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18日目

雷・光フライム捕獲

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 カノンは教会から家に帰った。
 晩ご飯を食べた後に、残りのフライムの捕獲に行く。

「そろそろ進化させますか」

 二階の部屋に入って飼育ケースを見ると、フライム達がたくさん増えていた。
 すぐに倒してもいいが、氷、風、地、氷風フライムの四種類が進化可能だ。
 進化させてみると、身体は変化しなかったが、名前とステータスは変化した。

「まぁ、こんなものですね」

 ドラゴンで期待し過ぎるのがよくないと、カノンは学んでいる。
 大きな飼育ケースを新しく七個作って、種類ごとにフライムを移動させていく。

「あとは伝説の実を与えれば良いですね」
 
 七個の飼育ケースにフライムを2匹ずつ移動させた。
 最後に縮小した伝説の実を大量に与えていく。
 小さいから大量に食べないとお腹は膨れない。

「よし、晩ご飯終わりです。残りを捕まえに行きましょう!」

 ペットのエサやり終わりだ。
 エリックは夜会の準備で忙しく回っているようだ。
 家には帰っていなかった。

 飛行船に乗ると、カノンは雷フライムがいる雷平原に向かった。

「雷解の護符があれば問題なさそうです」

 ——ドオゴゴゴン‼︎
 暗い空から落ちて来る雷が、飛行船にまた直撃した。
 雷が落ちまくる荒野の上空を、サメ型飛行船は飛んでいく。
 地上に丸く光る雷がいれば、それが雷フライムだ。

「あっ、見つけました!」

 地上に消えない雷を見つけて、カノンは飛行船を降下された。
 雷フライムは落雷を受けた回数で、レベルが全然違う。
 弱いのはレベル10だが、強いのはレベル60を超える強敵だ。

「何だ、あの野郎フラ? 俺っちとやるってかフラ? 面白いフラ♪ 全開バリバリでやってやるフラ‼︎」

 向かってくるサメ型飛行船に、雷フライムはメラメラではなく、バリバリ燃えている。
 自分の前に巨大な雷槍を作り出し、飛行船に向かって高速の雷槍を発射した。
 当然、飛行船に当たった瞬間に雷槍はかき消えた。

「……フラッ♪ おめぇ、やるじゃないかフラ」

 雷フライムは熱しやすく冷めやすかった。勝てないと分かってすぐに諦めた。
 逃げもせずに胸びれの虫網に捕獲された。

「残り1匹です。この調子で捕まえましょう」

 レベル48の強敵雷フライムでも、カノンは簡単に捕まえた。
 2匹目の雷フライムもすぐに見つけて、簡単に捕まえた。
 これで残りは光フライムだけになった。

 ♢

「地図だとこの辺なんですけど……」

 カノンは万能魔物図鑑で、光フライムの大体の居場所が分かっている。
 光フライムは砂漠地帯に生息していて、夜になると砂の中から現れる。
 砂漠で遭難した旅人が、灯りに助けを求めて走ったら、光フライムに遭遇するのはよくある話だ。

「あー、いました」

 さっきと同じだった。
 上空から探しているカノンが、地上に光る複数の点を見つけた。
 簡単に見つかってガッカリしているが、空から探せば簡単に見つかるに決まっている。
 
「何か来るフラ。砂に潜るフラ」
「ああ! 逃げられます!」

 空からやって来る青く輝くサメに、光フライム達が気づいた。一斉に砂の中に潜り始めた。
 飛行船が地上にたどり着く前に、光は全部砂の中に消えてしまった。

「あちゃー、逃げられちゃいました。仕方ないですね。ドラゴンの出番です。砂嵐でも地震でもいいから、砂から出してください」
「カゲ~?」

 早くも砂魔術師の出番だが、ドラゴンは納得していない。
 さっき使えないと言われたばかりだ。それでも絶好の見返すチャンスだ。
 ここで活躍すれば、見直させることが出来るかもしれない。

「初めて使うから加減が分からないカゲ」

 縮小化を解除してもらうと、四体に分身して、巨大地震を発生させた。
 地面に付いている前足から振動を発生させて、衝突した四体の力が砂柱を噴き上げる。
 砂の巨大竜巻だと、光フライムが砂フライムになるだけだ。

「フララララ~~ッ⁉︎」

 爆発する地面から砂柱に打ち上げられて、次々に光フライムが飛び出してくる。
 倒さないように上手く加減できている。絶好の捕獲チャンス到来だ。

「よーし、今度は潜らせないです!」

 カノンは飛行船を地面スレスレに飛ばして、砂の中に虫網を沈めた。
 そして混乱している光フライムを捕獲した。
 
「フララ? 助かったフラか?」

 突然揺れが収まって、光フライムは安心した。
 残念ながらこの飛行船は救助船ではない。

「これで全種類制覇です! もう地震はいいですよぉー!」

 2匹目の光フライムを捕獲した。
 これでフライム捕獲作戦は終わりだ。カノンはドラゴンに中止命令を出した。
 あとは自宅に帰って増やして倒して、レベル100にするだけだ。
 進化させて綺麗なフライムが出来れば、実験大成功だ。
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