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11日目
配達員勧誘・ルセフ兄妹
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ウェインの家は知らないので、カノンはルセフの家に向かった。
上空から庭を見下ろすと、暇そうにしている兄妹二人を見つけた。
「え? お兄ちゃんッー‼︎ 魔物だよ‼︎」
「なっ⁉︎ シリカ、家の中に逃げるぞ!」
「きゃああああ! お母さぁーん!」
妹のシリカが地面に現れた影を見つけて、上を見上げて叫んだ。
金色の飛行船が庭に降りて来ている。
次男のジャンが妹の手を掴んで、家の中に急いで逃げた。
「うーん、可愛い形に変えた方がいいですね。猫にしますか」
飛行船を庭に着陸させると、カノンは扉を開けて地面に着地した。
家から兄妹に連れらて、剣で武装した母親のニコラがやって来た。
「あらあら。あれは魔物じゃなくて、カノンちゃんよ。倒せそうだけど、倒したら駄目なのよ」
「ええ! 兄ちゃんがあの女は悪者だから、近づいたら駄目だって言ってたよ。倒してもいいんだよ!」
「本当に倒していいなら、お兄ちゃんが倒しているでしょ。カノンちゃん、どうしたの?」
過激なジャンがニコラに倒すように言っているけど、そのつもりはないようだ。
カノンに家に来た理由を聞いている。
「上級冒険者になったので、ルセフさんにお仕事を頼みに来たんです。まだ帰ってないんですか?」
「ごめんなさいね。泊まり込みで遠くまで行ったの。二、三日は帰って来ないかもしれないわね」
「そうですかぁ……」
金色の金属板を自慢するように見せて、カノンはニコラに聞いた。
ニコラが話しているが、兄妹の視線が金色の冒険者カードに集中している。
「凄えー! 上級冒険者なんて初めて見た!」
「わぁー! お姉ちゃん、ルセフお兄ちゃんよりも強いんだね!」
ニコラの後ろに隠れていた兄妹が飛び出した。
カノンの目の前まで近づいて、瞳を輝かせて聞いている。
「いえいえ、ルセフさんの方が強いですよ。ニコラさん、ウェインさんのお家を知りませんか?」
「ええ、知っているわよ。でも二股は駄目よ」
「二股ですか? いえいえ、してませんよぉ~。二人とは友達ですよぉ~♪」
「あらぁ~。それはそれで残念ね。まあ、下級冒険者じゃ仕方ないわね」
ニコラに聞かれて、カノンは意味が分からなかったが、理解すると笑って否定した。
完全な友達宣言にニコラは母親として、ちょっとだけ残念がった。
「ウェインさんだけだと、全然足りないですね。誰か他にいないでしょうか?」
ウェインの住所を教えてもらったが、配達員が一人増えただけだ。
知らない人に頼んだら、荷物と飛行船の両方とも取られそうだ。
誰か信用できる人がいないかと探したら、目の前にいた。
「ニコラさん、配達の仕事しませんか?」
「ごめんなさいね。家の仕事があるから無理なの。誰か紹介しましょうか?」
「母さんが出来るなら、俺だって出来るよ。俺がやるよ!」
「お兄ちゃんがやるなら、私もやります!」
ニコラには断られたが、兄妹がやると言い出した。
14歳と13歳なら、大人と言えなくもない。
でも、スキルもレベルもないなら危険そうだ。
「えーっと、子供はちょっと……」
「お前の方が子供だろ。チビ女!」
「そうだよ、ペチャパイ!」
「女の子は小さいのが当たり前なんです」
カノンが断ろうとしたら、兄妹から恐ろしい精神攻撃が飛んで来た。
でも背は小さい方だが、胸は平均よりも少し大きい方だ。
カノンはまったく気にしていない。
「いいからやらせろよ、ハゲ女!」
「ハゲてません! セミロングです!」
だけど、髪は我慢できなかったみたいだ。
金貸しに切られて短くなった髪を言われて、怒ってしまった。
弱点を見つけた兄妹が、何度もハゲ女と言い始めた。
「うるせい、ハゲロング! 配達やらせよぉー!」
「そうだぁー! ハゲロング、ケチロングぅー!」
「むぅー! そこまで言うなら後悔しても知りませんからね!」
「「イェーイ♪」」
プルプル震えて怒っているカノンが、兄妹に配達させると言った。
兄妹は手を叩いて喜んでいるが、カノンは大人の怖さを教えるつもりだ。
氷スライム牧場に連れて行って、エサやり体験だ。
「配達するなら、私のパーティに入ってもらいますからね。リーダーの言うことは絶対なんですよ」
「はいはい、分かりました。肩でも胸でも揉んでやるよ。あ、胸は揉むほど無いか!」
「むぅー!」
「お兄ちゃん、駄目だよぉー。凄く怒っているよ。胸だけはあるんだから、失礼だよ」
「むぅ~~‼︎」
どっちも失礼な兄妹だ。
飛行船の後ろに兄妹を乗せると、カノンは冒険者ギルドに向かった。
