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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 05-05
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「SHAAAAA……!」
キクロプスとは別の唸りを上げながら、オウガを威嚇する右腕の竜。凶暴な瞳と牙を剥き出しにしているその身体は、岩石のように尖った鱗に覆われている。
「あの竜は、カドモスの……?」
霊力センサーで竜の解析をしつつ、自分の記憶から似通った異形の姿を推測する辰巳。
だがそれらが終わる暇を、キクロプスが待つはずもない。
「WOOOOOOOOOOOO!」
闘志に満ち満ちた唸りを上げ、右腕の竜をまっすぐに突き出すキクロプス。突き出された竜は巨大な口を全開にし、剣山のような牙の群れをオウガへと向ける。
「SHAAAAAッ!」
そしてその牙が、咆哮とともに射出された。
「何ッ!?」
さしもの辰巳も予測していなかった牙の銃撃は、オウガの表面装甲に容赦なく突き刺さる。
切磋にオウガを真横へ走らせ、回避を試みる辰巳。だがガトリングガンのように連射される牙の雨から逃れるのは容易ではなく、竜の砲口は正確にオウガを照準して追跡する。
両腕を交差させる事で致命傷は避けているものの、間断ない牙の弾丸はオウガの装甲を秒単位で削り落としていく。
「ちぃ、セット! ジャンプ! 並びにクナイ二本!」
『Roger Rebounder Kunai Etherealize』
止む無く辰巳はリバウンダーで跳躍し、更に二本のクナイを連続投擲。対するキクロプスは連射を中断、飛来するクナイを左手で払い落とした後、再びオウガへと竜の首を向ける。
またもや発射される牙の雨。その射線軸を、オウガはリバウンダーによる連続跳躍で撹乱回避する。
四方八方にばら撒かれる竜の牙。幻燈結界のそこかしこへ散乱し始めるそれを横目に、辰巳はキクロプス攻略の糸口を改めて画策する。
遠距離攻撃手段を手に入れ、反応速度が向上し、恐らくは体表の頑丈さも上がっている。中々厄介な状況だ。
だが、付け入る隙はある。例えば、キクロプスが先程から一歩も動いていない点だ。
息をつかせぬ牙の弾幕で圧倒し、こちらを寄せ付けずに撃ち倒そうとしている。一見すれば、確かにそんな戦法にも見える。
しかし、恐らくそうではあるまい。
主たる術者の指揮も無ければ、霊地からの霊力供給もなし。いくら日乃栄高校から引き出した霊力が膨大だったとはいえ、ただ存在しているだけで霊力を消費する術式に、そう余裕があるはずもない。
いわばこの牙は、己の血をばら撒いているのと同義である筈だ。
ならばキクロプスは、この血をどこから捻出したのか。
「試してみるか――セット! クナイ四本!」
キクロプスとは別の唸りを上げながら、オウガを威嚇する右腕の竜。凶暴な瞳と牙を剥き出しにしているその身体は、岩石のように尖った鱗に覆われている。
「あの竜は、カドモスの……?」
霊力センサーで竜の解析をしつつ、自分の記憶から似通った異形の姿を推測する辰巳。
だがそれらが終わる暇を、キクロプスが待つはずもない。
「WOOOOOOOOOOOO!」
闘志に満ち満ちた唸りを上げ、右腕の竜をまっすぐに突き出すキクロプス。突き出された竜は巨大な口を全開にし、剣山のような牙の群れをオウガへと向ける。
「SHAAAAAッ!」
そしてその牙が、咆哮とともに射出された。
「何ッ!?」
さしもの辰巳も予測していなかった牙の銃撃は、オウガの表面装甲に容赦なく突き刺さる。
切磋にオウガを真横へ走らせ、回避を試みる辰巳。だがガトリングガンのように連射される牙の雨から逃れるのは容易ではなく、竜の砲口は正確にオウガを照準して追跡する。
両腕を交差させる事で致命傷は避けているものの、間断ない牙の弾丸はオウガの装甲を秒単位で削り落としていく。
「ちぃ、セット! ジャンプ! 並びにクナイ二本!」
『Roger Rebounder Kunai Etherealize』
止む無く辰巳はリバウンダーで跳躍し、更に二本のクナイを連続投擲。対するキクロプスは連射を中断、飛来するクナイを左手で払い落とした後、再びオウガへと竜の首を向ける。
またもや発射される牙の雨。その射線軸を、オウガはリバウンダーによる連続跳躍で撹乱回避する。
四方八方にばら撒かれる竜の牙。幻燈結界のそこかしこへ散乱し始めるそれを横目に、辰巳はキクロプス攻略の糸口を改めて画策する。
遠距離攻撃手段を手に入れ、反応速度が向上し、恐らくは体表の頑丈さも上がっている。中々厄介な状況だ。
だが、付け入る隙はある。例えば、キクロプスが先程から一歩も動いていない点だ。
息をつかせぬ牙の弾幕で圧倒し、こちらを寄せ付けずに撃ち倒そうとしている。一見すれば、確かにそんな戦法にも見える。
しかし、恐らくそうではあるまい。
主たる術者の指揮も無ければ、霊地からの霊力供給もなし。いくら日乃栄高校から引き出した霊力が膨大だったとはいえ、ただ存在しているだけで霊力を消費する術式に、そう余裕があるはずもない。
いわばこの牙は、己の血をばら撒いているのと同義である筈だ。
ならばキクロプスは、この血をどこから捻出したのか。
「試してみるか――セット! クナイ四本!」
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