魔界王立幼稚園ひまわり組

まりの

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続・魔界王立幼稚園ひまわり組

39:運動会開会

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 秋晴れの紫の空、はためくは万国旗ならぬ子供達の描いた絵。
 魔王城前広場の石畳には白い線が引かれ、ロープで仕切られた客席には群衆が犇き、運動会の開会の合図を今か今かと待っている。
 これから幼稚園の園児五十一名、紅白二組に分かれての入場です。
 白組の先導はスミレ組担任のウリエノイル先生、赤組の先導はバラ組のマーム先生。それぞれ鉢巻も勇ましく、プラカードを持って入場門にスタンバイです。私はメイア先生や他の補助職員の皆と共に、開会の挨拶をなさる魔王様(えんちょう)の横で控えているのですが……。
「魔王様、少し離れていただけませんでしょうか」
「す、すまん」
 思わず溢した私の言葉に、今日も黒衣の魔王様が慌てたように飛び退かれた。
「あ、いえ、今の魔王様ではなくて、先代の魔王様の方ですね」
「……父上はまだおいでなのか?」
「はい。肩が重いです」
『折角姿を消しておるのにバラさなくてもよいではないかココナちゃん』
 頭に直接響くような年老いた声が肩から聞こえる。魔王様も呆れたように小さく溜息をつかれた。
「父上、早く壷にお戻りくださいと言いましたが?」
『よいではないか。ワシも一緒に運動会とやらを楽しみたいのじゃ』
「ココナさんに迷惑だ。せめて私のところへ……」
『嫌じゃ。息子であろうと男の肩なんぞに乗りとうない』
「で、では姉上の所にでも?」
『メルちゃんうるさいし、ココナちゃんがよいのじゃっ』
「……」
 ううっ、私は何故かどエライものを背負って運動会に臨まねばならないようです。そして魔界において最高位である魔王様のお父上を拒否する権限など私には無いのですよ。
 なぜこんな事になっているかというと、大混乱だった昨日の結婚式初日に遡るのだが、それは後でゆっくりと愚痴らせていただこう。とにかく、今日は二日目の運動会である。
「あー、あー。わは、よしっ」
 拡声草(マイク)の調子を確かめる司会ジラソレのちょっとマヌケな声が響き、ぱーんぱーんという花火の音がして、お城楽団の音楽が始まった。ざわ、と客席がどよめいた。
「わはははは~! それではぁ、これより第十三回、王立幼稚園大運動会をはじめるぞぉ~! わはははは、園児入場ぉ~!」
 相変わらずのお気楽な司会の声に拍手や歓声が沸き起こる中、園児達が門を潜って来た。
 紅白で戦力に差が出ないように、各学年を半分ずつに分けたが、白組さんが一人多い。その分赤組さんは安定の年中が多くなっている。
 私は今年は赤組さんです。白組ウリちゃんはかなり文句を行ってましたが、リノちゃんも白組になったのでご機嫌がなおった。ええ、つまり私は夫と娘を敵に回しました。
 にこやかに余裕の表情で行進して来る年長さんや年中さんとは対照的に、ひまわり組の面々は多くの観衆に驚いたように、緊張した面持ちでちょこまかと歩いてくる。あらら、赤組のさんちゃんは手と足が一緒に出てる。白組になったきぃちゃんは鉢巻がズレて目隠しみたいになっちゃってるよ。
『おお、かわいいのぉ、かわいいのぉ! ワシ、小さい子供は大好きじゃ』
 左様でございますか。魔王の子供好きは歴代でしたか。どうでもいいので興奮して暴れないでください先代魔王様。
「ペルちゃーん! おばあちゃんも応援してるわよ、頑張ってねー!」
 客席のテントで仕切られたブースからも、頭痛の種の声が聞こえるし。ええ、天界よりお越しのザラキエルノ様のお声ですとも。一応お客さん一人一人に渡してある観客用バッジはお遊戯会同様私の防御の力を籠めてあるし、今回は天界側も配慮してくれて特別に神力も魔力も通さないテントで観戦席を設けてくれた。ザラキエルノ様のその後光の差す麗しいお姿の腕にちんまりと抱かれているクマさんのヌイグルミはさっちゃんのお父様、神様です。勿論中身だけですけどね。
 赤い鉢巻もよくにあうペルちゃんが声の方に向いて微笑んだ。クマさんもピコピコ手を振ってるところをみると、おじいちゃんも嬉しいみたいです。
『わざわざあんな物に憑いてまで観戦とは。物好きじゃのぉ』
「人の肩に乗っている御方様が仰いますか、それを」
