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第十章
第2話『遺跡の白髪女性』
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(ここみたいだ……)
ウォルターは森の中に隠された古びた遺跡の入り口を見つけました。
探査の結果、遺跡の中にいる18人中18人がスキル保持者という馬鹿みたいなこの場所は、どう見ても危ない組織の隠れ家、秘密研究所みたいな感じです。
明らかに近寄るべきじゃない危険な場所ですが、ウォルターは悩んだ末に、とりあえず状況を確認する事を決めました。手に負えない時は手紙を書いて、賢者に何とかしてもらうつもりです。
(強化スキル保持者は三人共女性だったから、エウロスみたいに女性を監禁して、スキルを強化している変態達かも。捕まったら、口封じに殺される)
ウォルターは慎重に遺跡の地下へと続く階段を降りて行きます。
足は宙に浮いているので、床石を踏んだ瞬間に罠は発動しないはずです。
残る気をつける点は、18人中9人が女性だという事です。
女性を監禁する変態集団ではなく、ただ遺跡に住んでいる人達の可能性もあります。
その場合は住居に不法侵入したウォルターが悪者になってしまいます。
なので、誰にもバレないように確認して、勘違いだったら逃げないといけません。
(うっ! この臭いは……)
ウォルターは遺跡の奥から流れて来る臭いに顔を歪めています。
何百回も嗅いだ事がある死体の腐った臭いです。
(食人鬼じゃないとしても、住居に腐った人間の死体を放置する人間はまともじゃない。やっぱり調べないと)
ウォルターは探査対象を死体と骸骨に切り替えていきます。
その結果、人間、動物、魔物と大量の死体がある事が分かりました。
中にはまだ生きている動物や魔物もいました。
何かの実験施設の可能が高そうです。しかも、極めて違法性の高い。
(はぁはぁ、ここは一旦戻った方がいいと思う。でも、今ある情報だけだと、危ない施設だという不確かな情報だけだ。まだ帰るのは早い)
ウォルターは引き返した方がいいという本能を無視して、遺跡の奥に進んで行きます。
敵は多勢に無勢と危険ですが、石ブロックの天井に壁です。
密閉空間で水氷術を使えば、遺跡の一部を水没させる事は可能です。
泳ぐだけじゃなく、戦える力も持っていると自信があります。
ウォルターは剣聖と賢者と一度戦った経験から、その辺の強いと呼ばれる人達が、そこまでの実力ではない事を知りました。今ならば、剛腕のロデリックぐらいならば、一人でも倒せると自信があるぐらいです。
(まずは、この人を調べてみよう。また手刀で行けるはずだ)
ウォルターは遺跡の中を人を避けながら進んで行きます。単独行動中の強化スキル保持者を狙っています。
そして、目標の人物がいる部屋を見つけると、開いている扉から室内に素早く泳いで入りました。
(うっ、あまり話しかけたくないタイプの女性だけど……)
死体置き場といった広い室内で、白髪の女性が死体をグチャグチャ、極小ナイフで切り刻んでいました。
前回の修道女と同じように、ヤバイ女の確率がウォルターの中で跳ね上がります。
とりあえず、危ない女性に見つかる前に、ウォルターは天井を支えている柱の一つに隠れました。
(あれは連れて行かない方がいいと思う。どんなスキルか知らないけど、多分、身体を切り刻んで強化するようなスキルだと思う)
ウォルターは柱の陰から前方に見える、肩まで真っ直ぐに伸びる白髪の女性を観察しています。
黒い長袖、長ズボンの作業着を着た、白髪の二十五歳ぐらいの若い女性は、手術台の上に寝かされている男の死体に、緑色の皮を縫い合わせています。病的な程、真っ白な髪に真っ白な肌は、等身大の動く人形に見えます。
【『移植LV MAX』=その個体が持つ組織、器官、能力を、その他の個体に移し植え込む事が出来る。】
白髪女性はウォルターにまったく気づかずに、魔物の皮を人間に移植していきます。
このまま緑色の人間が完成しても、生き返って動くとは思えませんが、本当に動いたら問題です。
なので、ウォルターは動く事に決めました。手刀で気絶させて遺跡の外に連れて行って、空中で訊問します。
少なくとも死体損壊の罪は、部屋の死体の数だけあるはずです。
(そっーと、そっーと……)
