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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 07-04
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――Rフィールドの明確な収束方法は、数十年たった現在でも未だ確立されていない。封印の網を逃れたフェンリルを用いて食い尽くす、というのが現状唯一の方法であるが、いかんせん数が少ない。何年かかるか分かったものではない。
ギノアが造り出したこの人造Rフィールドも、条件は同じはずだ。
ましてやこの場所は霊地のある場所、日乃栄高校。最悪の場合、霊脈を通じて一帯の霊力が流れ込み、第二のRフィールドとなってしまう危険性すらある。
そんな事態は避けねばならない。起きてはならない。絶対に。
故に、自壊術式の使用が決定されたのだろう。
今もなお存在について紛糾が起こるEマテリアルごと、Rフィールドを消し飛ばすために。
無論、ただの爆発術式であればRフィールドはびくともしない。グングニルが振り回されても、揺らぐ事すらないのがその証左だろう。
だが、オウガに組み込まれた自壊術式は違う。
――二年前、まだ辰巳に名前が無かった頃。暴走したオウガによって、引き起こされた忌まわしき事故。
自壊術式はその状況を疑似再現し、暴走霊力を機体内外へ放射。これにより周囲一帯の全てを、速やかに抹殺するのだ。
これにより、半径一キロに渡って残るものは無くなる。
人間だろうと、禍だろうと、分け隔て無く一切合切。
Rフィールドもまた霊力であるため、例外ではない。十中八九消滅するだろう。
加えてパイロットである辰巳もまた、例外ではない。発動すれば間違いなく死ぬ。
要するに、来るべき時が来たのだ。
――敵組織の秘密兵器、オウガとEマテリアル。それを調べる試験運用はやむを得ないが、万一に備えてすぐさま屠殺出来る用意もしておく。
目的はどうあれ、それを使う日が来たという訳だ。 風葉は不思議がっていたが、凪守の職員達が敬遠するのはむしろ当たり前だ。
そして、まさに今。オウガの自壊術式は、発動されようとしている。
既に日乃栄高校に人影は無く、今頃Rフィールドの外では余波が漏れぬよう、幻燈結界の出力を限界まで高めている真っ最中だろう。
後は利英辺りがどうにか送ってくるだろう自壊術式の伝令を、速やかに受諾して発動する。
「……ふざけてるな」
ぎり、と。
軋む歯の隙間から、知らず本音がまろび出た。
ギノアが造り出したこの人造Rフィールドも、条件は同じはずだ。
ましてやこの場所は霊地のある場所、日乃栄高校。最悪の場合、霊脈を通じて一帯の霊力が流れ込み、第二のRフィールドとなってしまう危険性すらある。
そんな事態は避けねばならない。起きてはならない。絶対に。
故に、自壊術式の使用が決定されたのだろう。
今もなお存在について紛糾が起こるEマテリアルごと、Rフィールドを消し飛ばすために。
無論、ただの爆発術式であればRフィールドはびくともしない。グングニルが振り回されても、揺らぐ事すらないのがその証左だろう。
だが、オウガに組み込まれた自壊術式は違う。
――二年前、まだ辰巳に名前が無かった頃。暴走したオウガによって、引き起こされた忌まわしき事故。
自壊術式はその状況を疑似再現し、暴走霊力を機体内外へ放射。これにより周囲一帯の全てを、速やかに抹殺するのだ。
これにより、半径一キロに渡って残るものは無くなる。
人間だろうと、禍だろうと、分け隔て無く一切合切。
Rフィールドもまた霊力であるため、例外ではない。十中八九消滅するだろう。
加えてパイロットである辰巳もまた、例外ではない。発動すれば間違いなく死ぬ。
要するに、来るべき時が来たのだ。
――敵組織の秘密兵器、オウガとEマテリアル。それを調べる試験運用はやむを得ないが、万一に備えてすぐさま屠殺出来る用意もしておく。
目的はどうあれ、それを使う日が来たという訳だ。 風葉は不思議がっていたが、凪守の職員達が敬遠するのはむしろ当たり前だ。
そして、まさに今。オウガの自壊術式は、発動されようとしている。
既に日乃栄高校に人影は無く、今頃Rフィールドの外では余波が漏れぬよう、幻燈結界の出力を限界まで高めている真っ最中だろう。
後は利英辺りがどうにか送ってくるだろう自壊術式の伝令を、速やかに受諾して発動する。
「……ふざけてるな」
ぎり、と。
軋む歯の隙間から、知らず本音がまろび出た。
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