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中編・後
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「おい、本当にこの場所がホームステイ先なのか?」
奪い取った携帯電話のマップを指差して聞いた。この住所の場所は俺の家だ。
「イツキはエッチでぇす! 私のことが好きでも、私にはもう心に決めている人がいるんですねぇ! 家が分かっても、心までは奪えないんですよぉ!」
……何を言っているのかさっぱり分からん。奪うつもりはこれっぽっちもない。
このままじゃ話が進まないので、鞄で胸を守っているルイーズに携帯電話を返した。確かに胸は大きい方が好きだけど、誰でもいいわけじゃない。
「とりあえず付いて来いよ。その家ならよく知っているから」
「本当ですかぁ? 変な所に連れ込もうとしたら大声出しますよぉ?」
「あぁ、それでいいから付いて来いよ」
異常に面倒くさい。俺が外人なんて好きになるわけない。どんなに似ていても、中国人も韓国人も外人だ。外人なんて宇宙人と一緒だ。
「日本の家は個性がないから皆んな一緒に見えまぁす。学校の皆んなも同じ制服を着ているから、誰が誰なのかチンプンカンプンでぇす」
……外人だって、わざわざ金髪に染めている奴がいる癖に文句言うなよ。
俺の後ろをルイーズは付いて来るけど、口から出るのは日本の悪口ばかりだ。
「ほら、ここだ。本当にここで間違いないのか?」
「ふぅー、やれやれでぇす。それが分かっていたら道に迷いませんよぉ」
「このぉ……!」
ルイーズに二階建ての俺の家を指差して聞いた。そしたら、首を左右に振って呆れられた。あのまま道の真ん中に放置するのが正解だった。
「チッ。母さんに聞いてくるから、お前は外で待ってろよ」
「はぁーい。頑張ってくださぁい」
ルイーズを玄関前に待たせる事にした。変な所に連れ込まれたくない、と本人が言ってたから文句はないだろう。そもそも俺はホームステイなんて一言も聞いてない。
ガチャ……
「あっ……はぁぁ、なんだ、お兄ちゃんか」
「お兄ちゃんで悪かったな」
玄関扉を開けると妹の胡桃が緑色の制服姿で目の前に立っていた。俺の顔を見た瞬間にガッカリしている。中学一年生で今日が入学式だったから、母さんは胡桃の学校に付いて行った。
まぁ、可愛い妹と可愛くない兄のどちらの学校に行くか。それは選ぶ必要もないだろう。お陰で放置された俺が遅刻しそうになった。
「それよりも母さんにホームステイの話とか聞いてないか? この家がホームステイ先だと言う奴が外にいるんだよ」
黒色のセミロングヘアを耳の位置で結んで、ツインテールヘアにしている生意気な顔の妹に聞いた。今日、母さんと一緒にいたなら何か聞いているはずだ。
「えっ! もぉー、それを早く言ってよ! お兄ちゃん、邪魔!」
ドガァ……
「あぐっ、このぉ……!」
俺の予想は当たっていたようだ。俺を突き飛ばすと胡桃は外に出て行った。すぐに「きゃあ、きゃあ」と外から胡桃のはしゃぐ声が聞こえてきた。
「私、ずっとお姉ちゃんが欲しかったんです! 狭い家ですけど、自分の家だと思って遠慮なく使ってくださいねぇ!」
「はぁーい! よよしくでぇす! 私も一人っ子だから可愛い妹が欲しかったでぇす!」
靴を脱いで待っていると、今まで見た事がない満面の笑みで、胡桃がルイーズの手を握って戻ってきた。二人は俺を無視して一階のリビングに入っていった。
「靴ぐらい、キチンと揃えろよ……」
二人に文句を言いながらも、脱ぎ散らかされた二人の靴を綺麗に揃えておいた。そして、洗面所でうがいと手洗いをして、二階の自分の部屋に鞄を置いて、制服から私服に着替えた。
今日はお祝いという事で夕食は豪華だと思う。外人と一緒に食えるか、とは流石に言えない。一階に降りてリビングに向かった。
「樹、今日からホームステイで一年間一緒に暮らす事になったルイーズさんよ。仲良くするのよ」
「私もビックリでぇす。学校でも家でもイツキと一緒ですねぇ」
