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第21話 称号:スライムマニア獲得

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「レモッ!」と黄色いレモンスライムが、果汁を飛ばして襲いかかって来た。
 目に果汁が入ると凄く痛いから、距離を取って、「《エアロカッター(風の刃)!》」を飛ばした。

「レモッッ⁉︎」

 スパッとレモンスライムの皮に切れ目が入った。
 僕が剣で攻撃するのと同じぐらいの傷を、安全な距離から与えることが出来る。
 魔法はやっぱり便利だから、どんどん覚えないとねぇ!

 風の刃の連続飛ばしで、「レモッーッ!」とレモンスライムを楽々倒した。

「やっぱり焼き肉と焼き魚にはレモンだねぇ!」

 レモンスライムを倒して、【レモングミ】を手に入れた。
 レモングミと一緒に焼き肉を食べると、凄く美味しいのだ!
 僕の最近のお気に入り料理だ。

「すっぱぁー!」

 この独特の刺激がたまらない! 辛さや甘さとは違うタイプの刺激だ。
 こんなの未体験領域だ。

「よぉーし! 元気が出たからやるぞぉー!」

 落とし穴生活72日目。
 フルーツスライムは全部倒して、レベル53まで上げて準備万端だ。
 今日こそはガイアスライムに挑戦だ。ゆっくり4日食っちゃ寝した。
 本当に本当に今日こそはやるぞ!

「召喚!」と地面に左手を置いて唱えた。
「ロック!」と丸い岩の塊が魔法陣から現れた。
 これは硬そうな予感がする。たぶん、炎も効かないと思う。
 だったら水魔法だ。

「《アクアボール(水の球)!》」

 バシャンとガイアスライムに水の球が直撃した。

「ロック?」

 でも、全然効いている気がしない。やっぱり風魔法の方だったかな?
 
 タァララッタッタァー!

【召喚したスライムが25種類を超えました】
【称号:スライムマニア(スライム愛好家)を獲得しました】

「えっ? ちょっと待ってよ⁉︎」

 何か知らないけど、真剣勝負の最中に称号を獲得してしまった。
 冒険者カードで調べたいけど、そんな暇はない。
 ガイアスライムが宙高くに飛び上がった。

「《ストーンレイン(岩の雨)!》」
「えっ? うわっ⁉︎」

 鈍い声が聞こえたと思ったら、岩の雨がたくさん降って来た。

「アタタタタッッ!」

 痛い痛い痛い痛いよぉー! 声に気を取られて、避けられなかった。
 誰か助けに来てくれたのなら、今すぐ助けて欲しいよぉー!

「《ロック魂(体当たり)》!」
「にゃあ!」

 また声が聞こえたけど、ガイアスライムがゴロゴロ転がりながら、体当たりして来た。
 横に跳んで緊急回避だ。

 もぉー、気が散るから助けないなら黙っててよ!
 
「何も聞こえない! 何も聞こえないぞ!」

 こうなったら声は無視だ。
 ガイアスライムを倒さないと、落ち着いて何も出来ない。
 右手を向けると、「エアロカッター(風の刃)!」と唱えた。
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