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第一章
1. アニエスの受難
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月の花は蕾のままで
枯れることなく夜を照らす
だがひとたび陽の光浴びれば
たちどころに蕾は枯れる
色を無くした蕾は癒しを欲し
光の癒しが新たな色を与える
すると蕾は花開き
絶えることなく夜を照らす
アニエスが生まれたサンユエリという国では、聖女のことを語るとき、まずこの詩の意味を読み解くことから始まる。
『月』は女性を、『陽の光』は男性を指し、『月の花』は聖女の、『夜を照らす』とは聖なる力の比喩だ。
聖女である『月の花』が『陽の光を浴び』る、とは性交のことを指しているのだというのが通説となっている。
さらに蕾が『枯れる』という表現は、聖なる力を失うことを表し、このことから聖女は処女でなくなれば、聖なる力を失うと読み取れる。
『光の癒し』が聖なる力を失った聖女に『新たな色を与える』とあるが、この『新たな色』は妊娠出産を指す。
そして『絶えることなく』は、聖なる力が子に継承されて行くことを表しているとされる。
要約すると『聖女は男と性交すると聖なる力は使えなくなるが、新たに生まれた子どもが聖なる力を宿す』となる。
聖女の力は母親から娘へと受け継がれるので、聖女の血を途切れさせないことが重要だと言われているが――。
『この出来損ないがっ! 婚約破棄だと?! 国外追放だと!? 私の顔に泥を塗りおって!!』
数日前、牢に入れられたアニエスに対して、そう怒鳴りつけたのは彼女の父親だった。
実のところ『出来損ない』や『愚図』などという暴言を、アニエスはすでに聞き慣れていたが、この時の父親の怒りようはこれまでの比ではなかった。
それも、娘であるアニエスを愛していたのに失望させられたから、ではない。只々、自分の名誉が傷つけられたのが我慢ならなかったからだ。
(私は聖女として不出来だもの、お父様がお怒りになるのは仕方ないわ)
これまで、父親に叱られるたびにアニエスは、そう胸の内で呟いては寂しさを押し殺していた。
聖女としての力を授かって生まれた女性は、“聖なる力”と呼ばれる魔法しか扱えない。
魔力を持つ他の者たちは、各々、大雑把に分類された属性のなかで得意なものが必ずある。
だが、得意な属性以外の魔法も努力次第では扱えるようになることもある。
ところが、聖女は本当に“聖なる力”しか扱えない。他の属性の魔法はまったくと言っていいほど使えないのだ。
しかも、アニエスに至ってはその“聖なる力”さえ満足に使えずにいた。
それでも聖女の血を継いでいるということもあり、また、身分的にも申し分なかったために、アニエスは幼いころに現王太子である第一王子ジュールと婚約させられる。
ただ、アニエスは今年で二十歳を迎えるが、この国での成人年齢はとっくに越えているにも関わらず、未だに結婚はしていなかった。
婚約者であるジュールもアニエスより三歳ほど年上で、普通ならば結婚していてもおかしくない年齢だ。
だが、そのジュールが何かと理由をつけて結婚を先延ばしにしていた。
その理由のひとつが、結婚して初夜を迎えてしまえばアニエスの“聖なる力”が使えなくなってしまうから、だった。
しかし――
『まだ何もしていないのに枯れた聖女と結婚など、ゾッとする。なぜ今代の聖女はあのように不出来なんだ』
そう陰で彼自身が『不出来な聖女』と言っているのをアニエスは知っている。
なのに、それとなく結婚を促そうとすると、アニエス自身の聖なる力を保持するという理由で拒否される。
陰口を叩くその口で、まるで聖なる力を有難がっているようなことを言う彼に、アニエスは腹が立つのを通り越して脱力したものだった。
アニエスとしては自分の聖なる力を保持するよりも、早く結婚して子を授かって血を継がせる方がいいのではと思うのだが――。
『アニエス嬢は自分の聖女としての役目を全うすることよりも、性の快楽を味わいたくて仕方がないようだな。もしかしてすでに知っているのではないか? だから力も枯れているのだろう』
王都の庭園でジュールにそんな言葉を投げつけられたことを、アニエスはよく覚えている。
使用人や衛兵、側近などがいるにも関わらず、大きな声で揶揄されたことにも傷ついたが、その使用人や衛兵にさえも嘲笑を向けられたことにアニエスは愕然とした。