 クマちゃんの方がこっちの見えないじいさんよりマシだろうと私は言いたいのだが。可愛いし迷惑にならないと思うよ。
 ともかく、園児が各組二列、全四列に並んで止まった。
「わははははっ、それでは園長より開会の挨拶ぅ~! わはははは~!」
 もうすっかり幼稚園行事ではお馴染みになった笑いジラソレの司会、父兄やドドイルの人達は慣れっこになっているが、流石に他国の王族方やましてや天界からのお客もおいでの今回はやや大人しめにお願いしたいものだ。
『あれ、面白い花じゃのう。お土産にもらおうかの』
「……お静かにお願いしますね」
 冥府にお持ち帰りされたらジラソレも可哀相な気がするのだが。
 こちらを少し気にしつつ、現魔王様が台に上られた。
「今日のよき日に、こうしてここでまた運動会を開催出来ることを嬉しく思う。幼い子供達の懸命な姿を皆で応援してやって欲しい。子供達も皆最後までがんばろう。以上」
 相変わらず硬い短い挨拶でございますね、魔王様……いいですけど。中学の時の校長先生の挨拶の長さに、早く終わって~とバタバタ貧血で倒れる生徒がいたのを思い出すとありがたいことだが。
「わははっ、それでは各代表の選手宣誓~っ、わはははは~!」
 段の上に立たれたままの魔王様の前に、年長さんスミレ組の二人が出て来てこれも段に上がった。白組は猫獣人のビュルネちゃん、赤組は夢魔のトト君だ。どちらもしっかりさんなので見てて安心感がある。
「せんせーっ! ぼく達」
「わたし達は」
「さいごまで」
「がんばることをちかいまーす!」
 片手を挙げて、交互に立派に言い切った二人に、段の上の魔王様も満足げですね。ひまわりさんで入って来た時は泣き虫さんのオチビちゃんだった二人が、年長になって本当に大きくなったね。先生、早くもちょっとじーんとしちゃう。
 大きな拍手に包まれて二人と魔王様が段から降りると、すかさず司会の声。
「次は準備体操だぞ! わははは、いきなり動くと怪我をするからな、しっかり体操するんだぞ~わはははは~!」
「あーい!」
 ノリノリのジラソレの声に子供達も表情が柔らかくなって大きな声で返事をした。年に何回も生え変わってるわりに、段々司会上手くなってるよね、恐るべし、植物魔人。
 おっと、感心してる場合じゃなかった。準備体操に行かねば。
「ココナさん、早く」
「ゴメンゴメン」
 一緒に準備体操の見本を見せるエイジ君に呼ばれて一緒に段に上がりますよ。
「はーい、じゃあまねっこしてね」
 まずは手をぶんぶん。そしてアキレス腱を伸ばします。あ、下半身人型じゃない子は何となく全部伸ばしてね。
「おとなりの子と手をつなぎまーす。スケルトンの子は無理しないでね」
 見本の私もエイジ君と手を繋ぎますよ。そして足をあわせてうぃーんと手をひっぱりあいっこです。というわけで二人いるんですよね。何やら突き刺すような視線を感じるのは、ウリちゃんとてんちゃんだろうか。
『これ、若い男とくっつくでないわ』
 肩の先代魔王様も何やら言ってますけども気にしてはいけません。そもそも私既婚者ですからね? それに仕事ですから。クジ引きでこの役になっちゃったんですから。
 最後は背中を合わせて肘を絡ませて、背中に背負いっこです。エイジ君は背があるので体を反らせて乗る真似だけだけどね。私は足持ち上がりました。
「……ココナさん、嬉しいんですけど後でウリエノイル様に殺されそうです」
 エイジ君は声が震えている。
「私だっててんちゃんに思いきり睨まれてるんだけど?」
 思った以上に密着する準備体操だった……。
「みんな、準備体操ばっちりですかー?」
「あーい!」
 子供達は元気いっぱい。ちょっと今の背負いっこで岩石のモコちゃんと組になった猫叉のトメさんがへばってますが、大丈夫でしょう。
「じゃあ、赤組さんと白組さんの陣地に別れましょう。走れ~!」
 わーっと子供達が二手に別れて走っていく。ここで職員も各組に分かれます。あ、エイジ君は白ですよ。てんちゃんもね。
「魔王様、参りましょうか」
『参ろう参ろう』
 あんたじゃないよ、若い方の魔王様だよ!
「わははは~! じゃあ、最初はひまわり組さんのかけっこだぞ~。年少さんは入場門に集合~!」
 さあて、競技スタートだよ!
 どうか無事に運動会が終わりますように。
 せめて子供の部だけでも……。
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