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第18話 被害者と購入者
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「よし、これで準備は完了ですね」
早朝元気に起きると、とんがり帽子に長い銀髪を詰め込んで、ロングコートを羽織った。旅の準備は完璧だ。
要らない素材とガラクタは思いきって売った。鞄の中は軽くなったけど、まだまだ重い。
「徒歩は怠いですね。誰かに頼みたいです」
地図に付けた五つの丸印の場所を一人で回るのは流石に疲れる。
こっちは結婚式前までに真実茸を見つけたいので人手が必要だ。
昨日の廊下の酔っ払いが仕事をクビになったようだから、真実茸探しに雇ってもいい。
だけど、信用できない人に頼んでも、お金を持ち逃げされるだけで終わりそうだ。
……まあ、最悪、結婚式後でもいいですね。
よく考えたら結婚した後に自白剤を送ってもいい。むしろ、戦争が勝利で終わった後がいい。
貴族達に金を出させて、散々利用して協力させた後に、ララの正体を王子が知る方が面白い。
「では、時間は気にせずに一人旅を楽しみますか」
人は雇わない事に決めると宿屋を出発した。
素人に任せても、適当に光るキノコを送られたり、その辺のキノコに光る塗料を塗られるだけだ。
信用できるのは、やっぱり自分だけしかいない。
♢
……つけられてますよね?
宿屋を出てから、ずっと男二人につけられている。しかも、昨日の酔っ払いとその連れの男だ。
私に似た女にフラれて酷い目に遭わされたのか知らないけど、私に恨みを晴らさないで欲しい。
……一応、鞄に爆弾はあるから、しつこいようなら使いますか。
人通りの多い街中なら襲って来ない。それにたまたま進んでいる方向が同じだけかもしれない。
勘違いで爆弾を投げつける方が頭がおかしい。
とりあえず路地裏に入って、本当に尾行されているのか確かめますか。
「くそ! あの女、絶対にあの錬金術師の女だ! 絶対に捕まえてやる!」
「もういいだろう。復讐しても何にもならないんだから」
「駄目だ! あの女の所為で城をクビになったんだ! 絶対にぶっ殺してやる!」
……あっ、全然人違いじゃなかった。
建物の薄茶色の土壁に左右を囲まれた狭い路地裏に逃げ込むと、当然のように男二人も追ってきた。
酔っ払いの方の手には、キラリと光る短剣が握られている。
そういえば下剤スープを飲んで、罪を私に懺悔した人がクビになったらしい。
城の物を盗んだりした所為でクビになったから、自業自得だとは思うけど、恨む理由には十分だ。
「さてと、行きましたね……」
足音と声が遠ざかっていったので、建物の扉をゆっくりと開けて外を見た。
開いている建物の扉を探して開けて、とりあえず、その家の中に隠れた。
住民に見つかる前に早く出て行かないと、私が泥棒で捕まってしまう。
「髪の色を変えないと他にもいそうですね」
クビになったメイドと兵士は結構どころか、沢山いそうだ。
この銀髪だと目立つので、私に恨みを持つ人を引き寄せてしまう。
でも、一般的な茶髪は嫌だし、黒髪も嫌だ。緑とか青でもいいけど、珍しい色だと目立ってしまう。
無難に金髪にするとしよう。
「はぁっ、はぁっ、ちょっと待て!」
「はぅっ⁉︎」
いきなり背後から声をかけられて、ビクッと反応してしまう。
恐る恐る後ろを振り返ると知らない醜男が立っていた。
……えっ? 誰?
