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第40話 経験値4万の凄い奴
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「ククッ! スライムキラーか! 瞬足のミスリルスライム様を倒せると思うなよ! どこまでも逃げてやる!」
「えっ? 逃げるのが得意なだけなの?」
「その通りだ! 地平線の果てまで逃げてやる!」
……もしかして、超雑魚かもしれない。
ここから逃げるなんて出来るわけないでしょ。
出口は遥か天井にある一つだけだよ。
「よっこしょ。あぁー、グミ食べよ」
地面に座ると両手の剣を置いて、兜を脱いで、アイテムポーチからメロングミを取り出した。
これは長期戦になりそうだ。素早い相手を追いかけて、捕まえられるわけがない。
気長に仕掛けた罠にかかるのを待つのが一番だ。
「な、何してんだよ⁉︎ 追いかけて来いよ!」
「追いかけないよぉー、疲れるし」
「何だって⁉︎ 追いかけろよ! 死にものぐるいで追いかけて倒せよ! 経験値ガッポリのミスリルスライム様だぞ! 希少価値抜群の幻のスライム様だぞ!」
「そんなの知らないよぉー。別に経験値欲しくないし」
「経験値4万が欲しくないだって⁉︎ お前、何様だよ!」
「もぐもぐ……もぐもぐ……」
「何か言えよ!」
食べるのに忙しいから、今は無理です。飲み込むまで待ってください。
「ゴクン……えっ? 倒していいの?」
「倒されねえよ!」
このスライム、きっと悪口を散々言った後に逃げるタイプだ。
絶対に逃げ足だけの超雑魚だ。こんなの相手にするだけ時間の無駄だけど、何とか倒さないといけない。
メタル斬り一発で倒せそうだけど……多分、剣で倒すのは難しいかな。
やっぱりあの方法が確実かも。アイテムポーチに材料はあるから、油断させれば行けるかも。
「ふぁぁ、倒せないなら寝ようかな」
眠くないけど、油断させるには寝るのが一番だ。
あくびすると地面に寝転んだ。
「おい、寝るなよ! 起きろよ!」
「よいしょ。ふぅー」
うるさいので兜を被った。これで静かになった。
それにこの調子なら、騒ぎ疲れるのも時間の問題だぞ。
……
…
「ふわぁぁぁ……あぁー、お腹空いたなぁー」
三時間の寝たふりから起きると、兜を脱いで、盾にカエル油を塗った。
あとは盾に魚肉と狼肉を並べて、ファイアボール一発で完成だ。
「やっと起きたか。どうやら俺様を倒せないと分かって、諦めたようだな」
やっぱり騒ぎ疲れたのか、ちょっと静かになっている。
もちろん諦めていない。こういうタイプは無視するのが一番だ。
無言でチラッと見ると、すぐに盾鍋に視線を戻した。
「何だよ、それ? 野菜は食べないのか? 野菜食べた方がいいぞ」
野菜はないから食べれない。
今度は口うるさい世話焼き母さんになっている。
でも、この流れはいいぞ。
アイテムポーチから毒草を取り出して、狼肉に巻いてパクリと食べた。
「えっ? 逃げるのが得意なだけなの?」
「その通りだ! 地平線の果てまで逃げてやる!」
……もしかして、超雑魚かもしれない。
ここから逃げるなんて出来るわけないでしょ。
出口は遥か天井にある一つだけだよ。
「よっこしょ。あぁー、グミ食べよ」
地面に座ると両手の剣を置いて、兜を脱いで、アイテムポーチからメロングミを取り出した。
これは長期戦になりそうだ。素早い相手を追いかけて、捕まえられるわけがない。
気長に仕掛けた罠にかかるのを待つのが一番だ。
「な、何してんだよ⁉︎ 追いかけて来いよ!」
「追いかけないよぉー、疲れるし」
「何だって⁉︎ 追いかけろよ! 死にものぐるいで追いかけて倒せよ! 経験値ガッポリのミスリルスライム様だぞ! 希少価値抜群の幻のスライム様だぞ!」
「そんなの知らないよぉー。別に経験値欲しくないし」
「経験値4万が欲しくないだって⁉︎ お前、何様だよ!」
「もぐもぐ……もぐもぐ……」
「何か言えよ!」
食べるのに忙しいから、今は無理です。飲み込むまで待ってください。
「ゴクン……えっ? 倒していいの?」
「倒されねえよ!」
このスライム、きっと悪口を散々言った後に逃げるタイプだ。
絶対に逃げ足だけの超雑魚だ。こんなの相手にするだけ時間の無駄だけど、何とか倒さないといけない。
メタル斬り一発で倒せそうだけど……多分、剣で倒すのは難しいかな。
やっぱりあの方法が確実かも。アイテムポーチに材料はあるから、油断させれば行けるかも。
「ふぁぁ、倒せないなら寝ようかな」
眠くないけど、油断させるには寝るのが一番だ。
あくびすると地面に寝転んだ。
「おい、寝るなよ! 起きろよ!」
「よいしょ。ふぅー」
うるさいので兜を被った。これで静かになった。
それにこの調子なら、騒ぎ疲れるのも時間の問題だぞ。
……
…
「ふわぁぁぁ……あぁー、お腹空いたなぁー」
三時間の寝たふりから起きると、兜を脱いで、盾にカエル油を塗った。
あとは盾に魚肉と狼肉を並べて、ファイアボール一発で完成だ。
「やっと起きたか。どうやら俺様を倒せないと分かって、諦めたようだな」
やっぱり騒ぎ疲れたのか、ちょっと静かになっている。
もちろん諦めていない。こういうタイプは無視するのが一番だ。
無言でチラッと見ると、すぐに盾鍋に視線を戻した。
「何だよ、それ? 野菜は食べないのか? 野菜食べた方がいいぞ」
野菜はないから食べれない。
今度は口うるさい世話焼き母さんになっている。
でも、この流れはいいぞ。
アイテムポーチから毒草を取り出して、狼肉に巻いてパクリと食べた。
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