悪役令嬢の逆襲

すけさん

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ケイゴとランチ

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あーマジでビビった・・・
また流される所だったわ!



自分で決めた事だ!
これ以上レンと関わらないようにしなきゃ!





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「なぁ、今度アンナとレンの婚約披露パーティーが大々的に開催されるんだろ?」



「そうみたいだよね!」


最近の日課になりつつあるが、こうして初めて出会った大きな木の木陰で寛いでるのだ
レジャーシートを敷きお弁当を持参して昼食を頂くのが唯一の楽しみになってる。


「それにしても、この甘い卵上手すぎるな!」


気がつくとケイゴが私のお弁当のおかずを摘まみ食いしてる


「もう、沢山あるからゆっくり食べなよ!」


取られまいと口一杯に卵焼きを頬張る!
取らないから沢山食べろよ


「アンナとレンの婚約パーティーに出席するのか?」


ケイゴの言葉にため息を吐いてしまう。

そうなのだ、元婚約者と現婚約者との共演?
ちょっと違うか・・・・
居心地がめっちゃ悪すぎるから出来る事なら欠席したいけど父親に出席を促されてる
私を笑い者にしたいのか・・・
あるいはアンナの力を誇示したいのか・・・


私から破棄したんだから負け犬の遠吠えみたいにならないかな・・・


「出来るなら出たくない!だって一緒に行ってくれるパートナーだって居ないし」


「俺がパートナーじゃ不服か?」


ケイゴからの申し出に目がキラキラ輝きだす。


「えっ!?もしかして私のパートナーとして一緒に出席してくれるの?」


「別に嫌ならいいんだけど・・・・・」


思わずケイゴの両手を握り感謝の如く何度も頭をふる


「わぁーー!絶対一緒に行く!ってか一緒に行ってくれたら嬉しすぎる!
ケイゴがパートナーなら惨めな思いしないもん」


「何で俺じゃ惨めな思いしないんだよ?」


ケイゴの目を直視しながら


「そりゃその顔面は眼福対象だもん!」


「ガンフク!?」


ケイゴの疑問に答えず、そんなことより興奮が抑えられず最高潮に達すると


「今更やめたとかナシだよ?絶対、絶対だよ!約束ね!」


何故か耳まで真っ赤にしながら、オゥっと気のない返事をするケイゴ


あー良かった、これで目下の悩みが解決だよ!


「しかし、ベントウっていう便利なものよく思い付いたよな?」


この世界にお弁当って物はないらしい。
今では婚約破棄された令嬢って事で注目の的だし、まわりからの視線を回避するのに弁当持参してるだけなんだけどね!


流石に伯爵令嬢がキッチンに立つのは無理らしく、お抱えのシェフにレピシを渡し作ってもらってる。


最初は怪訝な顔で私を見ていたが、今では私からリクエストされるレピシを楽しみにしてるらしく家のシェフの腕が上がってる気がする。


今日の弁当の中身は、卵焼きにウィンナーに唐揚げにパンを詰めてみた。


「しかしこの肉も上手いな!ってかこんな上手いの食べたことないぞ!」


「でしょでしょ!これは唐揚げって言うのよ!味がついてて美味しいでしょ?」


本当ならおにぎりを握りたかったけど・・・
流石にお米は出回ってないらしくご飯が食べれない!
パンばっかりだと飽きてくるんだよな!


口に沢山頬張るからむせたらしく、急いで水を飲ませてあげる


「生き返った!」


細長い入れ物に氷と水を入れて水筒がわりに使ってる。
これも魔法瓶じゃないから夕方ぐらいになるとぬるくなっちゃうけど、昼頃ならば冷たい状態で保存可能だ!



準備万端の私のランチに満足げだ!


ちゃんと食後のデザートもある!
今日はシュークリームを持参してみた。

これもお抱えシェフにレピシを渡して再現してもらったんだけど、家のシェフは有能らしくシュークリームもどきではあるが十分美味しいお菓子が出来上がった!


「これ何なんだ!上手すぎ!」


でしょ?でしょ?
カスタードクリームがなかなか上手く出来なくて苦労したみたいだけど、私が知ってる近い味になったと思う!
ただ、流石に見たことないお菓子の作製なので完璧とまではいかないけど合格点はあげれる完成度だ!



「あ、もうクリームついてるよ!」


口元についたクリームを指先で拭き取りそれを
舐める。
そんな私の姿に目の前で真っ赤になって固まってる。


何か意識されるとこっちまで照れてしまうじゃないか!
まぁ、確かに舐めたらだめだけど


つい子供みたいな無邪気なケイゴと接して、本来の精神年齢っていうか母性本能が働いたのかな・・・


「ご、ごめん」


「・・・・・・べ、別にいい」


お互い意識しまくりで居心地が悪くなる。



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