リビングに入るとキッチンで手料理を作っている母さんが俺に言ってきた。どうやら、豪華な夕食ではなく、家庭料理でおもてなしするようだ。
「俺は一言も聞いてないぞ」
「当たり前でしょう。あんたは反対するんだから言うわけないでしょう。いつまでも外国の人が苦手なままじゃ苦労するんだから、キチンと仲良くするのよ。出来なければお小遣い無しよ」
「なっ⁉︎」
ムスッとした態度で無駄だと思いながらも一応は反抗した。俺が外人嫌いなのは家族なら知っているはずだ。その結果がお小遣い無しの厳罰だとは思わなかった。
……くっ、テレビと車が盗まれても知らないからな。
♢
「はぁぁ、疲れた。風呂入ってもう寝るか」
部屋から出ると風呂場に向かった。夕食は女三人がペチャクチャ喋りまくるから煩かった。父さんは単身赴任中だから家にいない。男の俺が一人で肩身が狭い思いをしている。
……誰も入ってないな。
風呂場のある脱衣室の扉には「空室」の札がぶら下がっている。札の表と裏面に「使用中」と「空室」と書かれている。胡桃がお兄ちゃんに裸を覗かれたくないと提案した。
提案する妹もおかしいけど、採用する母親もおかしい。
「あぁ、疲れた……」
足を伸ばして、入浴剤が入った白い湯船に肩まで浸かる。この家に残された憩いの場所は、自分の部屋と風呂場しかない。他は女達に占領されてしまった。
ガチャ……
「んっ?」
脱衣室の扉が開く音が聞こえた。母さんが洗濯でもするのかもしれない。
俺が出た後でもいいだろうに……
「ひぃぃ!」
そう思っていたら、突然、ガラガラガラと浴室のガラス扉まで開いた。驚く俺の目の前には、服を着たルイーズが平然と立っている。
「おお! これは失礼しましたぁ。でも、許婚なら裸の付き合いは当たり前ですねぇ。私も見せまぁす!」
「なっ、なっ、お、お前……」
恥ずかしさと怒りで口をパクパクさせて上手く喋れない。そんな俺にルイーズはニコニコと笑って、いきなり上着を脱ぎ始めようとする。
「待て待て待て待て待て待て! さっさとここから出て行けぇー‼︎」
「ノー! 由美かおるでぇす!」
黒と白のスポーツブラっぽいのが見えた瞬間、俺は慌ててお湯をすくって、バシャバシャとぶっかけて追い出した。冗談でも全然笑えない!
奪い取った携帯電話のマップを指差して聞いた。この住所の場所は俺の家だ。
「イツキはエッチでぇす! 私のことが好きでも、私にはもう心に決めている人がいるんですねぇ! 家が分かっても、心までは奪えないんですよぉ!」
……何を言っているのかさっぱり分からん。奪うつもりはこれっぽっちもない。
このままじゃ話が進まないので、鞄で胸を守っているルイーズに携帯電話を返した。確かに胸は大きい方が好きだけど、誰でもいいわけじゃない。
「とりあえず付いて来いよ。その家ならよく知っているから」
「本当ですかぁ? 変な所に連れ込もうとしたら大声出しますよぉ?」
「あぁ、それでいいから付いて来いよ」
異常に面倒くさい。俺が外人なんて好きになるわけない。どんなに似ていても、中国人も韓国人も外人だ。外人なんて宇宙人と一緒だ。
「日本の家は個性がないから皆んな一緒に見えまぁす。学校の皆んなも同じ制服を着ているから、誰が誰なのかチンプンカンプンでぇす」
……外人だって、わざわざ金髪に染めている奴がいる癖に文句言うなよ。
俺の後ろをルイーズは付いて来るけど、口から出るのは日本の悪口ばかりだ。
「ほら、ここだ。本当にここで間違いないのか?」
「ふぅー、やれやれでぇす。それが分かっていたら道に迷いませんよぉ」
「このぉ……!」
ルイーズに二階建ての俺の家を指差して聞いた。そしたら、首を左右に振って呆れられた。あのまま道の真ん中に放置するのが正解だった。
「チッ。母さんに聞いてくるから、お前は外で待ってろよ」
「はぁーい。頑張ってくださぁい」
ルイーズを玄関前に待たせる事にした。変な所に連れ込まれたくない、と本人が言ってたから文句はないだろう。そもそも俺はホームステイなんて一言も聞いてない。
ガチャ……
「あっ……はぁぁ、なんだ、お兄ちゃんか」
「お兄ちゃんで悪かったな」