前回のように、床スレスレを浮いて移動して行きます。違法な人体実験に夢中な白髪女性は気づいてません。
ウォルターは白髪女性の数メートル後ろまで移動すると、一気に宙を泳いで、ガァッと右手の手刀を当てました。
「ぐっ⁉︎ ……誰ですか?」
「あっ……」
白髪女性が倒れなかったので、ウォルターは二発目の手刀を急いで準備しましたが、その前に白髪女性が手に持っていた極小ナイフを向けてきました。
ウォルターはスキルを警戒して、手刀の攻撃は断念しましたが、槍でも水氷術でも攻撃は当てられる距離です。
極小ナイフを持っただけの女性ならば、倒す事は出来ると自信があります。
「見た事ない顔ですね。一人で来たんですか? それとも……いえ、その前にやる事がありますね」
「んっ?」
白髪の女性は、希薄な表情と青色の瞳をウォルターに真っ直ぐに向けて、知的な落ち着いた声で喋りました。
そして、おもむろに黒い作業着の胸元に左手を入れると、紐のついた細長い笛を取り出しました。
その笛を自然に口に咥えようとしましたが、音を出して、人を呼ぼうとしているのは丸分かりです。
(そうはさせない。水弾)
ウォルターは素早く右手を向けると、手の平から高速の水弾を発射しました。
「あぷっ⁉︎ うぐっ、ごほぉ、ごほぉ!」
白髪女性は手の平大の球状を口元に喰らって、水が喉に引っかかったようです。
激しく咳き込んで、むせ返っています。
そんな苦しんでいる女性にも、ウォルターは容赦はしません。
女性だと思って油断すると、どんな目に遭うのか、数々の女性との出会いで身を持って経験済みです。
(伸びろ、氷の触手)
ウォルターは両手の手の平を苦しんでいる白髪女性に向けると、長さ二メートル程の二本の氷の腕を伸ばして、白髪女性の両手首を掴みました。そして、両手首を掴んだまま、床から身体を持ち上げていきます。
「ごほぉ、ごほぉ、うぐっ! 水と氷の魔法使い、お前は何者だ? 何故、私を攻撃する……」
白髪女性は喉に引っかかった水と、両手首を掴む冷たい痛みを堪えて、ウォルターに聞きました。
襲われる理由が分からないようです。
「それは……偶然、遺跡を発見したら、遺跡の中で怪しい人物が、死体を切り刻んでいたからに決まっています。あなたこそ、こんな所で何をしているんですか? これは犯罪行為ですよ」
「フッフッ、つまりは通りすがりの正義の味方ですか。だったら、降ろしてください。私はこの国の法律に触れるような悪い事は一切していません」
「それを信じる人は誰もいないと思いますよ。このまま町の兵士の所まで連れて行きます」
室内のバラバラ死体の山を見れば、苦しい言い訳にしか聞こえません。
それでも、白髪女性は落ち着いた笑みを浮かべて、無実を主張しています。
「フッフッ、殺されたくなければ、それはやめた方がいい。この実験施設はオケアニス王国が主導でやっているんだから」
「国が……でも、どう見ても非合法の」
「——そう極秘施設だよ。私も見なかった事にするから、あなたも見なかった事にすればいい」
「うっ……」
ウォルターの考えを先読みして白髪女性は答えました。
本当に国が行なっている非合法の実験施設だとしたら、見つけたらいけない場所です。
それでも、見つけてしまったら、見て見ぬふりは出来ないようです。
ウォルターは白髪女性を連れて行く事に決めました。
「それは出来ません。こんな実験は今すぐにやめて、僕と一緒に外に出ましょう。あなたの力が僕には必要なんです」
「私の力が必要? 今日初めて会ったのに、私の力も知らないはずなのに、何に必要なの?」
白髪女性は何かと理由をつけて、自分を外に連れて行こうとしている、正義の味方を呆れた目で見ています。
非合法の実験施設で仕事させられている可哀想な女性を、自分が助けなればならないと思っている人間が考える事です。
白髪女性は自主的に仕事しているだけです。強制された事はなく、相手が悪で、自分が善だと決めつけた自己満足の塊のような人間が突然現れて、仕事の邪魔をするのに不快感しか感じません。
けれども、その正義の味方が話した理由を聞いて、白髪女性はその考えを改めました。
「僕はウォルターと言います。剣聖を倒す為に強化スキル保持者を集めています。残り二人と一緒に外に出ましょう」
「剣聖を倒す? フッフッ、本気なの?」
白髪女性は呆れたように笑うと、ウォルターに本気なのかと聞きました。
何故なら、この実験施設は、剣聖を倒せる人間を開発する為の場所だからです。
