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5日目
魔法の杖進化
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「結構増えましたね。ちょっと倒したら、明日の朝に起きて、また収穫ですね」
カノンはベッドから起きて、晩ご飯を食べて、ゴロゴロした後に確認した。
結構どころか、氷フライムが256匹に増えている。
訓練所の部屋よりも12倍も広く作りすぎると、こうなるのは当たり前だ。
「はい、パトラッシュ。この餌で一匹ずつ連れて来てください」
「クゥーン」
パトラッシュにミノタウロスの肉の首輪をつけると、囮になる仕事を与えた。
飼い主が無い知恵を使ったとしても、これは酷すぎる。
それでもドボドボ歩いて、パトラッシュは仕事場に向かった。
「何だ、お前はフラ?」
「餌の時間だワン。こっちに来るワン」
「また牛肉フラか? 勘弁してほしいフラ」
パトラッシュに誘われて、嫌々ながらも氷フライムがやって来る。
家の中には、進化させた二本の火の杖——業火の杖を持ったカノンが待っている。
【名前=業火の杖 種類=武器(短杖)
レベル=10(必要経験値0/170) 進化レベル=20 損傷率=0%
攻撃力=39 魔法攻撃力=39
その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』を使用可能】
「エイッ!」
氷フライムが見えた瞬間、カノンは大火弾を二つ発射した。
「フラ~~~ッ‼︎」
身体と同じ大きさの大きな火弾を当てられて、氷フライムが焼き氷にされている。
大きな火の玉が空中から落ちて、地面を転がり回って動かなくなった。
「うーん、これは家を燃やさないように注意しないといけませんね。まあ、水の杖があるから大丈夫ですね」
魔法薬を飲んでMPを回復すると、カノンは氷フライムの収穫を始めた。
右手に業火の杖、左手に烈風ダガーを持って、素早い動きで氷の砲弾を避けて、至近距離から大火弾を発射する。
氷の砲弾に気をつけて、冷たい身体に触らなければ、氷フライムはそこまで怖くない。
パトラッシュの体当たりで、地面に落ちた氷フライムにも大火弾を発射して、一人と一匹で倒しまくる。
「パトラッシュ、休憩しますよぉ~」
「ワン!」
氷フライムを107匹倒すと、カノンは休憩した。
30分働いただけで休憩できるなんて、快適な職場だ。
家に入ると、レベル20になった業火の杖を進化させた。
【名前=爆火の杖 種類=武器(短杖)
レベル=20(必要経験値0/540) 進化レベル=30 損傷率=0%
攻撃力=59 魔法攻撃力=59
その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』『大火爆弾(消費MP30)』を使用可能】
「ふぅー、この調子なら明日には、全部進化させられますね」
「ワゥーン♪」
アイテムポーチからジャムパンを取り出して、カノンはゆっくりお茶している。
パトラッシュはソーセージが挟まった、ケチャップとマスタードの辛いパンを食べている。
現在のパトラッシュのレベルは22だ。
自分のレベルが上がって、装備のレベルも上がっている。
パンが美味しく、仕事にも余裕が出来たから、帰り道に荷車を引く以外は楽しい。
「さてと休憩終わりです。10匹ぐらいまで倒したら、餌を置いて、あとは朝まで寝ますよ。パトラッシュは見張りをお願いしますね」
「クゥ~ン」
楽な仕事はない。飼い主の命令は絶対だ。
パトラッシュが悲しそうに鳴くと、仕事を再開した。
「フラッ~‼︎」
「きゃああ! こ、これは危なすぎます!」
大火爆弾という、直撃した氷フライムが粉々になる大きな火弾にカノンが驚いた。
身体に氷フライムの肉片が、ビシィバシィ当たってきた。
強力な魔法を素人が使うと、自爆するのも時間の問題だ。
カノンは危ない爆火の杖から烈風の杖に変えた。
「フラッ~‼︎」
「うん! こっちの方が良いですね! 他の杖も試しましょう!」
魔法の杖の試し撃ちが始まった。
大風乱刃という、複数の緑色の大きな風刃を飛ばして、氷フライムを切断した。
魔物の弱点よりも、自分と相性の良い杖の方が戦いやすい。
火、氷、闇は弾。地、雷は槍。水、光は柱。風は刃だった。
カノンのお気に入りは槍と刃の魔法だ。
複数の氷フライムを一撃で串刺し、切断できる効率的な魔法だ。
「ふぅー、流石に疲れました。もうお風呂に入って寝ましょう」
仕事時間は1時間ちょっとだ。
疲れたカノンは見張りをパトラッシュにお願いした。
家の風呂場に水と火の杖を使って、温かいお湯を用意した。
「ふはぁ~~~♪」
