42 / 72
第42話 忍法:身代わりの術
しおりを挟む
「これは使えないね」
冒険者カードで黄緑色の石を調べてみた。
【ミスリル鉱石】と出たけど、使い道は置き物にしかならない。
アイテムポーチの中に保管だ。
「うーん! 凄く寝たから調子が良いぞ! 行けそうな気がする!」
ぐーんと背伸びすると、ポキポキと関節の骨を鳴らしていく。
残りは3匹だ。今日中に全部倒してやる。
剣と盾、鎧で完全武装すると、「召喚!」と唱えた。
地面の魔法陣から、頭から足先までを黒い布服で隠したアサシンスライムが現れた。
「ニンニン! 拙者を呼び出したのはお主か?」
「《疾風突き!》」
ドォス! 僕からすぐに離れないと、こうなります。
魔剣の切っ先がアサシンスライムの胸の中心を貫いた。
ドロン!
「えっ⁉︎ 木⁉︎」
でも、アサシンスライムから白い煙が出て、丸太に変わってしまった。
「《忍法:身代わりの術!》不意打ち程度で拙者は倒せぬでござるよ!」
「はっ!」と声のした背後を素早く振り返ると、アサシンスライムが変な片足立ちポーズで立っていた。
左手の人差し指を右手で握って、右手の人差し指を伸ばしている。
「《ファイアボール(炎の球)!》」
片足立ちのアサシンスライムに炎の球を飛ばした。
「《忍法:火吹き!》——ブゥハアアア!」
その炎の球をアサシンスライムが大きく息を吸って、炎の息を噴き出し消し去った。
「……うん、これは無理だね」
剣も魔法も効かないなら倒せない。
でも、そんなはずはない。きっと弱点はあるはずだ。
「よぉーし! どんどん行くぞ! 《疾風突き!》」
とにかく攻撃あるのみだ。アサシンスライムに突撃した。
ドォスと突き刺さったけど、ドロンと丸太に変わってしまう。
さっきと一緒だ。
「ニンニン! 無駄でござる。我が忍刀のサビにしてくれる! 行け、十字手裏剣!」
背後に現れたアサシンスライムが右手に細い剣を持って、左手で尖った黒い十字架を投げてきた。
構えた盾にガンガン当たるだけで痛くはないけど、動きが読みにくい。
刀使わずに十字架投げてくるだけだ。地面が十字架だらけになっている。
「あっ!」
もしかして、この十字架使えるんじゃないのかな?
先が尖った十字架を一枚拾うと、アサシンスライムに投げつけた。
「《スライム斬り!》」
ヒューン、ドォス!
「ぐふっ!」
刺さったぁー! 狙いは外れたけど、右肩に十字架が突き刺さった!
「おのれ、卑怯者め! 飛び道具を使うとは恥を知れ!」
「えぇー!」
十字架を右肩から引き抜くと、アサシンスライムが地面に叩きつけた。
このスライム、言ってることと、やってることがめちゃくちゃだ。
冒険者カードで黄緑色の石を調べてみた。
【ミスリル鉱石】と出たけど、使い道は置き物にしかならない。
アイテムポーチの中に保管だ。
「うーん! 凄く寝たから調子が良いぞ! 行けそうな気がする!」
ぐーんと背伸びすると、ポキポキと関節の骨を鳴らしていく。
残りは3匹だ。今日中に全部倒してやる。
剣と盾、鎧で完全武装すると、「召喚!」と唱えた。
地面の魔法陣から、頭から足先までを黒い布服で隠したアサシンスライムが現れた。
「ニンニン! 拙者を呼び出したのはお主か?」
「《疾風突き!》」
ドォス! 僕からすぐに離れないと、こうなります。
魔剣の切っ先がアサシンスライムの胸の中心を貫いた。
ドロン!
「えっ⁉︎ 木⁉︎」
でも、アサシンスライムから白い煙が出て、丸太に変わってしまった。
「《忍法:身代わりの術!》不意打ち程度で拙者は倒せぬでござるよ!」
「はっ!」と声のした背後を素早く振り返ると、アサシンスライムが変な片足立ちポーズで立っていた。
左手の人差し指を右手で握って、右手の人差し指を伸ばしている。
「《ファイアボール(炎の球)!》」
片足立ちのアサシンスライムに炎の球を飛ばした。
「《忍法:火吹き!》——ブゥハアアア!」
その炎の球をアサシンスライムが大きく息を吸って、炎の息を噴き出し消し去った。
「……うん、これは無理だね」
剣も魔法も効かないなら倒せない。
でも、そんなはずはない。きっと弱点はあるはずだ。
「よぉーし! どんどん行くぞ! 《疾風突き!》」
とにかく攻撃あるのみだ。アサシンスライムに突撃した。
ドォスと突き刺さったけど、ドロンと丸太に変わってしまう。
さっきと一緒だ。
「ニンニン! 無駄でござる。我が忍刀のサビにしてくれる! 行け、十字手裏剣!」
背後に現れたアサシンスライムが右手に細い剣を持って、左手で尖った黒い十字架を投げてきた。
構えた盾にガンガン当たるだけで痛くはないけど、動きが読みにくい。
刀使わずに十字架投げてくるだけだ。地面が十字架だらけになっている。
「あっ!」
もしかして、この十字架使えるんじゃないのかな?