どう考えても偶然、やって来たとは思えなくなりました。
ウォルターは森の中に隠された古びた遺跡の入り口を見つけました。
探査の結果、遺跡の中にいる18人中18人がスキル保持者という馬鹿みたいなこの場所は、どう見ても危ない組織の隠れ家、秘密研究所みたいな感じです。
明らかに近寄るべきじゃない危険な場所ですが、ウォルターは悩んだ末に、とりあえず状況を確認する事を決めました。手に負えない時は手紙を書いて、賢者に何とかしてもらうつもりです。
(強化スキル保持者は三人共女性だったから、エウロスみたいに女性を監禁して、スキルを強化している変態達かも。捕まったら、口封じに殺される)
ウォルターは慎重に遺跡の地下へと続く階段を降りて行きます。
足は宙に浮いているので、床石を踏んだ瞬間に罠は発動しないはずです。
残る気をつける点は、18人中9人が女性だという事です。
女性を監禁する変態集団ではなく、ただ遺跡に住んでいる人達の可能性もあります。
その場合は住居に不法侵入したウォルターが悪者になってしまいます。
なので、誰にもバレないように確認して、勘違いだったら逃げないといけません。
(うっ! この臭いは……)
ウォルターは遺跡の奥から流れて来る臭いに顔を歪めています。
何百回も嗅いだ事がある死体の腐った臭いです。
(食人鬼じゃないとしても、住居に腐った人間の死体を放置する人間はまともじゃない。やっぱり調べないと)
ウォルターは探査対象を死体と骸骨に切り替えていきます。
その結果、人間、動物、魔物と大量の死体がある事が分かりました。
中にはまだ生きている動物や魔物もいました。
何かの実験施設の可能が高そうです。しかも、極めて違法性の高い。
(はぁはぁ、ここは一旦戻った方がいいと思う。でも、今ある情報だけだと、危ない施設だという不確かな情報だけだ。まだ帰るのは早い)
ウォルターは引き返した方がいいという本能を無視して、遺跡の奥に進んで行きます。
敵は多勢に無勢と危険ですが、石ブロックの天井に壁です。
密閉空間で水氷術を使えば、遺跡の一部を水没させる事は可能です。
泳ぐだけじゃなく、戦える力も持っていると自信があります。
ウォルターは剣聖と賢者と一度戦った経験から、その辺の強いと呼ばれる人達が、そこまでの実力ではない事を知りました。今ならば、剛腕のロデリックぐらいならば、一人でも倒せると自信があるぐらいです。
(まずは、この人を調べてみよう。また手刀で行けるはずだ)
ウォルターは遺跡の中を人を避けながら進んで行きます。単独行動中の強化スキル保持者を狙っています。
そして、目標の人物がいる部屋を見つけると、開いている扉から室内に素早く泳いで入りました。
(うっ、あまり話しかけたくないタイプの女性だけど……)
死体置き場といった広い室内で、白髪の女性が死体をグチャグチャ、極小ナイフで切り刻んでいました。
前回の修道女と同じように、ヤバイ女の確率がウォルターの中で跳ね上がります。
とりあえず、危ない女性に見つかる前に、ウォルターは天井を支えている柱の一つに隠れました。
(あれは連れて行かない方がいいと思う。どんなスキルか知らないけど、多分、身体を切り刻んで強化するようなスキルだと思う)
ウォルターは柱の陰から前方に見える、肩まで真っ直ぐに伸びる白髪の女性を観察しています。
黒い長袖、長ズボンの作業着を着た、白髪の二十五歳ぐらいの若い女性は、手術台の上に寝かされている男の死体に、緑色の皮を縫い合わせています。病的な程、真っ白な髪に真っ白な肌は、等身大の動く人形に見えます。
【『移植LV MAX』=その個体が持つ組織、器官、能力を、その他の個体に移し植え込む事が出来る。】
白髪女性はウォルターにまったく気づかずに、魔物の皮を人間に移植していきます。
このまま緑色の人間が完成しても、生き返って動くとは思えませんが、本当に動いたら問題です。
なので、ウォルターは動く事に決めました。手刀で気絶させて遺跡の外に連れて行って、空中で訊問します。
少なくとも死体損壊の罪は、部屋の死体の数だけあるはずです。
(そっーと、そっーと……)
前回のように、床スレスレを浮いて移動して行きます。違法な人体実験に夢中な白髪女性は気づいてません。
ウォルターは白髪女性の数メートル後ろまで移動すると、一気に宙を泳いで、ガァッと右手の手刀を当てました。
