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第11話 水魔法とウサギ毛皮布団

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 タァララッタッタァー!

【水魔法が使えるようになりました】

「ふぅー、終わったぁー」

 これで水の実を食べなくて済むぞ。
 炎の実は噛み砕くとピリッと辛く、水の実は味がしなかった。
 お肉と魚に合うのは炎の実だねぇ!

「次はラビットスライムにしようかな?」

 ウサギなら、森に仕掛けた罠でお父さんがよく捕まえていた。
 ウサギは美味しいから、たくさん倒して、焼いて食べないとね!

 右手に短剣を持つと、「召喚!」と唱えた。
 ウサギは動きが素早いから、軽い武器でこっちも素早くならないとね!

「ラビィ!」と真白なウサギが飛び出してきた。
 触ると大火傷のマグマスライムに比べたら、柔らかモフモフの可愛いスライムだ。
「えいッ!」と飛びつくと、ラビットスライムを地面に押さえつけた。

「ラビィ⁉︎ ラビィ⁉︎」

 ラビットスライムが暴れるけど、こんなの太った猫と同じだ。
 短剣を捨てると、ラビットスライムの首に腕を回した。

「《スリパー・ホールド(首絞め)!》」
「ラビビビィ! ラビィ⁉︎ ラビィ⁉︎」

 背中に乗った状態の首絞めだ。絶対に逃げられない。
「ラ……ラ、ビィ……」と動かなくなる絞め続けると、地面にたくさん現れた。

【ウサギ肉】【ウサギ毛皮】【ウサギ骨】【ウサギ耳】【ウサギ尻尾】

 まるで本物のウサギみたいだ。白い毛皮はモフモフ、サラサラだ。
 これで薬草布団とはお別れだ。たくさん倒して、ウサギの毛皮布団で寝るぞ!

 …………
 ………
 ……
 …

「はぅっ! もうこんな時間だぁ!」

【時刻10:02】

 ウサギ布団が気持ち良すぎて、熟睡しすぎちゃった! もう朝ご飯過ぎちゃってる!

「急げ! 急げ!」

 まだギリギリ朝だ。急げば、朝ご飯に間に合う。
 剣にウサギ肉を刺すと、「召喚!」とマグマスライムを呼び出した。
 
 すぐに「マグッー!」とマグマスライムが炎の球を出して来たけど、もう慣れちゃった。
 炎の球を避けて、身体に剣を突き刺した。

「マグッ⁉︎」

 ジュー! と美味しい音が聞こえてきた。
 剣の柄から手を離すと、あとは焼けるまで逃げるだけだ。
 すっかり肉焼きの達人になっちゃった。

「もぐもぐ……もぐもぐ……」

 最近は朝から晩まで、お肉料理だ。
 鳥肉、貝肉、魚肉と誕生日でもないのに、毎日お祝い料理だ。

「ふぅー、美味しかったぁー! よぉーし! 今日も頑張ってレベルアップだぞ!」

 魔石を食べないといけないから、お肉はほどほどに、だ。
「召喚!」と唱えて、フロッグスライムを呼び出した。

「ゲコォ!」と緑色の大きなカエルが、魔法陣から飛び出した。
 どう見ても弱そうだ。これなら剣で簡単に倒せるねぇ!
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