「錬金術師様ですよね? 百万ギル、用意しました! 惚れ薬を売ってください!」
「えっ、惚れ薬……」
「お願いです! 惚れ薬を売ってください! あれがないと結婚できないんです!」
「きゃあ! ちょっ、ちょっと離してください!」
醜男が私の身体をガシッと掴んで、惚れ薬を売ってくれと必死に頼んでくる。
醜男は皆んな同じに見えてしまうから、どこで会ったのか覚えてない。
多分、惚れ薬を売ってやると言った客の一人だと思う。金を集めて、私をずっと探していたみたいだ。
「この鞄の中にあるんですよね! この鞄の中にあるんですよね!」
「ちょっと、人違いですよ! 人を呼びますよ!」
大金を渡してから、鞄を奪おうとする新しいタイプの強盗だ。
醜男は金の入った革袋を私に無理矢理に渡すと、鞄を奪い取ろうとする。
悪いけど、鞄の中には四百二十万ギルはある。百万ギルなんかと絶対に交換するわけにはいかない。
「何だ? おい、あの女がいたぞ! そこのデブ! 絶対にその女を離すんじゃねぇぞ!」
「あっ! このぉー、離せっ!」
「ぐぶっ、絶対に離さない!」
醜男と掴み合って騒いでいたので、酔っ払いが騒ぎに気付いて戻ってきてしまった。
慌てて、醜男のプヨプヨの腹に足裏で足蹴りしたけど、分厚い脂肪に靴がブニュと沈んだだけだった。
「このぉ! このぉ! このぉ!」
「あふっ、うふっ、でぇへへへ!」
……くっ、しつこいというよりも執念深い。鞄から手を離さない。
ブニュ、ブニュと腹に足蹴りするけど効果はない。
今ではマッサージされているように、腹を蹴られるたびに恍惚の表情を浮かべている。
このままだと、変態の所為で短剣で滅多刺しにされて殺される。
私は腹を短剣で刺されても、恍惚の表情を浮かべる変態じゃない。
……仕方ない。惚れ薬を渡してあげよう。
「分かりました! 惚れ薬を渡しますから、鞄から手を離してください!」
「本当だな! 惚れ薬を売ってくれるんだな!」
「ええ、もちろんです。早く離してください!」
「でぇへへへ、これであの娘は俺の物だ」
惚れ薬が貰えると醜男が不気味な笑いを浮かべているけど、そんな便利な物はない。
醜男から鞄を返してもらうと、鞄を開いて、直径十二センチの赤いボールを取り出した。
お前に相応しいのは、このボム爆弾だけだ。
ボール型爆弾に付いている栓をスポッと抜くと、ボールの中の二つの液体が混ざり合っていく。
「すみません。ちょっとこれを持っていてください」
「いいですよ。早く惚れ薬を見つけてくださいよ」
……爆発まで残り二十五秒ですね。
栓を抜いた爆弾を醜男に渡した。私は鞄の中から惚れ薬を探しているフリをする。
爆発までの時間稼ぎが必要だ。そんな私の前に酔っ払いが走って来た。
「はぁっ、はぁっ、もう逃がさないからな! ぶっ殺してやる!」
「誰ですか! 何でそんな物騒な物を……」
「うるせい、ブタ! 俺はこの女と話してんだよ! てめぇからぶっ殺すぞ!」
「ひぃぃ!」
やって来た酔っ払いの男に醜男は怯えている。
流石に短剣で刺されたら、醜男も喜べないみたいだ。
「お願いします。お金を払いますから、許してください」
「金だと? 一体いくら払ってくれるんだよ?」
「五百万ギル払います。それで許してください」
「五百万ギルだと……本当だろうな? 嘘だったら、ぶっ殺すからな!」
「はい、ちょっと待ってください……」
爆発までのカウントダウンをしながら、酔っ払いの男に土下座で命乞いする。
そういえば食堂で土下座して謝ったのに、この男は全然許していない。
あれは何の意味があったんだろう。まあ、意味はなかったとしか思えない。
「何か、このボール熱いですよ……」
「後ろ!」
「な、何だ⁉︎」
ボムが爆発する三秒前。醜男の熱いですよに反応して、大声で並んでいる二人の後ろをビシッと指差した。
そして、二人の意識が私から後ろに離れた瞬間、私はダッと一気に走り出した。
「何もないじゃ……て、てめぇー⁉︎」
ボムの爆発の効果範囲は約二メートルと狭い。ボムの近くにいなければ、巻き添えになる心配はない。
酔っ払いと醜男の二人には仲良く爆発してもらう。
「ちょっと、惚れ薬は、ぎゃああああ!」
「待て、この、ぎゃああああ!」
「きゃああっ!」
ドガァーンと馬鹿デカい花瓶が空から落ちてきて、壊れるような音が路地裏に響き渡った。
ちょっと薬品の量を間違えたみたいだ。六メートルは離れていたのに、爆発の爆風で転んでしまった。
「っ、痛たたたっ……どうなりましたか?」
どう考えても無事ではないと思う。地面に転んだ状態のまま、二人が立っていた場所を見た。
周囲の建物の壁にヒビが入っているけど、壊れてはいないようだ。ちょっと補修すれば問題ない。
問題なのは、地面に倒れている酔っ払いと醜男の二人だ。ピクリとも動いてない。
「何だ、今の爆発は?」
「おい、人が倒れているぞ」
「う、うん、ま、まあ、どっちも犯罪者だから問題ないですね。先を急ぎましょう」
爆発音に人が集まり出しているので、ここにいるのはマズイ。
犯人として捕まるのは私よりも、酔っ払いと醜男の方が相応しいはずだ。
急いで立ち上がると、とんがり帽子を深く被り直して、足早に路地裏から立ち去った。
早朝元気に起きると、とんがり帽子に長い銀髪を詰め込んで、ロングコートを羽織った。旅の準備は完璧だ。
要らない素材とガラクタは思いきって売った。鞄の中は軽くなったけど、まだまだ重い。
「徒歩は怠いですね。誰かに頼みたいです」
地図に付けた五つの丸印の場所を一人で回るのは流石に疲れる。
こっちは結婚式前までに真実茸を見つけたいので人手が必要だ。
昨日の廊下の酔っ払いが仕事をクビになったようだから、真実茸探しに雇ってもいい。
だけど、信用できない人に頼んでも、お金を持ち逃げされるだけで終わりそうだ。
……まあ、最悪、結婚式後でもいいですね。
よく考えたら結婚した後に自白剤を送ってもいい。むしろ、戦争が勝利で終わった後がいい。
貴族達に金を出させて、散々利用して協力させた後に、ララの正体を王子が知る方が面白い。
「では、時間は気にせずに一人旅を楽しみますか」
人は雇わない事に決めると宿屋を出発した。
素人に任せても、適当に光るキノコを送られたり、その辺のキノコに光る塗料を塗られるだけだ。
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……つけられてますよね?
