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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 11-06
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『……ええっ!? 合体!?』
目を剥く搭乗者を他所に、指令を受諾したレックウが合体モードを起動。
『Roger Immortal Silhouette Frame Mode Ready』
鳴り響く新たな電子音声。オウガがレックウの信号を受諾したのだ。
まず辰巳の背後、新造されたシャッターのロックが解除され、展開。内部から霊力コネクタがせり出す。
ちら、と背後を見る辰巳。利英謹製のコネクタは、一見すると駐輪場の輪止めにも似ていた。ここにレックウを誘導すればいい訳だ。
「ガイドレールビーム、照射!」
叩きつけるような辰巳の指令を認識し、コネクタ部から青い光が伸びる。
以前風葉をコクピットへ招いた牽引ビームと同種のそれは、一直線にレックウへ伸長し、二輪をサークルセイバーごと捉えた。霊力による道の完成である。
『おぉ道だ! 落ちない!』
獣の咆哮が止まり、代わりにエンジンの爆音が轟いた。アクセルが全開になり、レックウがコネクタ目がけて一直線に駆け下りる。
「やらせませんと、言いましたよねぇっ!」
しかして、その接続を悠長に待つギノアではない。ましてや今のレックウは、ガイドレールにそってしか動けないのだ。
「ハガラズッ!」
レックウとガイドレールめがけ、放たれる雹の弾幕。一発でも被弾すれば、レックウは搭乗者ごと潰れてしまうだろう。何せオウガの装甲すら粉砕した弾丸だ。そうでなくともガイドレールを破壊されれば、その時点で神影合体は中断されてしまう。
そんな危機的状況に、しかし辰巳は慌てない。
「ちょいと揺れるぞ、しっかり捕まってろ」
『ふぇ――?』
言うなり、辰巳はガイドレールの投射角度を水平に変更。レックウはレールごとオウガの後方へ倒れこみ、ターゲットを失った雹弾が虚しく空を切る。
『ふええええええっ!?』
同時に、レックウの搭乗者がまたしても悲鳴を上げた。まぁグングニルよろしく振り回されたのだから無理もない。
かくして半分目を回しながらも、レックウはどうにかガイドレールを走破し、フロントフォーク部のコネクタが接続。欠けていたオウガのプログラムがレックウによって補完され、Eマテリアルの機能が拡張開始。
二年前、コアユニットごと破壊された本来の機能――霊脈をかき乱した謎の術式。それ自体は未だ解析の目処すら立っていないが、それでも接続されていた霊力制御機関、Eマテリアルの運用方法については、利英がある程度の解を出した。
レックウはそれを実証するために造られた擬似コアユニットであり、本来ならその操縦と制御を冥が担当する筈だったのだ。
そんな擬似コアユニットから霊力が供給され、オウガの躯体を満たしていく。新たな術式が、新たな武装が、辰巳の脳裏に刻まれていく。
「よし。それで、自壊術式の準備は――」
この時、辰巳はようやくレックウの搭乗者の姿を見た。
そして、絶句した。
さもあらん。そこに居たのは、冥・ローウェルことファントム3ではない。
「や、やっほう」
半分目を回しながらも、片手を上げる銀髪犬耳の同級生。
暫定ファントム5こと、霧宮風葉だったのだから。
目を剥く搭乗者を他所に、指令を受諾したレックウが合体モードを起動。
『Roger Immortal Silhouette Frame Mode Ready』
鳴り響く新たな電子音声。オウガがレックウの信号を受諾したのだ。
まず辰巳の背後、新造されたシャッターのロックが解除され、展開。内部から霊力コネクタがせり出す。
ちら、と背後を見る辰巳。利英謹製のコネクタは、一見すると駐輪場の輪止めにも似ていた。ここにレックウを誘導すればいい訳だ。
「ガイドレールビーム、照射!」
叩きつけるような辰巳の指令を認識し、コネクタ部から青い光が伸びる。
以前風葉をコクピットへ招いた牽引ビームと同種のそれは、一直線にレックウへ伸長し、二輪をサークルセイバーごと捉えた。霊力による道の完成である。
『おぉ道だ! 落ちない!』
獣の咆哮が止まり、代わりにエンジンの爆音が轟いた。アクセルが全開になり、レックウがコネクタ目がけて一直線に駆け下りる。
「やらせませんと、言いましたよねぇっ!」
しかして、その接続を悠長に待つギノアではない。ましてや今のレックウは、ガイドレールにそってしか動けないのだ。
「ハガラズッ!」
レックウとガイドレールめがけ、放たれる雹の弾幕。一発でも被弾すれば、レックウは搭乗者ごと潰れてしまうだろう。何せオウガの装甲すら粉砕した弾丸だ。そうでなくともガイドレールを破壊されれば、その時点で神影合体は中断されてしまう。
そんな危機的状況に、しかし辰巳は慌てない。
「ちょいと揺れるぞ、しっかり捕まってろ」
『ふぇ――?』
言うなり、辰巳はガイドレールの投射角度を水平に変更。レックウはレールごとオウガの後方へ倒れこみ、ターゲットを失った雹弾が虚しく空を切る。
『ふええええええっ!?』
同時に、レックウの搭乗者がまたしても悲鳴を上げた。まぁグングニルよろしく振り回されたのだから無理もない。
かくして半分目を回しながらも、レックウはどうにかガイドレールを走破し、フロントフォーク部のコネクタが接続。欠けていたオウガのプログラムがレックウによって補完され、Eマテリアルの機能が拡張開始。
二年前、コアユニットごと破壊された本来の機能――霊脈をかき乱した謎の術式。それ自体は未だ解析の目処すら立っていないが、それでも接続されていた霊力制御機関、Eマテリアルの運用方法については、利英がある程度の解を出した。
レックウはそれを実証するために造られた擬似コアユニットであり、本来ならその操縦と制御を冥が担当する筈だったのだ。
そんな擬似コアユニットから霊力が供給され、オウガの躯体を満たしていく。新たな術式が、新たな武装が、辰巳の脳裏に刻まれていく。
「よし。それで、自壊術式の準備は――」
この時、辰巳はようやくレックウの搭乗者の姿を見た。
そして、絶句した。
さもあらん。そこに居たのは、冥・ローウェルことファントム3ではない。
「や、やっほう」
半分目を回しながらも、片手を上げる銀髪犬耳の同級生。
暫定ファントム5こと、霧宮風葉だったのだから。
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