ゆっくり半身浴で疲れを取って、激疲れのパトラッシュに、回復薬と魔法薬の牛乳割りを皿に渡した。
パトラッシュの長い夜が始まる。
カノンはベッドから起きて、晩ご飯を食べて、ゴロゴロした後に確認した。
結構どころか、氷フライムが256匹に増えている。
訓練所の部屋よりも12倍も広く作りすぎると、こうなるのは当たり前だ。
「はい、パトラッシュ。この餌で一匹ずつ連れて来てください」
「クゥーン」
パトラッシュにミノタウロスの肉の首輪をつけると、囮になる仕事を与えた。
飼い主が無い知恵を使ったとしても、これは酷すぎる。
それでもドボドボ歩いて、パトラッシュは仕事場に向かった。
「何だ、お前はフラ?」
「餌の時間だワン。こっちに来るワン」
「また牛肉フラか? 勘弁してほしいフラ」
パトラッシュに誘われて、嫌々ながらも氷フライムがやって来る。
家の中には、進化させた二本の火の杖——業火の杖を持ったカノンが待っている。
【名前=業火の杖 種類=武器(短杖)
レベル=10(必要経験値0/170) 進化レベル=20 損傷率=0%
攻撃力=39 魔法攻撃力=39
その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』を使用可能】
「エイッ!」
氷フライムが見えた瞬間、カノンは大火弾を二つ発射した。
「フラ~~~ッ‼︎」
身体と同じ大きさの大きな火弾を当てられて、氷フライムが焼き氷にされている。
大きな火の玉が空中から落ちて、地面を転がり回って動かなくなった。
「うーん、これは家を燃やさないように注意しないといけませんね。まあ、水の杖があるから大丈夫ですね」
魔法薬を飲んでMPを回復すると、カノンは氷フライムの収穫を始めた。
右手に業火の杖、左手に烈風ダガーを持って、素早い動きで氷の砲弾を避けて、至近距離から大火弾を発射する。
氷の砲弾に気をつけて、冷たい身体に触らなければ、氷フライムはそこまで怖くない。
パトラッシュの体当たりで、地面に落ちた氷フライムにも大火弾を発射して、一人と一匹で倒しまくる。
「パトラッシュ、休憩しますよぉ~」
「ワン!」
氷フライムを107匹倒すと、カノンは休憩した。
30分働いただけで休憩できるなんて、快適な職場だ。
家に入ると、レベル20になった業火の杖を進化させた。
【名前=爆火の杖 種類=武器(短杖)
レベル=20(必要経験値0/540) 進化レベル=30 損傷率=0%
攻撃力=59 魔法攻撃力=59
その他の効果=火魔法『火弾(消費MP10)』『大火弾(消費MP20)』『大火爆弾(消費MP30)』を使用可能】
「ふぅー、この調子なら明日には、全部進化させられますね」
「ワゥーン♪」
アイテムポーチからジャムパンを取り出して、カノンはゆっくりお茶している。
パトラッシュはソーセージが挟まった、ケチャップとマスタードの辛いパンを食べている。
現在のパトラッシュのレベルは22だ。
自分のレベルが上がって、装備のレベルも上がっている。
パンが美味しく、仕事にも余裕が出来たから、帰り道に荷車を引く以外は楽しい。
「さてと休憩終わりです。10匹ぐらいまで倒したら、餌を置いて、あとは朝まで寝ますよ。パトラッシュは見張りをお願いしますね」
「クゥ~ン」
楽な仕事はない。飼い主の命令は絶対だ。
パトラッシュが悲しそうに鳴くと、仕事を再開した。
「フラッ~‼︎」
「きゃああ! こ、これは危なすぎます!」
大火爆弾という、直撃した氷フライムが粉々になる大きな火弾にカノンが驚いた。
身体に氷フライムの肉片が、ビシィバシィ当たってきた。
強力な魔法を素人が使うと、自爆するのも時間の問題だ。
カノンは危ない爆火の杖から烈風の杖に変えた。
「フラッ~‼︎」
「うん! こっちの方が良いですね! 他の杖も試しましょう!」
魔法の杖の試し撃ちが始まった。
大風乱刃という、複数の緑色の大きな風刃を飛ばして、氷フライムを切断した。
魔物の弱点よりも、自分と相性の良い杖の方が戦いやすい。
火、氷、闇は弾。地、雷は槍。水、光は柱。風は刃だった。
カノンのお気に入りは槍と刃の魔法だ。
複数の氷フライムを一撃で串刺し、切断できる効率的な魔法だ。
「ふぅー、流石に疲れました。もうお風呂に入って寝ましょう」
仕事時間は1時間ちょっとだ。
疲れたカノンは見張りをパトラッシュにお願いした。
家の風呂場に水と火の杖を使って、温かいお湯を用意した。
「ふはぁ~~~♪」
ゆっくり半身浴で疲れを取って、激疲れのパトラッシュに、回復薬と魔法薬の牛乳割りを皿に渡した。
パトラッシュの長い夜が始まる。
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