玄関扉を開けると妹の胡桃が緑色の制服姿で目の前に立っていた。俺の顔を見た瞬間にガッカリしている。中学一年生で今日が入学式だったから、母さんは胡桃の学校に付いて行った。
まぁ、可愛い妹と可愛くない兄のどちらの学校に行くか。それは選ぶ必要もないだろう。お陰で放置された俺が遅刻しそうになった。
「それよりも母さんにホームステイの話とか聞いてないか? この家がホームステイ先だと言う奴が外にいるんだよ」
黒色のセミロングヘアを耳の位置で結んで、ツインテールヘアにしている生意気な顔の妹に聞いた。今日、母さんと一緒にいたなら何か聞いているはずだ。
「えっ! もぉー、それを早く言ってよ! お兄ちゃん、邪魔!」
ドガァ……
「あぐっ、このぉ……!」
俺の予想は当たっていたようだ。俺を突き飛ばすと胡桃は外に出て行った。すぐに「きゃあ、きゃあ」と外から胡桃のはしゃぐ声が聞こえてきた。
「私、ずっとお姉ちゃんが欲しかったんです! 狭い家ですけど、自分の家だと思って遠慮なく使ってくださいねぇ!」
「はぁーい! よよしくでぇす! 私も一人っ子だから可愛い妹が欲しかったでぇす!」
靴を脱いで待っていると、今まで見た事がない満面の笑みで、胡桃がルイーズの手を握って戻ってきた。二人は俺を無視して一階のリビングに入っていった。
「靴ぐらい、キチンと揃えろよ……」
二人に文句を言いながらも、脱ぎ散らかされた二人の靴を綺麗に揃えておいた。そして、洗面所でうがいと手洗いをして、二階の自分の部屋に鞄を置いて、制服から私服に着替えた。
今日はお祝いという事で夕食は豪華だと思う。外人と一緒に食えるか、とは流石に言えない。一階に降りてリビングに向かった。
「樹、今日からホームステイで一年間一緒に暮らす事になったルイーズさんよ。仲良くするのよ」
「私もビックリでぇす。学校でも家でもイツキと一緒ですねぇ」
リビングに入るとキッチンで手料理を作っている母さんが俺に言ってきた。どうやら、豪華な夕食ではなく、家庭料理でおもてなしするようだ。
「俺は一言も聞いてないぞ」
「当たり前でしょう。あんたは反対するんだから言うわけないでしょう。いつまでも外国の人が苦手なままじゃ苦労するんだから、キチンと仲良くするのよ。出来なければお小遣い無しよ」
「なっ⁉︎」
ムスッとした態度で無駄だと思いながらも一応は反抗した。俺が外人嫌いなのは家族なら知っているはずだ。その結果がお小遣い無しの厳罰だとは思わなかった。
……くっ、テレビと車が盗まれても知らないからな。
♢
「はぁぁ、疲れた。風呂入ってもう寝るか」
部屋から出ると風呂場に向かった。夕食は女三人がペチャクチャ喋りまくるから煩かった。父さんは単身赴任中だから家にいない。男の俺が一人で肩身が狭い思いをしている。
……誰も入ってないな。
風呂場のある脱衣室の扉には「空室」の札がぶら下がっている。札の表と裏面に「使用中」と「空室」と書かれている。胡桃がお兄ちゃんに裸を覗かれたくないと提案した。
提案する妹もおかしいけど、採用する母親もおかしい。
「あぁ、疲れた……」
足を伸ばして、入浴剤が入った白い湯船に肩まで浸かる。この家に残された憩いの場所は、自分の部屋と風呂場しかない。他は女達に占領されてしまった。
ガチャ……
「んっ?」
脱衣室の扉が開く音が聞こえた。母さんが洗濯でもするのかもしれない。
俺が出た後でもいいだろうに……
「ひぃぃ!」
そう思っていたら、突然、ガラガラガラと浴室のガラス扉まで開いた。驚く俺の目の前には、服を着たルイーズが平然と立っている。
「おお! これは失礼しましたぁ。でも、許婚なら裸の付き合いは当たり前ですねぇ。私も見せまぁす!」
「なっ、なっ、お、お前……」
恥ずかしさと怒りで口をパクパクさせて上手く喋れない。そんな俺にルイーズはニコニコと笑って、いきなり上着を脱ぎ始めようとする。
「待て待て待て待て待て待て! さっさとここから出て行けぇー‼︎」
「ノー! 由美かおるでぇす!」
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