悪役令嬢の逆襲

すけさん

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レンの奇行

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私を探してた!?
もしかして私に助け船だそうとしてるの?


ありがとうって素直に言わないけどね、ここはケイゴに乗っかってみるか!


「ケイゴ様、私も探してましたの!
ここではあれですから私のサロンにおいで頂きませんか?」


私はケイゴにウィンクしてアイコンタクトしてみるが、突然笑いだす彼!


「クックックックッ何なんだそれ面白すぎる!
ジュリアン嬢、その目をパチパチするのはどんな意味があるんだ?」


どうもウィンクが彼のツボに入ったらしく豪快に笑いだす始末
ちょっとこの空気どうしてくれんのよ!



「えっ!?ウィンクですか?
どんな意味と言われましても・・・・・」


レンをスルーして2人の世界に居たのにお気に召さなかったのか、再度強引に私の腕を掴み連れ出そうとする。


「ケイゴ、今は俺と話をしてるのだ!邪魔するな!!」


一触即発ーーーーー!?
ってか何故かラブストーリーの王道の展開になってないかい?


あれ?私って悪役令嬢だったよね?


そこに瞳をウルウルさせながらヒロインが登場する。



「ーーーーーーーレン様」


小鹿のように可愛らしい笑顔を振り撒く


やっと私を掴む力が緩んできたのか簡単に外れる


「ーーーーーーーアンナ」



アンナの登場に戸惑う表情のレン
まるで浮気が見つかったかのようなキョドりぶりに笑いそうになってしまった。



「レン様喜んでくださいませ!
今まで政略結婚で愛がなかったお姉さまとの婚約は破棄になりましたわ。
新たにわたくしがレン様の婚約者になりましたのよ、!私嬉しくて嬉しくて!」


レンが呆然としながらアンナの言葉を聞いてる。
やっと現実を受け入れたのだろうか納得した表情を浮かべてる。



やっと解放されるのね!
隣のケイゴにまたしてもウィンクしてアイコンタクトしてあげる。

またしてもツボに嵌まったらしく、お腹を抱えて笑いだす。
そんなケイゴの姿が可笑しくて私も笑ってしまった。


「2人して何を笑ってるんだ!」


何故か分からないけどアンナを放ったらかして、私達の前に仁王立ちで立ちはだかる。


「はぁ?何がだよ?
俺とジュリアン嬢のここだけの話であってレンには関係ないだろう!」



「いや、関係あるだろう?
まだ婚約破棄した覚えはないんだから!
ジュリアンはまだ俺の婚約者だ!」


血迷った発言に私は顔面蒼白になる。
この馬鹿面は何を考えてるんだ!
アンナが婚約者だって言ってたじゃん!
チェンジしたんだよ!チェンジ!
って叫びたいんだけど・・・


「ケイゴ様お気遣いありがとうございます。
少し、レン様と話をして参りますので後程伺います!」


更にアンナを放ったらかしで私の腕を強引に引っ張りその場から連れ出される!


怒りで我を忘れたような雰囲気に戸惑ってしまうんだけど


強引に私を壁に押さえつけると真剣な顔で


「お前は俺が好きなんだろう?なぁ、やせ我慢するな!
俺が好きだったよな?そうだよな?それともケイゴに気持ちが移ったのか?」



まるで嫉妬じゃね?


清楚バージョンはやっぱり破壊力あるんだろうか・・・・
今の私は、確かにぶっちゃけアンナなんかよりも綺麗だもんね!


「私は誰も好きじゃないです、そしてけして貴方をもう好きになることはないわ」


そう吐き捨てると、彼が強引に私の唇を塞ぐ。
今までの私には興味など一切示す事もなく、指一本触れあう事などなかったのに・・・・


何故か涙が出てきた。
嬉しかったのだろうか・・・・
いやいや、私の中のジュリアンが泣いてるのだ・・・・


私の涙に正気に戻ったのか驚いた表情のレン


「す、すまん、な、何をしてるんだ俺は・・・・」


私はその場から走り出す、後ろから私を呼ぶ声が聞こえる。
あんなに恋い焦がれたレンからの口付けが悲しすぎたのだろうか
私の中にある思いが溢れ出してくる
怒りに任せてファーストキスされるなんてトラウマになる


一人あてもなく歩いているとケイゴが私に気付いて声をかける


涙でくしゃくしゃの私の顔を見た瞬間
優しく抱き締めて頭を撫でてくれた。


今はこの優しさはキュンとしてしまうじゃないか


暫く私を抱き締めてくれたケイゴの腕の中で涙が零れた。







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