とっさに言葉を返すこともできず、溢れそうになる涙を押し留めることしか、その時のアニエスにはできなかった。
瞬く間にジュールの謂れもない嘲りは貴族間に広まり、『アニエス嬢の不義の相手は誰だ』と面白おかしく噂されてしまう。
幸いなのは魔法によって、女性が純潔であるかどうかが分かるということだ。
アニエスはもちろん処女であったために、その疑いは晴れたはずだったが、それでも人々は噂を口にすることを止めなかった。
(いずれ結婚して初夜を迎えればジュール殿下も分かって下さるわ。それに子を身ごもることができれば、私も役目を果たし、あんな噂など無くなるはずよ)
そう思ってアニエスは日々、人々の好奇や侮蔑の視線に耐えてきたのだが、そんなアニエスの努力はある日、唐突に無意味なものとなってしまった。
密かにジュール主導で“聖女召喚”の儀が行われ、新たな聖女が異世界より召喚されたのだ。
召喚された少女は間違いなく聖女で、しかもアニエスより強い“聖なる力”を持っているのだと言う。
祈りひとつで人々や大地を癒し、祝福を与えるのだと人伝に聞いた。
アニエス自身は何度か足を運び祈りを捧げ、ようやく癒しや祝福を成し遂げていたため、それだけを見ても圧倒的な力の差があった。
実際にアニエスは異世界の聖女が力を使うところを見たことはなかったが、父親から度々彼女の話は聞いていた。
父親がその話をする度に、お決まりのようにアニエスの不出来を罵るまでが、近ごろの日常となりつつあった。
そして、アニエスとジュールの婚約は聖女の血を、新たに王家へ取り込むという意味合いが大きかった――というよりも、それがすべてだった。
もちろんアニエスはそれをよく理解している。
だから、すぐにもアニエスは不要だと言われることは分かっていた。
だが、自分から言う勇気もない。アニエスは向こうから“婚約解消”を言ってくるのを、ただ待っていた。
ところが、異世界の聖女が暴漢に襲われかけたという話がアニエスの耳に届き、その直後、王城の兵士によってアニエスは拘束されてしまう。
理由は暴漢に異世界の聖女を襲うよう教唆した罪だ。
アニエスは必死に自分ではないと訴えたが、異世界の聖女を襲った暴漢が『首謀者はアニエスだ』と自白したため、アニエスは裁きを受けている最中に、ジュールから婚約破棄を突き付けられてしまった。
まだ国王の判決は出ていなかったのに、ジュールはアニエスが罪を犯したのだと決めつけて、多くの傍聴人が居るなか声高にそれを主張した。
まるでそれが決定打だと言うように、国王は暴漢の証言をよく吟味することなく、アニエスに判決を下す。
『己の聖なる力が弱いからと、己よりも強い聖なる力を持った者が憎いからと、自己中心的な考えから異世界の聖女を害そうとした罪は重い。本来ならば死をもって罪を贖えと言いたいところだが――しかし、これまで聖女として微力とはいえ国に尽くしてきた功績がないとは言えない。よって、アニエス・モアヅィ、そなたを国外追放とする』
傍聴人は口々に「国王が慈悲深い判決を下された」と言い合ったが、死刑を訴える者も、減刑を訴える者もいなかった。
判決が下り罪人となったアニエスは、兵士に腕を拘束されて牢へと連れて行かれながら、国王へ同調する人々の思惑をぼんやりと考えるのだった。
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そして『絶えることなく』は、聖なる力が子に継承されて行くことを表しているとされる。
要約すると『聖女は男と性交すると聖なる力は使えなくなるが、新たに生まれた子どもが聖なる力を宿す』となる。
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『この出来損ないがっ! 婚約破棄だと?! 国外追放だと!? 私の顔に泥を塗りおって!!』
数日前、牢に入れられたアニエスに対して、そう怒鳴りつけたのは彼女の父親だった。
実のところ『出来損ない』や『愚図』などという暴言を、アニエスはすでに聞き慣れていたが、この時の父親の怒りようはこれまでの比ではなかった。
それも、娘であるアニエスを愛していたのに失望させられたから、ではない。只々、自分の名誉が傷つけられたのが我慢ならなかったからだ。
(私は聖女として不出来だもの、お父様がお怒りになるのは仕方ないわ)