宿屋を出てから、ずっと男二人につけられている。しかも、昨日の酔っ払いとその連れの男だ。
私に似た女にフラれて酷い目に遭わされたのか知らないけど、私に恨みを晴らさないで欲しい。
……一応、鞄に爆弾はあるから、しつこいようなら使いますか。
人通りの多い街中なら襲って来ない。それにたまたま進んでいる方向が同じだけかもしれない。
勘違いで爆弾を投げつける方が頭がおかしい。
とりあえず路地裏に入って、本当に尾行されているのか確かめますか。
「くそ! あの女、絶対にあの錬金術師の女だ! 絶対に捕まえてやる!」
「もういいだろう。復讐しても何にもならないんだから」
「駄目だ! あの女の所為で城をクビになったんだ! 絶対にぶっ殺してやる!」
……あっ、全然人違いじゃなかった。
建物の薄茶色の土壁に左右を囲まれた狭い路地裏に逃げ込むと、当然のように男二人も追ってきた。
酔っ払いの方の手には、キラリと光る短剣が握られている。
そういえば下剤スープを飲んで、罪を私に懺悔した人がクビになったらしい。
城の物を盗んだりした所為でクビになったから、自業自得だとは思うけど、恨む理由には十分だ。
「さてと、行きましたね……」
足音と声が遠ざかっていったので、建物の扉をゆっくりと開けて外を見た。
開いている建物の扉を探して開けて、とりあえず、その家の中に隠れた。
住民に見つかる前に早く出て行かないと、私が泥棒で捕まってしまう。
「髪の色を変えないと他にもいそうですね」
クビになったメイドと兵士は結構どころか、沢山いそうだ。
この銀髪だと目立つので、私に恨みを持つ人を引き寄せてしまう。
でも、一般的な茶髪は嫌だし、黒髪も嫌だ。緑とか青でもいいけど、珍しい色だと目立ってしまう。
無難に金髪にするとしよう。
「はぁっ、はぁっ、ちょっと待て!」
「はぅっ⁉︎」
いきなり背後から声をかけられて、ビクッと反応してしまう。
恐る恐る後ろを振り返ると知らない醜男が立っていた。
……えっ? 誰?