先が尖った十字架を一枚拾うと、アサシンスライムに投げつけた。
「《スライム斬り!》」
ヒューン、ドォス!
「ぐふっ!」
刺さったぁー! 狙いは外れたけど、右肩に十字架が突き刺さった!
「おのれ、卑怯者め! 飛び道具を使うとは恥を知れ!」
「えぇー!」
十字架を右肩から引き抜くと、アサシンスライムが地面に叩きつけた。
このスライム、言ってることと、やってることがめちゃくちゃだ。
0
お気に入りに追加
305
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
辺境の契約魔法師~スキルと知識で異世界改革~
有雲相三
ファンタジー
前世の知識を保持したまま転生した主人公。彼はアルフォンス=テイルフィラーと名付けられ、辺境伯の孫として生まれる。彼の父フィリップは辺境伯家の長男ではあるものの、魔法の才に恵まれず、弟ガリウスに家督を奪われようとしていた。そんな時、アルフォンスに多彩なスキルが宿っていることが発覚し、事態が大きく揺れ動く。己の利権保守の為にガリウスを推す貴族達。逆境の中、果たして主人公は父を当主に押し上げることは出来るのか。
主人公、アルフォンス=テイルフィラー。この世界で唯一の契約魔法師として、後に世界に名を馳せる一人の男の物語である。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
平凡を望む、されど...
わか
ファンタジー
『簡単なあらすじ』異世界転移した男が懸命に生きる物語。
『長いあらすじ』仕事が終わり、帰宅する主人公。家の玄関を開けると...そこは異世界?開けたはずの玄関のドアが消失し、異世界に放り出されてしまった。困惑する主人公にスマホから着信音がなる。この先の人生において、もっとも重要な出来事が起こるとは...その時は思っていなかった。
カクヨム、なろうに併用して投稿する予定です。
完結まで週2話の投稿、たぶん、はい。頑張ります。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
ドラゴンディセンダント
ドクターわたる
ファンタジー
結界によって隔離された“降魔の地”と呼ばれる関東の僻地に六つの高校がある・・・“降魔六学園”と呼ばれている。
世界でも珍しい召喚士だけが入学できる全寮制の高校群で一般人は基本的に立ち入り禁止となっている。召喚士は魔族と戦うために4000年ほど前に生まれたと言われるが、その役割は文明が発展して変わりつつある。定期的に・・・約400年に一度、魔族は大規模地上侵攻を目論むが古い召喚士は必要なくなりつつあった。来年11度目の地上侵攻が起こることは事前にほぼ場所・時・規模の予想が付いており来年の世界各地で起きるであろう地上大侵攻は1名も命を落とさず人類側が勝つ予定ではある・・・
“感覚合一の儀”を行うことで人口の約2%が召喚獣の卵と契約できて召喚士となる、つまり魔術や超能力のような力が使用可能になるわけである。一般人とはすこし異なる存在となるわけだ、古くは陰陽道と言われたが、現代では召喚士は試験にパスする必要があるが国家資格となっており様々な権限を持ち優遇される。
さらに召喚士にも差がある・・・最も大きな差は召喚獣が竜族かどうかである・・・竜族の召喚士は非常に強力である、ただし竜族と契約できるものは僅かである。
ここ、“降魔六学園”の生徒のほとんどは召喚士だが魔力を解放した戦闘・・・“召喚戦闘”での切磋が義務付けられ各校内ではランク戦、全国では公式戦が行われ優秀な召喚士を輩出している。
今年4月、六つのうち一つ、第3高校に如月葵という少女が入学してくる。
強力な召喚士は中学時代から全国に名前が知れ渡るのが通常だが彼女は全くの無名である。・・・彼女の身に宿している召喚獣は火竜・・・それもあり得ないほど強力な・・・世界の在り様に関与するほどの力を内包しているが彼女は何も気にしていない・・・基本適当で行き当たりばったりだから・・・。
六学園すべてで新入生3000人ほどの合同入学式は終わる。如月葵だけではない・・・どうやら他にも強力な力を持った新入生がいるようだ。
第1高校3年に西園寺桔梗という六学園の代表たる総生徒会長がいる、全国大会では団体戦も個人戦も数年負けていない。旧財閥の家系であらゆる権力を持っており中央集権的に圧政を強いている。
自由気ままな如月葵と権力の権化である西園寺桔梗は周囲を巻き込みつつ衝突する。
しかし予想外の人物の登場で事態はあらぬ方向へ転がる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる