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8日目
トカゲ最終進化
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「あれ? まだ翼が生えないんですね」
レベル20になったトカゲを進化させた。
家の中を動き回っていた大トカゲが、もっと大きくなった。
次の進化が最後だから、次に翼が生えないとドラゴンにはならない。
「とりあえず倒しますか。お父様が待っています」
トカゲをドラゴンにするのが目的ではない。
カノンは二日酔いで休んでいる父親の為に収穫を急いだ。
「とにかく撃ちまくるんだフラッ~!」
「駄目フラッ~‼︎ 魔法が効かないフラッ~!」
倒されないように氷フライム達が、カノンに氷の砲弾を撃ちまくる。
だけど進化した氷の盾と氷の護符——破氷の盾と氷解の護符の前に、粉々に砕けて、雪のように消えていく。
氷魔法は完全に効かないから、体当たりで攻撃するしかない。
もちろん、そこまで接近する前に氷フライムは倒される。
盾を持った左手の左脇に、神風の刃杖を挟んで、右手で極上魔法薬を飲んでMPを全回復する。
300対1でも、余裕で十数匹残して、カノンは果物とトカゲをレベル30にした。
「ふぅー。エサやりも終わりましたね」
生き残った氷フライムに、カノンはミノタウロスの肉を与えた。
次回の収穫も生き延びれば、もしかすると脱出するチャンスがあるかもしれない。
そう信じて食べるしかない。
「まずは船と果物ですね」
トカゲを進化させる前に、船と果物を進化させた。
ドラゴンは最後のお楽しみのようだ。
「わぁー、凄く高そうです……」
紫色の船が、青く光り輝く透明な宝石に変化した。
アダマンタイト金属が進化した——クリスタルと呼ばれる物質だ。
あまりの美しさに巨大宝石船を撫で回している。
カノンは魚以外の光り物が大好きだ。
「さてと。次はドラゴンですね♪」
レベル30の果物から美味しそうな匂いが溢れている。
食べずにアイテムポーチに回収している。
あとでハサミで切って、修復で増やす時に味見する。
食材はハサミよりもナイフの方が切りやすい。
神風ダガーで神速の千切りに挑戦だ。
「壁を斬りますか。エイッ!」
二回進化して、トカゲの大きさは4メートルを超えた。
家の扉から出て来てもらうのは難しい。神風の刃杖で、家の外壁を縦に斬った。
軽く引っ張ると、ゆっくり地面に向かって倒れてくれた。
「キュー! キュー!」
外壁がドガンと倒れる音に、大トカゲは怖がっている。
家の中を走り回って、部屋の奥に逃げ込んだ。
「はぁー。臆病者のドラゴンさんですね。本当に強いんでしょうか?」
戦闘用に買ったのに、大きいだけで弱そうだ。
カノンはちょっと心配になってきた。
それでも尻尾を両手で掴んで、大トカゲを家から引き摺り出した。
イモ虫がチョウになるように、美しく強く進化するかもしれない。
【名前=ドラゴン(メス) 種族=は虫類(トカゲ) 損傷率=0%
レベル=30(最大レベル) HP=838/838 MP=100/100
力=60 体力=60 知性=37 精神=37 器用さ=37 素早さ=52】
「…………パトラッシュの方が強いです」
進化が終わって、カノンはガッカリした。
当たり前だ。40センチのトカゲと大型犬、強いのは決まっている。
7メートルの巨大トカゲに進化したが、背中に翼は生えていない。
「う~ん、まだ子供なんでしょうか? 子供を進化させても、大人にならないんでしょうか?」
カノンは騙されたとは思わずに、まだドラゴンになると信じている。
レベル30のパトラッシュに翼が生えないのなら、トカゲにも生えない。
でも、やっぱりおかしいと気づいたようだ。
「もしかして……あの店員さん、騙されたんじゃないんですか?」
騙されたのは二人ではなく、一人だ。
世間知らずのカノンは人を疑ったりしない。
ペット屋の男店員がドラゴンだと騙されて、トカゲを買って売ってしまったと考えた。
「困りましたぁー。こんなデカイの街じゃ飼えませんよ。仕方ないですねぇ~」
クリスタル飛行船は大きいけど、トカゲを乗せる余裕はない。
困ったカノンは、この縦穴でトカゲを飼うことにした。
忘れていた家を進化させて、三階建ての幅広い家を完成させた。
外壁を斬り落とせば、トカゲ小屋の完成だ。
「お友達と仲良く遊ぶんですよ」
カノンは飛行船に乗ると、巨大トカゲに氷フライムを任せた。
氷奪の護符をトカゲの身体に付けたから、氷の砲弾を撃たれても平気だ。
護符が氷の砲弾を吸収して、HPを回復してくれる。
氷フライム相手なら無敵のドラゴンになれる。
レベル20になったトカゲを進化させた。
家の中を動き回っていた大トカゲが、もっと大きくなった。
次の進化が最後だから、次に翼が生えないとドラゴンにはならない。
「とりあえず倒しますか。お父様が待っています」
トカゲをドラゴンにするのが目的ではない。
カノンは二日酔いで休んでいる父親の為に収穫を急いだ。
「とにかく撃ちまくるんだフラッ~!」
「駄目フラッ~‼︎ 魔法が効かないフラッ~!」
倒されないように氷フライム達が、カノンに氷の砲弾を撃ちまくる。
だけど進化した氷の盾と氷の護符——破氷の盾と氷解の護符の前に、粉々に砕けて、雪のように消えていく。
氷魔法は完全に効かないから、体当たりで攻撃するしかない。
もちろん、そこまで接近する前に氷フライムは倒される。
盾を持った左手の左脇に、神風の刃杖を挟んで、右手で極上魔法薬を飲んでMPを全回復する。
300対1でも、余裕で十数匹残して、カノンは果物とトカゲをレベル30にした。
「ふぅー。エサやりも終わりましたね」
生き残った氷フライムに、カノンはミノタウロスの肉を与えた。
次回の収穫も生き延びれば、もしかすると脱出するチャンスがあるかもしれない。
そう信じて食べるしかない。
「まずは船と果物ですね」
トカゲを進化させる前に、船と果物を進化させた。
ドラゴンは最後のお楽しみのようだ。
「わぁー、凄く高そうです……」
紫色の船が、青く光り輝く透明な宝石に変化した。
アダマンタイト金属が進化した——クリスタルと呼ばれる物質だ。
あまりの美しさに巨大宝石船を撫で回している。
カノンは魚以外の光り物が大好きだ。
「さてと。次はドラゴンですね♪」
レベル30の果物から美味しそうな匂いが溢れている。
食べずにアイテムポーチに回収している。
あとでハサミで切って、修復で増やす時に味見する。
食材はハサミよりもナイフの方が切りやすい。
神風ダガーで神速の千切りに挑戦だ。
「壁を斬りますか。エイッ!」
二回進化して、トカゲの大きさは4メートルを超えた。
家の扉から出て来てもらうのは難しい。神風の刃杖で、家の外壁を縦に斬った。
軽く引っ張ると、ゆっくり地面に向かって倒れてくれた。
「キュー! キュー!」
外壁がドガンと倒れる音に、大トカゲは怖がっている。
家の中を走り回って、部屋の奥に逃げ込んだ。
「はぁー。臆病者のドラゴンさんですね。本当に強いんでしょうか?」
戦闘用に買ったのに、大きいだけで弱そうだ。
カノンはちょっと心配になってきた。
それでも尻尾を両手で掴んで、大トカゲを家から引き摺り出した。
イモ虫がチョウになるように、美しく強く進化するかもしれない。
【名前=ドラゴン(メス) 種族=は虫類(トカゲ) 損傷率=0%
レベル=30(最大レベル) HP=838/838 MP=100/100
力=60 体力=60 知性=37 精神=37 器用さ=37 素早さ=52】
「…………パトラッシュの方が強いです」
進化が終わって、カノンはガッカリした。
当たり前だ。40センチのトカゲと大型犬、強いのは決まっている。
7メートルの巨大トカゲに進化したが、背中に翼は生えていない。
「う~ん、まだ子供なんでしょうか? 子供を進化させても、大人にならないんでしょうか?」
カノンは騙されたとは思わずに、まだドラゴンになると信じている。
レベル30のパトラッシュに翼が生えないのなら、トカゲにも生えない。
でも、やっぱりおかしいと気づいたようだ。
「もしかして……あの店員さん、騙されたんじゃないんですか?」
騙されたのは二人ではなく、一人だ。
世間知らずのカノンは人を疑ったりしない。
ペット屋の男店員がドラゴンだと騙されて、トカゲを買って売ってしまったと考えた。
「困りましたぁー。こんなデカイの街じゃ飼えませんよ。仕方ないですねぇ~」
クリスタル飛行船は大きいけど、トカゲを乗せる余裕はない。
困ったカノンは、この縦穴でトカゲを飼うことにした。
忘れていた家を進化させて、三階建ての幅広い家を完成させた。
外壁を斬り落とせば、トカゲ小屋の完成だ。
「お友達と仲良く遊ぶんですよ」
カノンは飛行船に乗ると、巨大トカゲに氷フライムを任せた。
氷奪の護符をトカゲの身体に付けたから、氷の砲弾を撃たれても平気だ。
護符が氷の砲弾を吸収して、HPを回復してくれる。
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