まずは見習い冒険者になってもらって、パーティ申請書に署名させる。
その後は生意気な見習い冒険者二人を、上級冒険者としてビシバシ教育だ。
上空から庭を見下ろすと、暇そうにしている兄妹二人を見つけた。
「え? お兄ちゃんッー‼︎ 魔物だよ‼︎」
「なっ⁉︎ シリカ、家の中に逃げるぞ!」
「きゃああああ! お母さぁーん!」
妹のシリカが地面に現れた影を見つけて、上を見上げて叫んだ。
金色の飛行船が庭に降りて来ている。
次男のジャンが妹の手を掴んで、家の中に急いで逃げた。
「うーん、可愛い形に変えた方がいいですね。猫にしますか」
飛行船を庭に着陸させると、カノンは扉を開けて地面に着地した。
家から兄妹に連れらて、剣で武装した母親のニコラがやって来た。
「あらあら。あれは魔物じゃなくて、カノンちゃんよ。倒せそうだけど、倒したら駄目なのよ」
「ええ! 兄ちゃんがあの女は悪者だから、近づいたら駄目だって言ってたよ。倒してもいいんだよ!」
「本当に倒していいなら、お兄ちゃんが倒しているでしょ。カノンちゃん、どうしたの?」
過激なジャンがニコラに倒すように言っているけど、そのつもりはないようだ。
カノンに家に来た理由を聞いている。
「上級冒険者になったので、ルセフさんにお仕事を頼みに来たんです。まだ帰ってないんですか?」
「ごめんなさいね。泊まり込みで遠くまで行ったの。二、三日は帰って来ないかもしれないわね」
「そうですかぁ……」
金色の金属板を自慢するように見せて、カノンはニコラに聞いた。
ニコラが話しているが、兄妹の視線が金色の冒険者カードに集中している。
「凄えー! 上級冒険者なんて初めて見た!」
「わぁー! お姉ちゃん、ルセフお兄ちゃんよりも強いんだね!」
ニコラの後ろに隠れていた兄妹が飛び出した。
カノンの目の前まで近づいて、瞳を輝かせて聞いている。
「いえいえ、ルセフさんの方が強いですよ。ニコラさん、ウェインさんのお家を知りませんか?」
「ええ、知っているわよ。でも二股は駄目よ」
「二股ですか? いえいえ、してませんよぉ~。二人とは友達ですよぉ~♪」
「あらぁ~。それはそれで残念ね。まあ、下級冒険者じゃ仕方ないわね」
ニコラに聞かれて、カノンは意味が分からなかったが、理解すると笑って否定した。
完全な友達宣言にニコラは母親として、ちょっとだけ残念がった。
「ウェインさんだけだと、全然足りないですね。誰か他にいないでしょうか?」
ウェインの住所を教えてもらったが、配達員が一人増えただけだ。
知らない人に頼んだら、荷物と飛行船の両方とも取られそうだ。
誰か信用できる人がいないかと探したら、目の前にいた。
「ニコラさん、配達の仕事しませんか?」
「ごめんなさいね。家の仕事があるから無理なの。誰か紹介しましょうか?」
「母さんが出来るなら、俺だって出来るよ。俺がやるよ!」
「お兄ちゃんがやるなら、私もやります!」
ニコラには断られたが、兄妹がやると言い出した。
14歳と13歳なら、大人と言えなくもない。
でも、スキルもレベルもないなら危険そうだ。
「えーっと、子供はちょっと……」
「お前の方が子供だろ。チビ女!」
「そうだよ、ペチャパイ!」
「女の子は小さいのが当たり前なんです」
カノンが断ろうとしたら、兄妹から恐ろしい精神攻撃が飛んで来た。
でも背は小さい方だが、胸は平均よりも少し大きい方だ。
カノンはまったく気にしていない。
「いいからやらせろよ、ハゲ女!」
「ハゲてません! セミロングです!」
だけど、髪は我慢できなかったみたいだ。
金貸しに切られて短くなった髪を言われて、怒ってしまった。
弱点を見つけた兄妹が、何度もハゲ女と言い始めた。
「うるせい、ハゲロング! 配達やらせよぉー!」
「そうだぁー! ハゲロング、ケチロングぅー!」
「むぅー! そこまで言うなら後悔しても知りませんからね!」
「「イェーイ♪」」
プルプル震えて怒っているカノンが、兄妹に配達させると言った。
兄妹は手を叩いて喜んでいるが、カノンは大人の怖さを教えるつもりだ。
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「はいはい、分かりました。肩でも胸でも揉んでやるよ。あ、胸は揉むほど無いか!」
「むぅー!」
「お兄ちゃん、駄目だよぉー。凄く怒っているよ。胸だけはあるんだから、失礼だよ」
「むぅ~~‼︎」
どっちも失礼な兄妹だ。
飛行船の後ろに兄妹を乗せると、カノンは冒険者ギルドに向かった。
まずは見習い冒険者になってもらって、パーティ申請書に署名させる。
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