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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 05-10
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「奮ッ!」
かくして辰巳は竜牙兵の盾に掌打を叩き込む。超高速突撃の速度をそのまま乗せられた一撃は、盾ごと竜牙兵を粉微塵に粉砕した。
さながらショットガンのようにばら撒かれる骨の欠片。それを浴びせられ、たたらを踏むキクロプス。
「WOOOOッ!?」
「GI!?」
「GIGI!?」
ここでようやく他の竜牙兵達がオウガに気付いたが、辰巳はそれに対応する暇を与えない。
「セット! ランチャー!」
『Roger Launcher Etherealize』
振りぬいた手のひらを真上に向け、生成したばかりのロケットランチャーを一斉発射。ターゲットは残り全ての竜牙兵、照準は睨み合いの合間に済んでいる。
いずれ落ちてくるだろうミサイルを、しかしターゲット達は気にもとめない。
「GIIIIIッ!」
自陣の真正面へ現れた敵へ向け、一斉に剣を振り被る竜牙兵。
「WOOOOッ!!」
「SHAAAAAッ!」
キクロプスも体勢を持ち直し、右腕の竜と共に格闘戦をしかける。
が、そうした有象無象達のどんな行動よりも、辰巳の斬撃が先んじた。
「凄ッ!」
片手、逆袈裟斬り。オウガの膂力のみならず、生成していたリバウンダーの跳躍力を上乗せした斬撃は、刃の軌道上に飛び込んできた竜の首ごと、キクロプスの胴体を斜めに両断した。
「WOO、OO――ッ」
力なく響き渡る断末魔を眼下に、高く高く跳び退るオウガ。そのすぐ脇を、先程放ったミサイルが掠めて落ちていった。
直後、背後で轟く爆発音。それを振り向く事無く、オウガは緩やかに着地。
爆音に混じって竜牙兵の声が聞こえた気もしたが、辰巳は無視してブレードの制御を解除、ただの霊力へと還元する。
戦闘は、終了したのだ。
「これにて排除完了、と」
言いつつ、辰巳は小さく息を吐いた。
細々とした後始末や、スペクター本体の捜索等、やる事自体は色々と残っている。が、今はとりあえずファントム3にオウガの回収を頼み、幻燈結界を解除すれば終了だ。
まずは日乃栄高校に戻って――と、オウガの足を向けた矢先、辰巳は先ほど風葉が何か言いかけていた事を思い出した。
「そういや霧宮さん、さっき何か言ってたよな。何なんだい?」
「……、ぅ」
振り向く風葉は、なぜか口元を押さえながら両手に涙を溜めていた。
「ど、どうしたんだ霧宮さん!? まさかフェンリルの影響が――!?」
うろたえかける辰巳だったが、しかし風葉はゆるゆると首を振る。
「さっきので、舌、噛んだの。足も、痺れてつらいの」
さっきの、とは考えるまでも無くラピッドブースターを使った時だろう。そうでなくともずっと泉を膝枕していたのだから、相当しんどかっただろう。
「……そうか。なんかこう色々と、ごめん」
キクロプスと戦っていた時よりも遥かに神妙な顔で、辰巳は大きく頭を下げた。
かくして辰巳は竜牙兵の盾に掌打を叩き込む。超高速突撃の速度をそのまま乗せられた一撃は、盾ごと竜牙兵を粉微塵に粉砕した。
さながらショットガンのようにばら撒かれる骨の欠片。それを浴びせられ、たたらを踏むキクロプス。
「WOOOOッ!?」
「GI!?」
「GIGI!?」
ここでようやく他の竜牙兵達がオウガに気付いたが、辰巳はそれに対応する暇を与えない。
「セット! ランチャー!」
『Roger Launcher Etherealize』
振りぬいた手のひらを真上に向け、生成したばかりのロケットランチャーを一斉発射。ターゲットは残り全ての竜牙兵、照準は睨み合いの合間に済んでいる。
いずれ落ちてくるだろうミサイルを、しかしターゲット達は気にもとめない。
「GIIIIIッ!」
自陣の真正面へ現れた敵へ向け、一斉に剣を振り被る竜牙兵。
「WOOOOッ!!」
「SHAAAAAッ!」
キクロプスも体勢を持ち直し、右腕の竜と共に格闘戦をしかける。
が、そうした有象無象達のどんな行動よりも、辰巳の斬撃が先んじた。
「凄ッ!」
片手、逆袈裟斬り。オウガの膂力のみならず、生成していたリバウンダーの跳躍力を上乗せした斬撃は、刃の軌道上に飛び込んできた竜の首ごと、キクロプスの胴体を斜めに両断した。
「WOO、OO――ッ」
力なく響き渡る断末魔を眼下に、高く高く跳び退るオウガ。そのすぐ脇を、先程放ったミサイルが掠めて落ちていった。
直後、背後で轟く爆発音。それを振り向く事無く、オウガは緩やかに着地。
爆音に混じって竜牙兵の声が聞こえた気もしたが、辰巳は無視してブレードの制御を解除、ただの霊力へと還元する。
戦闘は、終了したのだ。
「これにて排除完了、と」
言いつつ、辰巳は小さく息を吐いた。
細々とした後始末や、スペクター本体の捜索等、やる事自体は色々と残っている。が、今はとりあえずファントム3にオウガの回収を頼み、幻燈結界を解除すれば終了だ。
まずは日乃栄高校に戻って――と、オウガの足を向けた矢先、辰巳は先ほど風葉が何か言いかけていた事を思い出した。
「そういや霧宮さん、さっき何か言ってたよな。何なんだい?」
「……、ぅ」
振り向く風葉は、なぜか口元を押さえながら両手に涙を溜めていた。
「ど、どうしたんだ霧宮さん!? まさかフェンリルの影響が――!?」
うろたえかける辰巳だったが、しかし風葉はゆるゆると首を振る。
「さっきので、舌、噛んだの。足も、痺れてつらいの」
さっきの、とは考えるまでも無くラピッドブースターを使った時だろう。そうでなくともずっと泉を膝枕していたのだから、相当しんどかっただろう。
「……そうか。なんかこう色々と、ごめん」
キクロプスと戦っていた時よりも遥かに神妙な顔で、辰巳は大きく頭を下げた。
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