これまで、父親に叱られるたびにアニエスは、そう胸の内で呟いては寂しさを押し殺していた。
聖女としての力を授かって生まれた女性は、“聖なる力”と呼ばれる魔法しか扱えない。
魔力を持つ他の者たちは、各々、大雑把に分類された属性のなかで得意なものが必ずある。
だが、得意な属性以外の魔法も努力次第では扱えるようになることもある。
ところが、聖女は本当に“聖なる力”しか扱えない。他の属性の魔法はまったくと言っていいほど使えないのだ。
しかも、アニエスに至ってはその“聖なる力”さえ満足に使えずにいた。
それでも聖女の血を継いでいるということもあり、また、身分的にも申し分なかったために、アニエスは幼いころに現王太子である第一王子ジュールと婚約させられる。
ただ、アニエスは今年で二十歳を迎えるが、この国での成人年齢はとっくに越えているにも関わらず、未だに結婚はしていなかった。
婚約者であるジュールもアニエスより三歳ほど年上で、普通ならば結婚していてもおかしくない年齢だ。
だが、そのジュールが何かと理由をつけて結婚を先延ばしにしていた。
その理由のひとつが、結婚して初夜を迎えてしまえばアニエスの“聖なる力”が使えなくなってしまうから、だった。
しかし――
『まだ何もしていないのに枯れた聖女と結婚など、ゾッとする。なぜ今代の聖女はあのように不出来なんだ』
そう陰で彼自身が『不出来な聖女』と言っているのをアニエスは知っている。
なのに、それとなく結婚を促そうとすると、アニエス自身の聖なる力を保持するという理由で拒否される。
陰口を叩くその口で、まるで聖なる力を有難がっているようなことを言う彼に、アニエスは腹が立つのを通り越して脱力したものだった。
アニエスとしては自分の聖なる力を保持するよりも、早く結婚して子を授かって血を継がせる方がいいのではと思うのだが――。
『アニエス嬢は自分の聖女としての役目を全うすることよりも、性の快楽を味わいたくて仕方がないようだな。もしかしてすでに知っているのではないか? だから力も枯れているのだろう』
王都の庭園でジュールにそんな言葉を投げつけられたことを、アニエスはよく覚えている。
使用人や衛兵、側近などがいるにも関わらず、大きな声で揶揄されたことにも傷ついたが、その使用人や衛兵にさえも嘲笑を向けられたことにアニエスは愕然とした。
とっさに言葉を返すこともできず、溢れそうになる涙を押し留めることしか、その時のアニエスにはできなかった。
瞬く間にジュールの謂れもない嘲りは貴族間に広まり、『アニエス嬢の不義の相手は誰だ』と面白おかしく噂されてしまう。
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アニエスはもちろん処女であったために、その疑いは晴れたはずだったが、それでも人々は噂を口にすることを止めなかった。
(いずれ結婚して初夜を迎えればジュール殿下も分かって下さるわ。それに子を身ごもることができれば、私も役目を果たし、あんな噂など無くなるはずよ)
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召喚された少女は間違いなく聖女で、しかもアニエスより強い“聖なる力”を持っているのだと言う。
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そして、アニエスとジュールの婚約は聖女の血を、新たに王家へ取り込むという意味合いが大きかった――というよりも、それがすべてだった。
もちろんアニエスはそれをよく理解している。
だから、すぐにもアニエスは不要だと言われることは分かっていた。
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まだ国王の判決は出ていなかったのに、ジュールはアニエスが罪を犯したのだと決めつけて、多くの傍聴人が居るなか声高にそれを主張した。
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傍聴人は口々に「国王が慈悲深い判決を下された」と言い合ったが、死刑を訴える者も、減刑を訴える者もいなかった。
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