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第1章

第5話④プロットポイント①

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 まずは邪魔な鎧だ。全部脱がしてやる。
 右腕の手の手鎧、手首から肘の前腕鎧、肘から上腕部の上腕部鎧を外して、次に左腕も同じように外した。
 腕だけでも外す箇所が多過ぎる。

「よし、次は足だ!」

 だけど、この苦労の先に幸せがあるのなら、この苦労も幸せに感じる。
 右足に手を伸ばすと、まずは足を守る足鎧、その下の革靴を外した。
 次に足首から脹脛ふくらはぎまでの脛当て鎧、ひざの皿を守る膝当て鎧、太股を守る太股当て鎧を外した。
 反対側の左足も同じように外すと、鎧の下に隠れていた黒布の長ズボンが現れた。

「はぁはぁ! 残りは胸だけだ!」

 凄く興奮してきた。
 今にも俺のズボンを突き破って、聖剣が飛び出そうだ。
 でも、まだ我慢だ。胸を守る最後の砦に手を伸ばした。
 胸を守る胸鎧、背中を守る背中鎧、最後にお尻・下腹部・背中下部を守るスカートのような腹鎧を外した。

「ふぅー、終わった」

 まだ服が残っているけど、鎧を全て外す事に成功した。妹はまだ起きない。
 今起きてくれれば、「寝るのに邪魔だと思って……」と誤魔化せる。

「ごくり……焦るな焦るなよ。まだ速い。まだだ、まだだぞ」

 今すぐに獣のように服を脱がせて、獣のように交尾するつもりはない。
 俺の中に住む凶悪な聖獣を抑えて我慢した。
 初体験はもっと時間をかけて、ロマンチック、情熱的にやるものだ。

「さてと、どうしようか?」

 絶対に起きないから何をやってもいいのに、何からやっていいのか分からない。
 黒布の長袖上着、その上着の上に純白の革ベスト、長ズボンを履いた妹を眺めて考えてみた。

「う~ん? よし、キスしよう!」

 おっぱいとキスで迷ったが、普通は手繋ぎ、キス、おっぱいだ。
 順番は守らないといけない。だったら手を繋ぎながらキスすれば完璧だ。

「よいしょ。触るよぉ~」

 妹の腰に跨ると、妹の両手の指の隙間に俺の指を入れて握り締めた。
 この体勢だとキスが難しいので、そのまま手を引っ張り上げて、妹の顔の横に両手を移動させた。
 これで身体を支える事が出来る。

「すぅ……すぅ……」
「はぁはぁ!」

 上半身を倒すと、唇と唇の距離が5センチ以下になった。
 妹の寝息が俺の顔をくすぐってくる。もう我慢できない。
 さらに上半身を倒して、唇と唇をくっ付けた。

「ふぬっ……⁉︎」

 柔らけえええ。俺の二の腕とは全然違う。別次元の柔らかさだ。
 何が二の腕の柔らかさが、唇の柔らかさと同じだよ。
 全然違うじゃねえか。こうなったら、次だ。次に行くぞ。

 唇の隙間に舌を入れてみた。自分とは別の温もりを持つヌルヌルの体液に満ちていた。
 唇を強引に唇で押し広げて、口内の奥の奥の方に舌を伸ばしていく。
 目当てのものを探して、舌先で口内を舐め回していく。
 そして、目的のものを見つけた。【妹舌】だ。

「はっ……はっ……んむ……!」

 妹舌を中心に俺の舌で舐め回していく。
 舌と舌が擦れ合って、ザラザラした感触がする。
 妹を毎晩オカズに楽しんでいたのに、俺のちっぽけな想像力を遥かに超えている。
 この口から汚い罵詈雑言が飛び出てくるんだから信じられない。

「はぁはぁ! はぁはぁ!」

 舌というか理性がヤバイ。唇から離れて一旦休憩しないと人間じゃなくなる。
 何分経ったか分からないけど、これだけで別の意味で死にそうだ。
 もう今死んでもいいと言えるぐらいに大満足している。

 だけどだ。だけど、今までの積り積もった恨みがキス程度で消えない。
 もちろん、もう何も考えられないぐらいに消えているけど……
 そうじゃない、そうじゃないはずだ。
 恨みとかちっぽけ事はこの際もうどうでもいい。
 この先に行くか、行かないかで考えよう。

「よ、よし、おっぱいだ!」
 
 死にそうだが、死ぬのは早過ぎる。
 ここはまだ天国じゃない。天国はもっともっと先にある。
 この程度で満足する程、俺はちっぽけな人間じゃない。
 死にそうな呼吸を何とか落ち着かせて、白革ベストに守られている胸に両手を伸ばした。

「おおっ! おおっ!」

 初おっぱいの感触に両手が喜びに震えているのが分かる。
 まるで自分の赤ん坊を抱いているみたいだ。なんて愛おしい存在なんだ。

「柔らけえ、柔らけえ、柔らけえ!」

 もう駄目だ。両手が馬鹿になってしまった。もう何も考えられない。
 このまま死ぬまでおっぱい揉み続ける自信がある。
 まだ直おっぱいじゃない、革越しおっぱいなのに、俺の両手はおっぱいに支配されてしまった。

「お、おっぱい最高ぅ~!」

 違う違う。俺はこの程度で満足するちっぽけな男じゃない。
 思い出すんだ。妹を毎晩オカズに楽しいんだ日々を。
 あの時の俺はおっぱい揉んだ程度で満足していたか。

 いや、絶対に満足しない。というか満足できない。
 だったらここはゴールじゃない。まだスタート地点だ。
 まだ何も始まってないのに、終われるわけがない。

「おっぱい、おっぱい、おっぱい」

 駄目だ、やっぱり何も考えられない。
 革おっぱいを両手で横から揉みながら、革おっぱいの真ん中に顔を沈めてみた。
 ここままおっぱいの中で溺れ死んでもいい。いや、溺れさせて欲しい。

「嗚呼、フィリア。なんてイケナイ妹なんだ。お兄ちゃんをこんなにメロメロにするなんて」

 甘く心地良い匂いがする。
 母に抱かれていた頃の赤ん坊に戻った気分だ。
 凄く落ち着く。凄く幸せだ。もう死んでもいい。
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