あなただけに咲く

ルーティン

薄らぐ夜更けの香りがしている。冷たさを纏った早朝は、しっとりとした霧がかかっていた。
まだ青白い空。窓には結露が留まっている。隣人の目覚まし時計が鳴り響いてきた。
ベランダに出るため窓を開ける。肺に入り込む冬の空気は身体中を凍らせ、足の指先からまるで別人のものかのように思わせた。
カーディガンのポケットに入れておいたマルボロを取り出して火をつけた。朝の一服。これが私のモーニングルーティンだ。
珈琲は要らない。