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第5章・シナリオ遂行編。

第63話・仲間割れ。

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「みんな、よく頑張ったんだな。オラは最初から、みんななら絶対に倒せると信じていたんだな!」

 ロックタは斬空波、ルナは弓矢の遠距離攻撃を主体に、地味に首無しデュラハンのHPを削って行きました。デュラハンは攻撃する事も近づく事も出来ずに倒されてしまいました。なんとも呆気ない結末です。

バーシュン、トォス木の矢発射、命中!』

 ルナが放った木の矢が、エッサの背中に突き刺さりました。

「痛い!何するんだべぇか?オラを殺す気か!」

「いやぁ~、避けるか、剣で弾き返すかなぁ~?と思ったんだけど、無理だったみたいね。ごめんね。」

 ごめんで済むなら、牢獄はいらねぇべぇ!背後から仲間に攻撃されるなんて、夢にも思わなかったべぇ!

「あっ!」

「なんだべぇ!ロックタ、どうかしたんだべぇか?」

 まさかとは思うけろが、オラを背後から襲おうとか考えてないだろうべぇなぁ?

「いえ、今の攻撃の後に、ルナ様のステータスに称号がついたので、思わず驚いてしまいました。」

「オラを攻撃したら、称号が貰えるなんて巫山戯た話しだべぇ。どんな称号なんだな?」

『名前・ルナ。職業・商人狩人。称号・プレイヤーキラー。レベル29。HP1202。MP441。攻撃力84。魔力96。敏捷398。』

 プレイヤーキラー?よく分からない称号だべぇ。まあ、ルナが強くなったのなら、どんな称号でも問題ないべぇ。称号を持ってないのは、残りはロックタだけなんだな。早く手に入れてもらわないと地下迷宮の探索が進まないだべぇが、こればかりは仕方ないんだな。

「エッサ様、ルナ様、エミィ様、申し訳ありません。私が称号を手に入れる事が出来ない役立たずなので、地下迷宮の探索が遅れてしまっています。罰として、私の事を痛めつけてください。さあ、遠慮なく殴ってください!」

 ロックタは目を瞑って、両手を広げました。歯を食いしばると、殴られるのを今か今かと待っています。闘技場ではこれが当たり前の罰なのでしょうか。

「ロックタ、そんな事はやめるべぇ。オラ達は仲間を殴って楽しいと感じるほど、クズじゃないべぇ。お願いだから、オラ達を、今までの奴らと一緒にしないで欲しいんだな。」

「うぐぅ。そんな優しい言葉、誰にもかけてもらえませんでした。うっ~~。」

 うんだぁ。ロックタの心は奴隷生活で病んでるんだな。だから、オラの優しい言葉に癒されて、一生懸命に恩を返してくれるんだな。たったの10万Gでいい買い物したんだな。

「予定では地下9階まで行こうと思っていたべぇが、みんな疲れていると思うから、今日の探索は終わりなんだな。明日からは、エミィは前衛に移動してもらって、モンスターを倒す特訓をしてもらうんだな。エミィは覚悟するんだな。」

 地下1、2階のモンスターならば、ルドルフの剣を装備したエミィの魔力ならば、一撃で倒せるHPです。特訓相手にはピッタリです。

「えっ~~!また私なの?役に立たない奴隷の所為で私ばかり苦労しているじゃない。大体、なんで子供の奴隷を買ったのよ?買うなら、大人の奴隷でしょう?言っとくけど、ロックタが可愛いのは今だけよ。あと2、3年したら、大人の奴隷達と大して変わらないんだからね。まったく、もぉ~。何で私ばかり頑張んないといけないのよ。」

 また始まったんだな。エミィの悪い癖だべぇ。自分よりも立場が下の者には、ズバァズバァと思っている事を言ってしまうんだべぇ。村にいた頃は、そんなエミィのハッキリした性格が好きだったべぇが、今なら分かるべぇ。エミィは我儘なだけなんだな。

「いんやぁ!エミィとロックタのどちらかをパーティーから外すなら、オラならエミィを外すんだな。回復しか出来ない僧侶なら、回復アイテムで代用出来るんだべぇ。ハッキリと言えば、エミィよりも奴隷の方が何倍も優秀なんだな。そんなに戦いたくないなら、村に帰って、一生、鍬で畑を攻撃してればいいんだな。」

「何よ、怒ってるの?冗談に決まってるでしょう。戦うに決まっているじゃない。あっはははは。」

 エミィは笑いながら、1人でダンジョンの出口に向かって行きました。本当に自分勝手な女です。

「笑えない冗談ね。さあ、ロックタも気にしてないで王都に帰るわよ。今日は何、食べようかしら?」

 本当に冗談だったんだべぇか?オラには本気にしか聞こえなかったべぇ。本の通りにエミィと結婚しないとサブキャラクターになれないのなら、我慢しないと駄目なんだべぇが、我慢にも限界があるべぇ。そろそろ本気で、エミィの代わりを探した方がいいかもしれないんだな。













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