Wild in Blood

まりの

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哀歌の章

クジラの歌 4

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 俺は岩の壁に触ってみる。掌で叩いてみたが、厚みはかなりありそうだ。
「フェイがアボットを引きつけてくれている間に、一旦屋敷の方に上がりたいのだが、どこかに道はあるかな?」
 いつも行き来しているベラドンナに訊いてみた。
「海、出て横の浜。そこから上がれる」
「……ありがとう」
 やはり泳がないと無理という事か。それはちょっとなぁ……。
「きゅ、ぴぴぴ きゅい」
 アリーが何か一生懸命喋っているのだが、残念ながらわからない。フェイがいたならわかったのかもしれないが。
「ベラドンナはアリーやママの言葉がわかる?」
「んー、言葉、わからない。でもなんとなく、わかる」
 ……そうか。勘だけで長年付き合ってるってわけか。ある意味すごい。
 すい、とこちらに来たアリーは、尾が水に浸かるギリギリのところで腰掛け、俺に手招きした。胴体部、腕は人と大差無い。やや大きめの胸を隠したいのだろうか、水着のような物をつけているのが人間らしいというより滑稽に見える。少しおかしな人魚姫という感じだな。
「ぴーぴぴぴ?」
 両手を器用に動かし、彼女が首を傾げた。この手の動きは……。
「手話か。わかるよ」
「ぴぃ」
 やはりこの娘はかなり頭がいいらしい。これなら会話にもなりそうだ。
 アリーが手話で俺に話しかける。
「海の、中、見て、重い、動かせない、ある?」
 解読すると、首をくいくいと上下に動かすアリー。合っているみたいだ。
「見るって、俺が?」
「ぴぃ」
 うーん、やはり泳がないと無理なのか。だが、陸に上がるのも、どうせ泳がなければいけないのなら、ここでも一緒かな。
「俺……泳ぐのは苦手なんだが」
 正直に言っておかないとな。
「大丈夫。溺れたら、アタシ、助けてあげる」
 ベラドンナ、気持ちはありがたいが、君にだけは人工呼吸して欲しく無い。確実にあの世にいけるだろう。
 眼鏡を無くさないよう何とか固定し、俺は覚悟を決めて思いきり息を吸って海に入った。
 アリーが体を支えてくれている。ベラドンナにはライトを持たせた。
 浮こうと思う時は沈むくせに、こうして潜ろうとすると体が浮くのはなぜだ。だが水の中は透明度が高く、視界は悪くない。
 岩の檻。そうとしか言いようの無いものが見える。細い隙間が規則正しく並んでいるのは、恐らくは金属製の太い柵なのだろう。月日が経ち、そこに貝や海草、イソギンチャクが付着して岩のように見えるのだとわかった。
 ライトで照らされたその向こうに、ゆらりと蠢く黒い巨大な影。
「ぴー」
 海の中でもよく響くアリーの声。アリーが俺に一点を差し示した。そこには何か突起のようなものが見える。レバー? 開閉装置か。
 ううっ、そろそろ息が苦しい。一旦息継ぎがしたい。
「ぶはっ!」
 水面に顔を出すと、アリーとベラドンナが笑った。俺、水棲のA・Hじゃ無いんだからな。フェイは五分くらい潜ってても平気なようだが、俺は一分も持たない事が判明した。
 クジラの餌はどうしているのか心配をしていたが、あれだけ柵に隙間があれば、魚くらいは入ってくるだろうし、アリー達が与えていたのかもしれない。しかしベラドンナもアリーも小柄だが、あの隙間ではギリギリすり抜けるのは無理かな。
 もう一度潜って今度は真っ直ぐにレバーに向かった。
 レバーらしきものは三年間動かされていなかったためか、海草が付着していて、最初はビクともしなかった。確かにベラドンナとアリーの細腕では開けられはしなかっただろう。それに、こいつは、ひょっとしたら連動式かもしれない。
 また息継ぎに上がり、俺はベラドンナに思い切って提案してみた。
「ベラドンナ。俺と最初に会った、パパの大事な部屋に一人で行けるか? そこのどこかに、水の中のと同じようなレバーか、ボタンがあると思う。それを動かせるかな?」
「んー、やってみる」
 ベラドンナは頷いた。
 一抹の不安はあるが、試さないよりはマシだろう。
 何度か潜っては上がるを繰り返しながら、俺はレバーに付いた貝や海草を取り除いた。水の中に作られた装置だけあって、腐食は無いようだ。
 がくん、と何か衝撃があった気がして目を凝らすと檻の向こうにベラドンナの得意げな顔がのぞいた。上手く行ったみたいだ。よくやったぞ!
 よし、たぶんこれで……。
 大きく息を吸って潜り、レバーを動かす。重いものの、少しづつ動き始めた。多少苦しいのも我慢して、俺が思いきり足で踏んでみると、ごん、とレバーが降りた。
 ごごごご……。
 低い音をたて、海草や岩を巻き上げながら、ゆっくりと柵が上がってゆく。体を保てないほどの波も襲ってくる。何とか浮上し、俺が息をついた時には、ベラドンナとアリーに両方から支えられていた。
 そして、ビッグママがゆっくりと姿を現した。

