スライム倒して4ゴールド！大好きなお姉さんを1000万ゴールドで買取ります！【①】

第25話 バンブーランスシールド(竹槍の盾)

　オバちゃんの世間話に付き合ったものの、目的の包丁は手に入れました。あとは椅子の盾を装備するだけと思っていたけど、正直に言えば、スライムが体当たりする軌道に、包丁を真っ直ぐに構えていれば、串刺しになってくれます。盾はいらないと言えばいらなかったです。ミレイお姉さんの家に到着した時、僕が持って来た2個の椅子が変わり果てた姿になっていました⁈

　カイル「これは(;´д｀)前衛芸術か何かなの？」と4本の椅子の脚が四角形の座る部分の裏側の中心に向かって綺麗に交差していました。砂時計みたいにXの形に脚が曲げられ、真ん中には先端を尖らせた竹が装着されていて、紐でグルグルと4本の椅子の脚が交わるXの腰の部分に、しっかりと固定されていました。

　フィオナ「ああ(*⁰▿⁰*)それだろ♬私が設計して作った盾と槍の二つの機能を併せ持つバンブーランスシールド(竹槍の盾)だよ！座る部分の真ん中だけに丸い穴を開けて、竹を通して持てるようにしたんだ！背もたれの部分はそのまま使って、横からの攻撃をカード出来るし、折れた竹は交換可能だ！そして、製作時間は驚きの20分‼︎固定用の紐は家にあったものを使い、竹は近所の林から取って来たから、ほぼ0ゴールドで作れた。お前の分も作ったから使っていいぞ♬」とこの女！戦争でもするつもりなのか(怖)‼︎竹槍を外せば、椅子だと押し切れると思うけど、スライム相手に重装備過ぎるよ！

　カイル「(;´д｀)ねぇ？僕のデザインした椅子の盾は駄目なの？アレなら座布団だと言えば、誰も疑わないよ？」と僕の緻密な計算のもとで作られた椅子の盾を作らずに、こんな物を作るとは……。

　フィオナ「ふぅ～(*ﾟ∀ﾟ*)あんな盾じゃ役に立たないわよ(笑)！私達に緊急に必要な物はとりあえず武器よ！こんな10均ショップの包丁じゃ、すぐに折れて使えなくなるわ！だから武器を落とすモンスターを狙うわよ！ここから東に1時間ぐらいの海岸にヒトデナイトと呼ばれるモンスターがいるの！そいつがお鍋の蓋(盾)と兵士の剣(攻撃力13)を落とすから、休日に2人で倒しに行くの！当然、相手は剣を振り回して危ないから、安全に倒すにはリーチが優れている竹槍が必要なの！海岸なら、椅子持って竹竿で釣りすると言えば、馬鹿な子供がおかしな事をやると馬鹿にされても、怪しまれないわよ(笑顔)！」とミレイお姉さん？これ本当に妹ですか？僕の理解を越えた悪知恵の数々はもう驚きを通り越して、尊敬の域です！ちなみに包丁の攻撃力は4です！

　カイル「∑(ﾟДﾟ)いきなりスライムから武器持ったモンスター戦なの(怖)！ヤバイよ！もうちょっとスライムとか近くの安全なモンスターを倒そうよ？」とこのままフィオナお姉さんについて行くと、そのうちドラゴンと戦わされるかもしれません！もうちょっと常識的に考えられるように僕が抑えないと！

　フィオナ「ねぇ？(O_O)なんで弱いのから順番に倒さないといけないの？ヒトデナイトなんてスライムの20倍は強いって言われるけど、落とすお金は32ゴールドでたったの8倍だよ！スライム8匹倒せるなら倒せるよ！私達は1日に20～30匹のスライムを倒すのが目標なんだから、倒せるわよ！さあ、さっさと草原に行って倒すわよ！」と今日は火曜日です。学校がお休みなのは土曜日と日曜日です。確かに急ですが、そこまでしないとお金は稼げません。フィオナお姉さんを信じて進むしかありません！