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第8.5章・ざまぁ編(エミィの場合)。
第113話・誰が持って行く。
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『ピィシャン!』
「ぐぅっ!」
エッサの雷魔法のダメージは1000を超えますが、本当に厄介なのは付属する状態異常効果です。
(弱麻痺効果か……一時的に敏捷が四分の1ぐらいは下がったかもな。)
元々のギャランの敏捷は735です。エッサは1.5倍の1150ありました。なんとか技術でカバーして来たギャランですが、麻痺状態で現在の敏捷は551です。さすがに2倍の差は、技術だけではどうにもならないかもしれません。
「まあまあ頑張った方だべぇよ。でも、相手が悪かったべぇ。オラのような天才美少年剣士が相手じゃ勝てないのも仕方ないんだべぇ。落ち込まなくてもいいだべぇよ?」
色々とツッコミたいポイントがありますが、今は放って置きましょう。ギャランは落ち込んでいる訳ではありません。
(どちらかといえば、見た目は田舎の成金剣士っぽいけどな。さてと、逃げられねーし、勝つのは無理っぽいな。外の奴らは全然来ないから期待はしない方がいい。俺に出来る最後の抵抗はこのぐらいか……)
「オラー!」
地下迷宮の出入り口を塞ぐエッサに向かって、手に持っていた両手剣を全力で投げつけました。
『ブンブンブンブン………』
「プッププ、何処に向かって投げているべぇ?高過ぎだべぇよ。」
ギャランは身体が痺れている所為か、エッサの頭を超えて両手剣が飛んで行きました。そのまま両手剣はダンジョンの出入り口を通って、外に出てしまいました。
「べぇ?……………この大馬鹿野郎がぁ!オラの剣が外に出てしまったべぇ。なんて事しやがったんだべぇ!」
エッサは黙って、外に飛んで行く剣を見ていましたが、やっとギャランの真の狙いに気づいたようです。今さら気づいても、怒っても遅いです。
「ヘッヘ、早く取りに行かないと一生見つからないかもしれないぜ。」
あの最大まで強化された、両手剣レーヴァテインをもう一度EXダンジョンから手に入れることはまず不可能です。ルナ辺りに拾われたら、まず手元に戻って来ないでしょう。
(余計な手間が増えたんだべぇ。この死に損ない達をさっさと殺して取り返しに行くしかないべぇな。)
でも、そう簡単に殺されるような死に損ないはいないようです。ギャランはアイテムボックスから最初に持っていた両手剣を取り出しました。
「なあ、そんなに慌てるなよ。もうちょっとお兄さんと一緒に遊ぼうぜ!」
「はっ?……そんなに死にたいなら、5秒で殺してやるべぇ!」
残念ながら5秒はすぐに過ぎてしまいました。エッサの予定通りには全然上手く行かないようです。
◆
『ブンブン…ガァツ!』
ダンジョンの中から飛んで来た両手剣が地面に突き刺さって止まりました。人に刺さっていたら、戦力が1人減っていたかもしれません。
「んんっ?この剣はギャランのじゃないよな?」
両手剣が突き刺さった場所の1番近くにいたのは、ザックでした。刺さっても良かったかもしれません。
「その剣はエッサのものだったが、俺とギャランの2人で奪い取ったんだが……何故、飛んで来たんだ?」
(へぇ~~、エッサの剣ね……結構高そうね。貰ったら駄目かしら?)
早速ルナは剣をネコババするつもりです。残念ながら国宝級の武器を通り越して、神話や伝説も通り越した武器を買い取れる個人がいるとは思いません。国レベルの予算が必要になるでしょう。
「その剣、エッサが取り返しに出て来そうね。ここに置いておいて、もしも取り返されたら危ないから、私が王都に走って持って行ってあげるわ。さあ、貸して。」
そのまま持ち逃げしそうですが、言っている事が間違ってもいないので従うしかありません。
「待て!その役目は俺とフローラの2人で十分だろう。ルナはここに残って指揮を取るべきだろう。さあ、俺に貸せ。」
今度はザックが名乗り出ました。こっちはただ逃げたいだけのようです。どっちに任せてもいいのですが、正直言って、レベル30の兵士に任せた方が1番良いです。こんな簡単な仕事を取り合う時点で幹部として大問題です。
「斬空乱波!…斬空乱波!…斬空乱波!」
『ザァン!サァーーー。』
レベル30の兵士が1人、突然飛んで来た斬撃によって消滅してしまいました。他にもドンドン飛んで来た斬撃に兵士達が殺されて行きました。
「中から攻撃しているぞ!ダンジョンの正面には立つんじゃない!」
バロンが珍しくまともな指示を飛ばしています。こんな日もあるのかもしれません。
地下迷宮の中からエッサは、少しでも兵士の人数を減らそうと、剣が落ちただろう場所に向かって、斬撃は出鱈目に飛ばし続けました。
「ぐぅがぁぁーー!ハァハァ、ヤバイぞ。レベル50でも下手すれば一撃で死んじまうぞ!」
レベル50の兵士でも、ランク5程度の防具だと一撃で消滅させられるようです。でも、この程度の攻撃でエッサが止まる訳がありません。
「天空より降り注ぐ輝く流星よ!創世の時を巻き戻せ!生命を滅ぼす死の来降!メテオインパクト!」
(ヒィヒヒヒ、ダメージ3000の広範囲魔法だべぇ。雑魚共はさっさと退場するんだべぇな!)
