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第24話 ナイトスライム召喚

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「種飛ばし!」

 真っ赤なストロベリースライムが、黒い種をたくさん飛ばして来た。
 でも、大丈夫。僕には狼毛皮の盾がある。
 表の毛皮盾で種を受け止めつつ接近すると、ヒラリとひっくり返して、裏の油毛皮を被せた。

「やあッ!」
「いやぁー! ベトベトする!」

 ここから真必殺技の出番だ。
 炎の球で焼いたら、ストロベリーグミが焦げてしまう。
 アイテムポーチから剣を取り出した。

「えいッ! えいッ!」
「うぎゃああ!」

 グサッ、グサッ、グサッと毛皮を貫く、剣の連続突き刺しだ。
 切っても果汁が飛び出さないから、目に入る心配もいらないぞ。

 タァララッタッタァー!

【レベル60になりました】
【レベル上限に達しました。レベルを上げたい場合は、召喚士レベル5になってください】

「へぇ?」

 落とし穴生活81日目。ちょっと困ったことになった。
 これ以上、レベルが上がらないみたいだ。こういう時は冒険者カードの出番だ。

「えーっと、召喚士レベル5になる方法は……と」

【召喚士レベル5条件】
【レベル60達成済み】
【シルバースライム、ナイトスライム、マジシャンスライムの服従未達成】

「なるほど、なるほど、倒してないスライムがいると駄目なんだね」

 たったの3匹倒せば、召喚士レベル5になれるみたいだ。
 そしたら、新しいスライムも呼び出せるぞ。

「この3匹の中で一番弱そうなのは……よし、コイツだ!」

 地面に左手を置くと、「召喚!」と唱えた。
 魔法陣から剣と盾を持った、鉄色の全身鎧を着た、鉄兜を被った騎士が出て来た。

 これ、絶対にスライムじゃないよね?

「このワシを呼び出すとは、どんな召喚士かと思ったら、とんだ期待ハズレだの」
「あっ、こんにちは。スライムさんですか?」

 変なの呼び出しちゃったから、一応確認しないと駄目だよね。鎧の騎士に聞いてみた。

「ああ、スライムだ。それもスライムの中でも選ばれしナイトスライムだ。王を守りし騎士の中の騎士だ」

 ナイトスライムで間違いなかったみたいだ。だったら遠慮なく倒せるぞ。
 右手を向けると、「《ファイアボール!》」と唱えた。
 炎の球がナイトスライムに真っ直ぐ飛んでいく。

「フンッ! 火遊びがやりたいのなら、一人でやっておれ」

 でも、右手に持った剣の一振りで、炎の球が切り落とされてしまった。

「遊びじゃないよ! 本気だよ!」

 僕のことを弱いと思っているみたいだけど、強いスライムを何千匹も倒している。
 アイテムポーチからカエル油を取り出した。
 僕だって、投げたカエル油に、炎の球を空中で当てることが出来るぞ。
 その鎧を熱々の火だるま鎧にしてやる。
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