毒舌お嬢と愉快な仲間たち

波乱のデート②

マックを出ると、いきなりホストが手を握る



｢花子ちゃん、迷子になりそうだから・・・｣



私は嫌だって手を離す事も出来た筈なのに、そのまま繋いだままで一緒に歩く。


どうしたんだろう・・・・


何故だか離したくなかったんだ・・・



そしてシネマに入るとよく知ってる人物と遭遇する。


俺様毒舌とブリブリ恵美の姿が・・・



私達の姿を見つけてブリブリ恵美がこちらに向かって駆け寄ってくる。



｢何で２人が一緒にいるんですか？
もしかして付き合ってるんですか？｣



怪訝な顔で私を睨み付けるブリブリ恵美



「付き合ってないよ」



すかさずホストが・・・



｢俺は花子ちゃんに夢中なんだけどね。｣


そんなホストの言葉に驚愕の表情を浮かべるブリブリ恵美



先程から上から目線で凄い睨みつけてくるんだけど・・・



「織田さんとブリブリ・・・、じゃなくて佐々木さんとはデートですか？」



私の言葉に途端に機嫌が悪くなる俺様毒舌



「別にそんなんじゃねぇよ!!」




すると私に見せつけるように俺様毒舌の腕に絡みつくブリブリ恵美




そんなブリブリ恵美をあからさまに嫌そうにして腕を思いっきり引き離すと



「ベタベタくっつくな・・・」



こんな邪険な態度なのに、ブリブリ恵美はウットリと目を輝かせている。



魂が抜き取られたように目がトローンとして、腰砕け状態の姿に笑いそうになってしまう。




「お前らマジで付き合ってないの？
手なんて握って仲良さげじゃん。」


俺様毒舌の言葉にパッと握られていた手を離す。


「これはただの迷子防止の為だもん・・・・」


カーっと熱くなる頬を咄嗟に隠したくなる衝動に駆られる。



「俺の花子ちゃん、赤くなって可愛いでしょ？」


隣のホスト風偽王子が、惚れ惚れするような視線を私に向けてくるから調子が狂っちゃう。



「織田さん～、もう行きましょうよ。」


そのまま、ブリブリ恵美に腕を引っ張られて劇場内に入って行く２人



嵐のようなぶっ飛んだ２人がやっと消えてくれて助かった。