僕に翼があったなら

まりの

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籠の鳥

笑わないでよ王様

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「ふふ、どこもかしこも美味しそうだ」
 さわさわと手が体を伝う。
 くすぐったくて僕が肩を竦めると、王様はもう一度軽く唇に吸い付いてから、そのまま首に口付けした。
 ひゃあ、く、くすぐったいよう。ぺろんって舐められてるしぃい!
 胸がドキドキする。いつ噛み付かれるんだろうという恐怖で歯を食いしばって固まってた。自分が震えてるのがわかる。
「震えておるのか? 怖いなら止めても良いのだぞ?」
 優しい王様の声。でも逃げちゃいけないんだ。僕は約束を破ったりしたくないもの。僕が王様との約束を守ったら、きっと王様だって守ってくれる。
「やめ……ないで。約束だもの」
「そうか、良い子だ」
 耳元で囁かないで。息が掛かると何だか……くすぐったいだけじゃなくて変なカンジ。何だろう、さっきの口付けと同じでムズムズする。
 はむっ。王様が僕の耳に噛み付いた。
「ひゃっ」
 痛くないけど、びりって来た。耳がじゃ無くて、なぜか腰の辺りが。
「ここが弱いのだな。赤くなって、可愛らしい……」
 くすっと笑って、王様に耳朶に歯を立てずにはむはむされると、堪らなくなって身を捩る。顔の横で両手首を押さえられたので、そんなに動けないのがもどかしい。
 それに、僕の上を跨ぐ様に覆いかぶさってる王様の髪と服が、動くたび僕の出てるお腹や首筋に擦れるのも何とも言いようの無いカンジで……つい声が出そうになるのを堪えるけど、つい出ちゃう。
「ふぁっ……」
 僕の手首を押さえたまま、王様の顔が胸に来た。何度もちゅっ、ちゅっと軽く触れる唇。そのたびにムズムズするのが大きくなってきて、この下腹がぞぞぞってする感じ、この前みたいにアレが元気になっちゃったら……わあ、ものすごく恥ずかしいよぉ。
 耐えきれなくなって僕は訊いてみる。
「も、もういいですか?」
「何が?」
「……あじみっ」
 王様は不思議そうな顔で僕を見た。
「お、王様……いっそ一思いに……お願い」
「しかし初めてであろう? 急げば辛いぞ? ワシは獣で無いからの」
「でも僕をいただくって、食べるんでしょ?」
「ん?……まさかとは思うが、そなた……」


 王様がお腹を抱えて大笑いしている。
 そんな突っ伏して、ひーひー枕を叩きながら笑わなくてもいいと思う。
「こ、こんなに笑ったのは初めてじゃ。は、腹が痛いわ……」
「だって、僕本気でそう思ってたもの」
「ワシがそんな事をするわけ無かろう? まあ、そうじゃな。人間以外の動物は喰うか喰われるかだけ。そなたはそうして生きて参ったのだからな。人の微妙な言い回しなどまだわからぬのが当たり前か。だが……くくっ、笑いが止まらん」
 まだ笑うんだ、王様ぁ。
 正直に僕が思ってた事を話すと、王様はしばらく黙った後、大声をあげて笑い出した。
 人間は生きてるものを襲って食べないんだってわかったけど、だったらもっとわからない。
「じゃあ、初めて頂くって本当はどういう事なんですか?」
 僕が訊くと、王様が笑うのを止めてむくっと起き上がった。
「説明し難いが、死ぬほどの覚悟をしておったそなたなら簡単な事じゃ。なに怖い事では無い。お互いが気持ち良くなる事かの」
「気持ち良く?」
「そう。例えば……」
 王様は座って僕を抱き寄せて自分の前に座らせた。背中から腕を回してさわさわと胸を撫でる。また体が熱くなるのを感じた。
「こういうのはどうじゃ?」
 くすぐったいだけじゃないよね、確かに。身繕いでいつもかしかしされてた時に感じてた変な感じ、こういうのが気持ちいいって事なのかな。
 今一つ反応が無いと見てか、今度は耳をはむってされた。
「うひゃっ!」
 自分でも驚くほど体が跳ねた。また腰にビビッてきた。
「ふふ、やはりここは弱いな。ではここは?」
 今度は指先が乳首を摘んだ。きゅっと力を入れられてちくんとした。
「痛いような痒いような……」
 手は止まらずに、指先で弄ぶ様にくりくりしたり、押したりされると、何だか変な感じになってきた。見るとちょっと赤くなってる。またきゅっと摘まれたとき、また体がぴくんとした。
「ふふっ。今日は初めてゆえ、最後までは無理じゃな。まずはゆっくり楽しい事を教えてやろうの」
「やっ……」
 耳を舐められながら胸を弄られて、もう何だかわけがわからない。体の芯がじりじりと熱くなって来て、切ないような言いようの無い感覚が僕を襲う。知らぬ間に息が乱れてる。
「はぁ……あぁ」
 僕、何でこんな声出して……。
「よい声じゃ。これが気持ちいいという事だ。ほら、ここも」
 片手はまだ胸に置いたまま、もう片方の手が下に滑った。薄いズボンの上から股を押さえ込む手にまた体が跳ねた。
「そ、そこは……」
「そこいらの女より余程綺麗な顔をしておるが、やはり男の子じゃの。もう頭を擡げておるぞ? 下も脱がしてよいな?」
 ひえっ。やっぱり元気になってましたかっ!
 いいって言う前にするする脱がしてるしっ。なんで今日はこんなにあっさり脱げる服なの? おばさんを恨む。
「やだよぉ……見ないで」
 手で隠すと、すかさずのけられた。
「恥ずかしがる事は無い。ほれ、ワシも」
 う。王様が腰を動かしたら、お尻に何か大きな固いものが当ったよ?
「これ、元に戻るんですか?」
「抜けばよい」
「抜く? 何を?」
「精を放つのじゃ。出したことは無いのか?」
「ここからはおしっこしか出たこと無いです」
「……可愛い声で萎える様な事を言うでない」
 おしっこ意外に何か出るんだろうか? とか考えてるヒマも無く、またはむはむスリスリが始まって、ひゃーって言わされてると脇から王様の手が伸びてきて、僕のアレをむぎゅっと握った。
「わっ!」
 触られただけで、びびびって何か頭のてっぺんまで来たっ。
「可愛らしい色をしておるの。元気なよい子じゃ」
 握ったまま、手を動かされると目の前がチカチカするような衝撃が……何、コレっ! 腰の中が熱くて、これ……気持ちいい?
「あ…あっ……あっ」
 もう、何か変な声出ちゃうっ。自分が溶けちゃいそう……。
 手が緩んで、指がつつつっと後ろ側をなぞって、先っぽを撫でられた時、もう我慢できなくて仰け反った。このどうしようもない切迫したもの。
「なんか……なんかでちゃうっ!」
「早いの。出してよいぞ」
 また軽く握って擦られると、頭が真っ白になった。ふわって体が浮いた気がした。
「ああっ!」
 何か……出た。

「元気に飛ばしたのぉ。どうじゃ、爽やかな気分であろう?」
 爽やか……なのだろうか。そう言われるとそうかも? 何かどおっと疲れましたが。
 うううっ、でもこんなどろっとした濁った白いものが出るなんてっ。何か衝撃的。自分が恥ずかしいいいぃ。
「今度はワシもすっきりしたいのだが」
 あ、そういえば王様も抜かなきゃいけないんだよね。
「脱がしてくれるかの」
「はいっ」
 立ち上がった王様のズボンの紐を解くと、するんとズボンが落ちた。
 ひいいいいぃ! 何だぁコレっ。
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