明智さんちの旦那さんたち

 十人で夫婦のどこかずれている、おかしな日常

 あの丘の上にある大きなお屋敷――明智さんちのもっぱらの噂は、旦那さんが九人いるらしい。

 これだけでも大変な驚きなのだが、彼ら全員が神がかりなイケメンで、個性豊かなようで、明智さんも少々手を焼いている、いやニヤケ放題だそうだ。

 しかし、家庭にはそれぞれ問題があるのが世の常。明智さんちももれずにそうだった。奥さんはどうやら、プロポーズをされていないし、結婚するとも言っていないらしい。

 それはこの可能性が大きいだろう。勝手に結婚させられてしまったである。そのへんのゴシップは曖昧なので、はっきりと断定することはできないが……。

 だが、奥さんは大変前向きな人で、どうにかこの重複婚を受け入れようと、日々奮闘中のようだ。

 その方法がユニークで、奥さんが旦那さんたちに、あるお題を与えて、九人の人となりを見ようとするものらしい。

 お題というのを、小耳に挟んだのだが、こんな内容だ。
 時限爆弾ケーキがあったら、どうしますか?
 魔法が使えるとしたら、属性は何がいいですか?
 あなただけの床ドンをしてください。
 愛をささやいてください。
 夫婦の営みの誘い文句を言ってください。
 性器を見せてください……etc。

 どうにも気になる内容で、たまたま見かけた奥さんに聞いてみると、教えてくれると快く了承してくれたのである。

 明智さんちの夫婦事情はどうなっているのだろうか?

 *この作品は、小説家になろう、魔法のiランド、アルファポリス、カクヨムにも載っています。
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