 長い間、閉じ込められていたからだろうか。クジラは酷く痩せている。
 本来深い海で魚やイカを採って食べる生き物だ。よくあの浅くて狭いところで三年間も我慢したものだ。
 ごうごう……クジラが何か喋っているようだ。そして鼻先でくいと俺の体を持ち上げる様に押してきた。
「乗せてくれるのか?」
 返事をするように、ママはぶしゅっと潮を吹いた。
 それは助かる。幾らアリーとベラドンナに掴っているとはいえ、いい加減怪しくなってきたからな。
 よじ登ると、フジツボが付着したクジラの背中は滑らずに意外と安定感があった。くい、と頭を動かして一番いい位置に来るように調節までしてくれている。
「ありがとう」
 ぶしゅ、と音が返って来たのが、「どういたしまして」と言っているように聞えた。 
「洞窟から出よう。外は広いぞ」
「よかったね、ママ」
「ぴーぴー」
 クジラの背中に乗るなんて、俺は勿論初めてだが、昔から憧れではあった。本部の皆にすごく羨ましがられそうな気がする。
 しかしなんて頭のいいクジラなのだろう。
 俺が関心していると、アリーが水面に出した手で語る。
「ママ、人間、頭……」
 アリーの手話に出て来た単語で、俺は背中に冷たいものが走るのを感じた。
 そうだ。元オーナーは普通のクジラをコレクションに入れるような人間ではなかったはずだ。
 まさか……。
「貴女は人間?」
 問いかけると、おうおう……と答える悲しい声。
 よく見ると、頭部に微かだが丸い傷跡がある。これは手術跡のようだ。分厚い脂肪組織があるから、少し凹んでいるように見える。
 考えられるのはH・K手術。以前兵器用に犯罪者の脳をサメに移植した例があったのを、本部の資料で見たことがある。サメで可能なら、体のサイズは違えど脳の容積は近いし同じ哺乳類のクジラの方が簡単なはずだ。
「ママ、事故、病院、クジラ。会いたい、家族、夫、子供……」
 アリーが手話の途中で顔を覆った。泣いているのだろうか。
 このクジラの中の女性は本当にママなのか。主婦だったようだ。何かの事件に巻き込まれて、脳をクジラに移植されたのだろう。実験だったのかもしれない。
 記憶があると言う事は、感情は人間のまま。それはどんなに辛く、悲しいだろう。俺には想像もつかない。
 アリーの手話が続く。
「市場、売られた。パパ、買った。ここ、寂しい、少ない」
 A・Hを飼い、地下に鎖で繋いでいたのは決して許せる類の人間では無いが、殺されたオーナーはある意味慈善家であったと言えなくも無い。
 結果、このアリーやベラドンナが傍にいたから、少しはこのママも救われたのかもしれない。
 家族は彼女がこうして生きていると知らないだろう。
 もしわかっても、もうこの姿では会えない―――。
 どこの誰だか知らないが、こんなに悲しい生き物をよく作れたものだ。叫びたいほどの怒りを覚える。
 しかし……また闇市場か。何でも売るんだな。
 広い海。傾き始めた日が金色に水面を染める。
 ビッグママの悲しい歌声が遠くまで響く。横では伴奏のように海のカナリアの高い声。
 俺は通信機をオンにして、支部だけでなく、本部にも事件の概要を簡単に報告し、応援を要請した。
 ざば、と離れた所で水しぶきが上がった。
「ディーン!」
 フェイだった。沖に出たのはいいが、こっちから近づいてたみたいだ。
 フェイがきょとんとこちらを見ている。
「クジラ……?」
「ああ、こちらがビッグママ」
