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#1 レツオウガ起動
Chapter02 凪守 02-04
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「さて、そいじゃ始めますかねー。まずは日乃栄高校の霊地へ現れた敵性魔術師、仮称スペクターへの対策だ」
言いつつ、巌はブリーフケースから書類を取り出して全員に配る。
右肩をホチキスで留められたA4のコピー用紙は、巌が言った通りスペクターに関する情報が簡潔にまとめられていた。
「ま、会議ってもそんな堅いもんじゃないからさー。取りあえず、霧宮くんはお茶でも飲みながら気楽に聞き流しててよ」
「あ、はい」
頷く風葉。議題と書類の内容は大変真面目なのだが、それを配った当人がもしゃもしゃと桜餅をかじっているので、いまいち緊張感に欠けていた。
「さて。まずは一ページ目、先日の会敵時に幻燈結界が発動してからの一部始終をまとめてあるワケだが、辰巳、間違いないか?」
「……ああ、おおむねこの通りだ」
書類を目で追いつつ頷く辰巳。風葉も手元にある書類を見てみると、そこには確かに昨日の戦いの流れが、大まかにだが書き記されていた。
ファントム4が未確認の高霊力保持者を保護。緊急用の幻燈結界が展開。
仮称スペクターと会敵。交戦。撃破。
キクロプス出現。オウガローダー出動。キクロプス、並びに眷属の竜牙兵を調伏。
素人の風葉が見ても間違いない、確かな戦闘記録だ。
その記録を見ながら、雷蔵は首を捻る。
「ふむ。にしても此奴は訳が分からん行動をしとるのう。一体何がしたいのだ?」
「うん。僕も一晩考えてはみたんだけど、今ひとつまとまらないんだよねー。あ、おかわり貰える?」
空になった湯飲みを雷蔵に渡しつつ、巌は淡々と推論を並べる。
「どんな行動であれ、根底には必ず理由がある。腹が減ったからメシを食う、眠いから寝る、ヒマだから遊ぶ、とかねー。でもスペクターの行動や言動をいくら洗っても、それが見えて来る気配が無いんだなコレが」
「そのようじゃのう、と。ほれ二杯目」
「おう、あんがとさん」
注ぎ終わったおかわりを巌に渡しつつ、雷蔵は口を挟む。
「しかしだ。ならば、スペクターにこんな行動を起こさせた元凶、黒幕が居るのでは無いか?」
「うん、そう考えれば取りあえず辻褄は合うよねー。誰かがスペクターに、凪守へケンカを売らせる理由を提供したワケだ。ま、よーするに鉄砲玉だな」
「おおっぴらに騒ぎを起こすワケにはいかないから、か。だが、だとしたらなぜ元凶はそんな回りくどい真似をする? てか、そもそもホントに元凶なんているのか?」
憮然と言いつつ、辰巳もお茶を一口啜り、すぐさま口を離した。実は結構猫舌気味のようだ
言いつつ、巌はブリーフケースから書類を取り出して全員に配る。
右肩をホチキスで留められたA4のコピー用紙は、巌が言った通りスペクターに関する情報が簡潔にまとめられていた。
「ま、会議ってもそんな堅いもんじゃないからさー。取りあえず、霧宮くんはお茶でも飲みながら気楽に聞き流しててよ」
「あ、はい」
頷く風葉。議題と書類の内容は大変真面目なのだが、それを配った当人がもしゃもしゃと桜餅をかじっているので、いまいち緊張感に欠けていた。
「さて。まずは一ページ目、先日の会敵時に幻燈結界が発動してからの一部始終をまとめてあるワケだが、辰巳、間違いないか?」
「……ああ、おおむねこの通りだ」
書類を目で追いつつ頷く辰巳。風葉も手元にある書類を見てみると、そこには確かに昨日の戦いの流れが、大まかにだが書き記されていた。
ファントム4が未確認の高霊力保持者を保護。緊急用の幻燈結界が展開。
仮称スペクターと会敵。交戦。撃破。
キクロプス出現。オウガローダー出動。キクロプス、並びに眷属の竜牙兵を調伏。
素人の風葉が見ても間違いない、確かな戦闘記録だ。
その記録を見ながら、雷蔵は首を捻る。
「ふむ。にしても此奴は訳が分からん行動をしとるのう。一体何がしたいのだ?」
「うん。僕も一晩考えてはみたんだけど、今ひとつまとまらないんだよねー。あ、おかわり貰える?」
空になった湯飲みを雷蔵に渡しつつ、巌は淡々と推論を並べる。
「どんな行動であれ、根底には必ず理由がある。腹が減ったからメシを食う、眠いから寝る、ヒマだから遊ぶ、とかねー。でもスペクターの行動や言動をいくら洗っても、それが見えて来る気配が無いんだなコレが」
「そのようじゃのう、と。ほれ二杯目」
「おう、あんがとさん」
注ぎ終わったおかわりを巌に渡しつつ、雷蔵は口を挟む。
「しかしだ。ならば、スペクターにこんな行動を起こさせた元凶、黒幕が居るのでは無いか?」
「うん、そう考えれば取りあえず辻褄は合うよねー。誰かがスペクターに、凪守へケンカを売らせる理由を提供したワケだ。ま、よーするに鉄砲玉だな」
「おおっぴらに騒ぎを起こすワケにはいかないから、か。だが、だとしたらなぜ元凶はそんな回りくどい真似をする? てか、そもそもホントに元凶なんているのか?」
憮然と言いつつ、辰巳もお茶を一口啜り、すぐさま口を離した。実は結構猫舌気味のようだ
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