「ぐっ⁉︎ ……誰ですか?」
「あっ……」
白髪女性が倒れなかったので、ウォルターは二発目の手刀を急いで準備しましたが、その前に白髪女性が手に持っていた極小ナイフを向けてきました。
ウォルターはスキルを警戒して、手刀の攻撃は断念しましたが、槍でも水氷術でも攻撃は当てられる距離です。
極小ナイフを持っただけの女性ならば、倒す事は出来ると自信があります。
「見た事ない顔ですね。一人で来たんですか? それとも……いえ、その前にやる事がありますね」
「んっ?」
白髪の女性は、希薄な表情と青色の瞳をウォルターに真っ直ぐに向けて、知的な落ち着いた声で喋りました。
そして、おもむろに黒い作業着の胸元に左手を入れると、紐のついた細長い笛を取り出しました。
その笛を自然に口に咥えようとしましたが、音を出して、人を呼ぼうとしているのは丸分かりです。
(そうはさせない。水弾)
ウォルターは素早く右手を向けると、手の平から高速の水弾を発射しました。
「あぷっ⁉︎ うぐっ、ごほぉ、ごほぉ!」
白髪女性は手の平大の球状を口元に喰らって、水が喉に引っかかったようです。
激しく咳き込んで、むせ返っています。
そんな苦しんでいる女性にも、ウォルターは容赦はしません。
女性だと思って油断すると、どんな目に遭うのか、数々の女性との出会いで身を持って経験済みです。
(伸びろ、氷の触手)
ウォルターは両手の手の平を苦しんでいる白髪女性に向けると、長さ二メートル程の二本の氷の腕を伸ばして、白髪女性の両手首を掴みました。そして、両手首を掴んだまま、床から身体を持ち上げていきます。
「ごほぉ、ごほぉ、うぐっ! 水と氷の魔法使い、お前は何者だ? 何故、私を攻撃する……」
白髪女性は喉に引っかかった水と、両手首を掴む冷たい痛みを堪えて、ウォルターに聞きました。
襲われる理由が分からないようです。
「それは……偶然、遺跡を発見したら、遺跡の中で怪しい人物が、死体を切り刻んでいたからに決まっています。あなたこそ、こんな所で何をしているんですか? これは犯罪行為ですよ」
「フッフッ、つまりは通りすがりの正義の味方ですか。だったら、降ろしてください。私はこの国の法律に触れるような悪い事は一切していません」
「それを信じる人は誰もいないと思いますよ。このまま町の兵士の所まで連れて行きます」
室内のバラバラ死体の山を見れば、苦しい言い訳にしか聞こえません。
それでも、白髪女性は落ち着いた笑みを浮かべて、無実を主張しています。
「フッフッ、殺されたくなければ、それはやめた方がいい。この実験施設はオケアニス王国が主導でやっているんだから」
「国が……でも、どう見ても非合法の」
「——そう極秘施設だよ。私も見なかった事にするから、あなたも見なかった事にすればいい」
「うっ……」
ウォルターの考えを先読みして白髪女性は答えました。
本当に国が行なっている非合法の実験施設だとしたら、見つけたらいけない場所です。
それでも、見つけてしまったら、見て見ぬふりは出来ないようです。
ウォルターは白髪女性を連れて行く事に決めました。
「それは出来ません。こんな実験は今すぐにやめて、僕と一緒に外に出ましょう。あなたの力が僕には必要なんです」
「私の力が必要? 今日初めて会ったのに、私の力も知らないはずなのに、何に必要なの?」
白髪女性は何かと理由をつけて、自分を外に連れて行こうとしている、正義の味方を呆れた目で見ています。
非合法の実験施設で仕事させられている可哀想な女性を、自分が助けなればならないと思っている人間が考える事です。
白髪女性は自主的に仕事しているだけです。強制された事はなく、相手が悪で、自分が善だと決めつけた自己満足の塊のような人間が突然現れて、仕事の邪魔をするのに不快感しか感じません。
けれども、その正義の味方が話した理由を聞いて、白髪女性はその考えを改めました。
「僕はウォルターと言います。剣聖を倒す為に強化スキル保持者を集めています。残り二人と一緒に外に出ましょう」
「剣聖を倒す? フッフッ、本気なの?」
白髪女性は呆れたように笑うと、ウォルターに本気なのかと聞きました。
何故なら、この実験施設は、剣聖を倒せる人間を開発する為の場所だからです。
どう考えても偶然、やって来たとは思えなくなりました。
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