「無事出られたんだね。よかった。はじめまして」
 フェイ器用だな。海に浮いたままお辞儀って。
「アボットはどうした?」
「諦めが悪いっていうか。まだ追いかけてくるよ。逃げたほうがいい」
 はあ……こいつはちょっと、お灸をすえてやらないといけないかな。
「このまま逃げ続けるのも無理だ。一応さっき応援を要請したから来てくれるだろうが、それまで大人しくしていてはくれんだろうな」
 とか言っている間に、モーター音が近づいて来た。
「ママ、お嬢さん達を連れて離れていてくれ。ボートのスクリューは危ないよ」
 俺がそう言うと、ぶしゅ、という音で返事をしたクジラはゆるりと向きを変えた。
 俺? 落とされてるな!
 半分溺れかけてバタバタしてたらフェイが掴まえてくれた。
「ディーン……ひょっとして泳ぐの苦手?」
「うん。苦手どころか泳げない」
 それでも頑張ってママを出したのだから褒めて欲しい。
 うぃいんと音をたて、アボットのボートが迫ってきた。
 とりあえずボートに上がる事は許された。安定感は無いが、水から上がれただけでほっとする。
「アボット、もういいだろう?」
「もう引き返せないじゃないか! 私は……ビーナの仇をとりたかっただけだ。どうせ帰ったら処分されるんだ。だったら……」
 かなり混乱しているな。話が通じそうにない。
 アボットの手には銛。この舟を借りて来た時に積んであったのだろう。
 復讐に燃える男はなりふり構わないという感じだな。
 一番最初に顔を見た時は、大人しそうで穏やかだった。相棒の死因を語るときも淡々と冷静だった。その内に、どれだけの感情が渦巻いていたかを感じさせず。その辺がネコなんだろうな。
「安心して下さい。あなた達を殺して、あの殺人蛸を処分したら私もいきます」
 アボットの不吉な言葉に、俺も一応返しておく。
「男と心中なんて真っ平だぜ? もうすぐ迎えのヘリが着く。それまで大人しくしてたらどうだ?」
 ……それで聞くならここまで苦労はしなかっただろうけどな。
 アボットが動いた。大柄だがさすがにネコだけあって身は軽い。銛を構えて俺に向かって突っ込んできたスピードは大したものだった。
「やめて!」
 フェイが横手から蹴りを入れた。
 おいおい、そんな勢いで蹴ったら……衝撃でアボットの手から飛んだ銛を俺は慌てて拾ったが、小さいボートだ。大揺れに揺れて、立っているのもやっとだった。
 フェイの蹴りを受けても、ボートから転落しなかったのはさすがだ。バランス感と受身が非常に上手い。などと感心してる場合じゃないな。
 気が付くと俺はぐるる……と唸っていた。
「この……!」
 アボットが麻酔銃に手を掛けたのをみて、俺は思いきり殴ってしまった。
 勢いあまってアボットが海に飛んで行ってしまい、慌ててフェイが回収にいく。
 ボートに上げられたアボットは気を失っていた。
 これでやっと大人しくなってくれたのだが、少し経っても目を覚まさないアボットに、心配になってきた。ヤバイ、これではこっちが処分対象じゃないか?
「もう、ディーン。ちょっとは手加減してよ」
「手加減したじゃないか。爪は立てなかったぞ。噛み付かなかったし。お前だって思いきり蹴り飛ばしたじゃないか」
「優しく蹴ったよ。僕が本気で蹴ったら首の骨が折れるもん」
「……ほう」
 フェイとケンカするのはやめよう。
 一応、撃たれそうになったって事で、正当防衛は認められた俺達だった。


