気に食わねーのか。
「入るぞ」
「ダメ!もう寝た!」
ドアを開けた途端に布団の中から くぐもった怒鳴り声。
「寝てねぇじゃん。ガキかお前は」
覆っている布団を剥ぎ取ると、シウは身を縮めて顔を隠すように両手で頭を抱える。
「お前まさか泣い・・・」
「言っとくけど泣いてない」
あ、そーですか。
でも本当に泣いてはいないみたいだ。
「お前なぁ、拗ねてんじゃねーぞ面倒臭い。休むのも仕事のうちだっつーの。MV撮影の前に体調崩されちゃ困るんだよ」
「俺、めっちゃ健康だもん。熱なんて一年に一回くらいしか出さない。風邪もひかない」
あー、そうですか。
「その年イチの発熱が、撮影当日だったらマズイだろーが」
「うるさい!出さないって言ってるだろクソマネージャー!」
はあ!?こいつ、いい加減にしろ!
頭に血が昇った俺は、シウの顔を覆う両腕を開きベッドに縫い付け腹の上に跨る。
「痛い!何すんだよへんたい!」
「くだらねぇ日本語まで覚えるくらい必死に勉強して、弱音も吐かずレッスンこなしてるクセに、何がそんなに不安なんだ?」
俺の言葉に、シウの顔色が変わる。
が、すぐに取り繕ったように強気な表情を作る。
「この俺が、不安になるわけない。プロなのに仕事に穴開けんのが嫌なだけ」
「心配しなくていい。お前はまだウチではレッスン生扱いだ。プロじゃない」
「・・・離せよ。手首に痕がつく」
シウは強気な顔を崩さないまま鋭い視線を向けてくる。
その眼差しに俺の中の何かがゾクッと音を立てる。
ああ・・・俺は今、こいつが欲しいって思ってんのか。
組み伏せている白い肌を吸えばきっと鮮やかな紅を浮かべるんだろうな。脚を開いて無理矢理にでも捩じ込んだなら、この頑な瞳はいくらか涙を溜めるんだろうか。
自分の唇がシウのそれと重なりたいと距離を縮める。
「なにっ?まね・・・」
突然顔を寄せる俺を、シウが驚いたように見ている。
あと少し進めば触れてしまう。
何やってる・・・こいつは『商品』だろ。俺の私欲で汚していいような、どうでもいい男達とは違う。
そう思ってみても、シウのシアンの瞳にまるで引力があるかのように引き寄せられてしまう。
駄目だ
思った瞬間
自分から触れた柔らかい感触に 心臓が速度を上げ、俺は・・・こいつの虜なのだと思い知らされてしまった。
さすが世界ナンバーワンは伊達じゃない。美しく、女とも違うキュートさもあり、男らしい凛々しさもある。
こいつの顔、ずっと見てても飽きねーな。
シウが芸能界に復帰したら、間違いなくウチで一番の稼ぎ頭になるだろう。
元韓ドルが日本で再デビューか・・・。それを管理してんのが俺だなんて、なんだか実感が湧かねーな。
つーか、自分が結婚してるって実感も未だに湧いてないんだけど。
マンションに帰ると、廊下にバッグを投げ落としたシウは、俺に向かって頭を下げた。
「ごめんなさい!・・・途中で寝るなんて、どうかしてた。振り付けの先生にも迷惑かけた・・・」
マジか、こいつでも謝ることあんのか・・・。
シウの後頭部を見下ろしながら、あまりの驚きに言葉が出ない俺。
「・・・マネージャー?・・・やっぱり、怒ってる?」
少しだけ顔を上げ、不安げに俺の反応を待つシウ。
「あ・・・、イヤ。怒ってない。無理させてたのはこっちだしな。明日はオフに調整しといたからゆっくり休め」
「嫌だ!MVの撮影も近いのに休んでなんか・・・」
悔しそうに下唇を噛み俯く。
「体がなきゃ出来ない商売なんだ。とにかく休め。これは事務所からの命令だ」
「・・・っ」
シウは俺を睨みつけ、わざとらしいほど大きな足音を立てながら寝室に入り、力任せにドアを閉める。
はあ~、ったく。ああいう態度は まだまだガキだな。
床に残されたシウのバッグを拾い中に入っている汗で汚れた衣類を出すと、バッグの底に使い込まれたノートがあるのに気付き、何気なく開いてみる。
びっしり書き込まれたハングル文字と拙い平仮名。所々に漢字と片仮名も見える。
そういえば最近、あいつの口からポロッと出る韓国語も英語も聞いていない。
レッスンの時も、講師達の話を聞き返す事が無くなったような・・・。
まさか、睡眠削ってまで日本語を・・・?
「シウ、ちょっといいか?」
俺は寝室のドアをノックしてシウに声を掛ける。・・・が返事は無い。
オフ入れたのがそんなに気に食わねーのか。
「入るぞ」
「ダメ!もう寝た!」
ドアを開けた途端に布団の中から くぐもった怒鳴り声。
「寝てねぇじゃん。ガキかお前は」
覆っている布団を剥ぎ取ると、シウは身を縮めて顔を隠すように両手で頭を抱える。
「お前まさか泣い・・・」
「言っとくけど泣いてない」
あ、そーですか。
でも本当に泣いてはいないみたいだ。
「お前なぁ、拗ねてんじゃねーぞ面倒臭い。休むのも仕事のうちだっつーの。MV撮影の前に体調崩されちゃ困るんだよ」
「俺、めっちゃ健康だもん。熱なんて一年に一回くらいしか出さない。風邪もひかない」
あー、そうですか。
「その年イチの発熱が、撮影当日だったらマズイだろーが」
「うるさい!出さないって言ってるだろクソマネージャー!」
はあ!?こいつ、いい加減にしろ!
頭に血が昇った俺は、シウの顔を覆う両腕を開きベッドに縫い付け腹の上に跨る。
「痛い!何すんだよへんたい!」
「くだらねぇ日本語まで覚えるくらい必死に勉強して、弱音も吐かずレッスンこなしてるクセに、何がそんなに不安なんだ?」
俺の言葉に、シウの顔色が変わる。
が、すぐに取り繕ったように強気な表情を作る。
「この俺が、不安になるわけない。プロなのに仕事に穴開けんのが嫌なだけ」
「心配しなくていい。お前はまだウチではレッスン生扱いだ。プロじゃない」
「・・・離せよ。手首に痕がつく」
シウは強気な顔を崩さないまま鋭い視線を向けてくる。
その眼差しに俺の中の何かがゾクッと音を立てる。
ああ・・・俺は今、こいつが欲しいって思ってんのか。
組み伏せている白い肌を吸えばきっと鮮やかな紅を浮かべるんだろうな。脚を開いて無理矢理にでも捩じ込んだなら、この頑な瞳はいくらか涙を溜めるんだろうか。
自分の唇がシウのそれと重なりたいと距離を縮める。
「なにっ?まね・・・」
突然顔を寄せる俺を、シウが驚いたように見ている。
あと少し進めば触れてしまう。
何やってる・・・こいつは『商品』だろ。俺の私欲で汚していいような、どうでもいい男達とは違う。
そう思ってみても、シウのシアンの瞳にまるで引力があるかのように引き寄せられてしまう。
駄目だ
思った瞬間
自分から触れた柔らかい感触に 心臓が速度を上げ、俺は・・・こいつの虜なのだと思い知らされてしまった。
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