上空から何本もの白い煙が落ちて来ています。地上の兵士達は誰も空の異変に気づいていないようです。地下迷宮の入り口から出て来るだろう敵に全員集中しているようです。流星が落下した事に気づいた時には、もう手遅れでしょう。
「ぐぅっ!」
エッサの雷魔法のダメージは1000を超えますが、本当に厄介なのは付属する状態異常効果です。
(弱麻痺効果か……一時的に敏捷が四分の1ぐらいは下がったかもな。)
元々のギャランの敏捷は735です。エッサは1.5倍の1150ありました。なんとか技術でカバーして来たギャランですが、麻痺状態で現在の敏捷は551です。さすがに2倍の差は、技術だけではどうにもならないかもしれません。
「まあまあ頑張った方だべぇよ。でも、相手が悪かったべぇ。オラのような天才美少年剣士が相手じゃ勝てないのも仕方ないんだべぇ。落ち込まなくてもいいだべぇよ?」
色々とツッコミたいポイントがありますが、今は放って置きましょう。ギャランは落ち込んでいる訳ではありません。
(どちらかといえば、見た目は田舎の成金剣士っぽいけどな。さてと、逃げられねーし、勝つのは無理っぽいな。外の奴らは全然来ないから期待はしない方がいい。俺に出来る最後の抵抗はこのぐらいか……)
「オラー!」
地下迷宮の出入り口を塞ぐエッサに向かって、手に持っていた両手剣を全力で投げつけました。
『ブンブンブンブン………』
「プッププ、何処に向かって投げているべぇ?高過ぎだべぇよ。」
ギャランは身体が痺れている所為か、エッサの頭を超えて両手剣が飛んで行きました。そのまま両手剣はダンジョンの出入り口を通って、外に出てしまいました。
「べぇ?……………この大馬鹿野郎がぁ!オラの剣が外に出てしまったべぇ。なんて事しやがったんだべぇ!」
エッサは黙って、外に飛んで行く剣を見ていましたが、やっとギャランの真の狙いに気づいたようです。今さら気づいても、怒っても遅いです。
「ヘッヘ、早く取りに行かないと一生見つからないかもしれないぜ。」
あの最大まで強化された、両手剣レーヴァテインをもう一度EXダンジョンから手に入れることはまず不可能です。ルナ辺りに拾われたら、まず手元に戻って来ないでしょう。
(余計な手間が増えたんだべぇ。この死に損ない達をさっさと殺して取り返しに行くしかないべぇな。)
でも、そう簡単に殺されるような死に損ないはいないようです。ギャランはアイテムボックスから最初に持っていた両手剣を取り出しました。
「なあ、そんなに慌てるなよ。もうちょっとお兄さんと一緒に遊ぼうぜ!」
「はっ?……そんなに死にたいなら、5秒で殺してやるべぇ!」
残念ながら5秒はすぐに過ぎてしまいました。エッサの予定通りには全然上手く行かないようです。
◆
『ブンブン…ガァツ!』
ダンジョンの中から飛んで来た両手剣が地面に突き刺さって止まりました。人に刺さっていたら、戦力が1人減っていたかもしれません。
「んんっ?この剣はギャランのじゃないよな?」
両手剣が突き刺さった場所の1番近くにいたのは、ザックでした。刺さっても良かったかもしれません。
「その剣はエッサのものだったが、俺とギャランの2人で奪い取ったんだが……何故、飛んで来たんだ?」
(へぇ~~、エッサの剣ね……結構高そうね。貰ったら駄目かしら?)
早速ルナは剣をネコババするつもりです。残念ながら国宝級の武器を通り越して、神話や伝説も通り越した武器を買い取れる個人がいるとは思いません。国レベルの予算が必要になるでしょう。
「その剣、エッサが取り返しに出て来そうね。ここに置いておいて、もしも取り返されたら危ないから、私が王都に走って持って行ってあげるわ。さあ、貸して。」
そのまま持ち逃げしそうですが、言っている事が間違ってもいないので従うしかありません。
「待て!その役目は俺とフローラの2人で十分だろう。ルナはここに残って指揮を取るべきだろう。さあ、俺に貸せ。」
今度はザックが名乗り出ました。こっちはただ逃げたいだけのようです。どっちに任せてもいいのですが、正直言って、レベル30の兵士に任せた方が1番良いです。こんな簡単な仕事を取り合う時点で幹部として大問題です。
「斬空乱波!…斬空乱波!…斬空乱波!」
『ザァン!サァーーー。』
レベル30の兵士が1人、突然飛んで来た斬撃によって消滅してしまいました。他にもドンドン飛んで来た斬撃に兵士達が殺されて行きました。
「中から攻撃しているぞ!ダンジョンの正面には立つんじゃない!」
バロンが珍しくまともな指示を飛ばしています。こんな日もあるのかもしれません。
地下迷宮の中からエッサは、少しでも兵士の人数を減らそうと、剣が落ちただろう場所に向かって、斬撃は出鱈目に飛ばし続けました。
「ぐぅがぁぁーー!ハァハァ、ヤバイぞ。レベル50でも下手すれば一撃で死んじまうぞ!」
レベル50の兵士でも、ランク5程度の防具だと一撃で消滅させられるようです。でも、この程度の攻撃でエッサが止まる訳がありません。
「天空より降り注ぐ輝く流星よ!創世の時を巻き戻せ!生命を滅ぼす死の来降!メテオインパクト!」
(ヒィヒヒヒ、ダメージ3000の広範囲魔法だべぇ。雑魚共はさっさと退場するんだべぇな!)
上空から何本もの白い煙が落ちて来ています。地上の兵士達は誰も空の異変に気づいていないようです。地下迷宮の入り口から出て来るだろう敵に全員集中しているようです。流星が落下した事に気づいた時には、もう手遅れでしょう。
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