 ベラドンナはあまりにも危険なため、本部に連れて帰る事になった。
接種した食べ物から毒を作る器官を無効化する手術を受けさせ、更正施設でちゃんとした教育を受ける事になるだろう。十一歳の時にオーナーに買われ、一年ほど可愛がられていたというから、ベラドンナはまだ十五だ。殺人は不問ではないが、更正できると信じている。いつかはアリー達の元に帰って来るかもしれない。
 罪を犯したわけではないアリーとビッグママは、豪州支部が保護する事になった。
 ママを収容出来る施設は無い。所在地確認のタグをつけられただけで、海に放された。
 人の頭脳を持ったクジラとイルカの姿の娘は他の仲間とは暮らしていけないだろう。それでも地下の檻から出て、自由に海を泳げたなら、彼女は少しは幸せだろうか。
 元オーナーのメモリーを解析した結果、ベラドンナ、アリーの他に、後少なくとも四人のA・Hがあの屋敷にいた事がわかった。中には戦闘用の虎のA・Hや、豹などの危険な者もいたようだ。どれも見た目が変ったものばかり。
 約一名は先日欧州支部の方で保護された夜光虫の遺伝子で光る少女と酷似していた事から、三年の間に他の行方のわからないA・Hも再度市場で売り払われたという事が立証された。
 念のため、地元の警察の当時の事件の資料も提出してもらった。
 こう言っては何だが、かなりずさんな処理だったみたいで、自殺したとされる使用人の男にも不自然な点が多かった。オーナーの首の傷と大型犬の歯型とも一致していない。それと同じで、冤罪だろう。
 ……自分をめった刺しにして自殺出来る人間なんていないと思うぞ。警察も気がつけよと思う。まあ、三年も前の事件を今更蒸し返してもしようが無い。
 それより闇市場……。 
やはり何をやるかわからないな。口封じに簡単に人まで殺すというのは、今までからもわかっていたがな。結局今回も詳細は辿れず、俺自身の目的を果たすため再度認識を深めただけだった。
 今回、最も処分に困ったのがアボットだった。結局G・A・N・P除籍は免れたが、最も過酷な南極の監視勤務に飛ばされる事になった。
 危うく殺される所であった俺とフェイも、情状を訴えた。彼の気持ちがわかるから。
 だが、私怨で規律を乱したことは許しがたいという事らしい。俺自身、私怨で動いていると言えなくも無いだけに耳が痛い。明日は我が身な気がする。
 俺の復讐する相手はまだ遠い。今回も姿は見えたのに尻尾は掴めなかった。
 今はもう少しG・A・N・Pの仕事を無難にこなしつつ、少しづつでいい、近づきたい。

「フェイ、良かったな。クジラの歌は聴き放題だった」
「うん。ディーンも泳げないけど潜れたから、これからは一緒に仕事もらえるね」
 フェイが長閑に言ったが、それは勘弁願いたい。オオカミは陸を走る生き物であって海を潜る生き物じゃないんだよ。
 本部長には正直にカナヅチです、海は勘弁と申請しておこう……。
「クジラに乗るという夢のような体験はさせてもらったが、結局カンガルーもコアラも見られなかった」
 白い岬の灯台の袂で、本部からの迎えのヘリを待ちながら思わず溢す。
「今度、休みがもらえたら、一緒に遊びに来ようよ」
「そうだな」
 ビッグママの声が聞こえる。遠く、低く。
 もう会えない家族、愛する人を思う悲しい歌。その身の上を嘆く歌。
 クジラの歌声はどこまでも響く。

(哀歌の章 END)
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