「錬金術師様ですよね? 百万ギル、用意しました! 惚れ薬を売ってください!」
「えっ、惚れ薬……」
「お願いです! 惚れ薬を売ってください! あれがないと結婚できないんです!」
「きゃあ! ちょっ、ちょっと離してください!」
醜男が私の身体をガシッと掴んで、惚れ薬を売ってくれと必死に頼んでくる。
醜男は皆んな同じに見えてしまうから、どこで会ったのか覚えてない。
多分、惚れ薬を売ってやると言った客の一人だと思う。金を集めて、私をずっと探していたみたいだ。
「この鞄の中にあるんですよね! この鞄の中にあるんですよね!」
「ちょっと、人違いですよ! 人を呼びますよ!」
大金を渡してから、鞄を奪おうとする新しいタイプの強盗だ。
醜男は金の入った革袋を私に無理矢理に渡すと、鞄を奪い取ろうとする。
悪いけど、鞄の中には四百二十万ギルはある。百万ギルなんかと絶対に交換するわけにはいかない。
「何だ? おい、あの女がいたぞ! そこのデブ! 絶対にその女を離すんじゃねぇぞ!」
「あっ! このぉー、離せっ!」
「ぐぶっ、絶対に離さない!」
醜男と掴み合って騒いでいたので、酔っ払いが騒ぎに気付いて戻ってきてしまった。
慌てて、醜男のプヨプヨの腹に足裏で足蹴りしたけど、分厚い脂肪に靴がブニュと沈んだだけだった。
「このぉ! このぉ! このぉ!」
「あふっ、うふっ、でぇへへへ!」
……くっ、しつこいというよりも執念深い。鞄から手を離さない。
ブニュ、ブニュと腹に足蹴りするけど効果はない。
今ではマッサージされているように、腹を蹴られるたびに恍惚の表情を浮かべている。
このままだと、変態の所為で短剣で滅多刺しにされて殺される。
私は腹を短剣で刺されても、恍惚の表情を浮かべる変態じゃない。
……仕方ない。惚れ薬を渡してあげよう。
「分かりました! 惚れ薬を渡しますから、鞄から手を離してください!」
「本当だな! 惚れ薬を売ってくれるんだな!」
「ええ、もちろんです。早く離してください!」
「でぇへへへ、これであの娘は俺の物だ」
惚れ薬が貰えると醜男が不気味な笑いを浮かべているけど、そんな便利な物はない。
醜男から鞄を返してもらうと、鞄を開いて、直径十二センチの赤いボールを取り出した。
お前に相応しいのは、このボム爆弾だけだ。
ボール型爆弾に付いている栓をスポッと抜くと、ボールの中の二つの液体が混ざり合っていく。
「すみません。ちょっとこれを持っていてください」
「いいですよ。早く惚れ薬を見つけてくださいよ」
……爆発まで残り二十五秒ですね。
栓を抜いた爆弾を醜男に渡した。私は鞄の中から惚れ薬を探しているフリをする。
爆発までの時間稼ぎが必要だ。そんな私の前に酔っ払いが走って来た。
「はぁっ、はぁっ、もう逃がさないからな! ぶっ殺してやる!」
「誰ですか! 何でそんな物騒な物を……」
「うるせい、ブタ! 俺はこの女と話してんだよ! てめぇからぶっ殺すぞ!」
「ひぃぃ!」
やって来た酔っ払いの男に醜男は怯えている。
流石に短剣で刺されたら、醜男も喜べないみたいだ。
「お願いします。お金を払いますから、許してください」
「金だと? 一体いくら払ってくれるんだよ?」
「五百万ギル払います。それで許してください」
「五百万ギルだと……本当だろうな? 嘘だったら、ぶっ殺すからな!」
「はい、ちょっと待ってください……」
爆発までのカウントダウンをしながら、酔っ払いの男に土下座で命乞いする。
そういえば食堂で土下座して謝ったのに、この男は全然許していない。
あれは何の意味があったんだろう。まあ、意味はなかったとしか思えない。
「何か、このボール熱いですよ……」
「後ろ!」
「な、何だ⁉︎」
ボムが爆発する三秒前。醜男の熱いですよに反応して、大声で並んでいる二人の後ろをビシッと指差した。
そして、二人の意識が私から後ろに離れた瞬間、私はダッと一気に走り出した。
「何もないじゃ……て、てめぇー⁉︎」
ボムの爆発の効果範囲は約二メートルと狭い。ボムの近くにいなければ、巻き添えになる心配はない。
酔っ払いと醜男の二人には仲良く爆発してもらう。
「ちょっと、惚れ薬は、ぎゃああああ!」
「待て、この、ぎゃああああ!」
「きゃああっ!」
ドガァーンと馬鹿デカい花瓶が空から落ちてきて、壊れるような音が路地裏に響き渡った。
ちょっと薬品の量を間違えたみたいだ。六メートルは離れていたのに、爆発の爆風で転んでしまった。
「っ、痛たたたっ……どうなりましたか?」
どう考えても無事ではないと思う。地面に転んだ状態のまま、二人が立っていた場所を見た。
周囲の建物の壁にヒビが入っているけど、壊れてはいないようだ。ちょっと補修すれば問題ない。
問題なのは、地面に倒れている酔っ払いと醜男の二人だ。ピクリとも動いてない。
「何だ、今の爆発は?」
「おい、人が倒れているぞ」
「う、うん、ま、まあ、どっちも犯罪者だから問題ないですね。先を急ぎましょう」
爆発音に人が集まり出しているので、ここにいるのはマズイ。
犯人として捕まるのは私よりも、酔っ払いと醜男の方が相応しいはずだ。
急いで立ち上がると、とんがり帽子を深く被り直して、足早に路地裏から立ち去った。
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