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第2章・王都入門編。

第21話・スライムを倒そう。

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 王都を出て、南の方角に向かって進み続ければ、迷う事なく『大森林』に到着します。フィールドに出現するモンスターは強いので、まだまだ倒せません。見つからないように注意です。

「さてと、ちょっと試してみるべぇ。強く出ろと念じる事でアイテムが取り出せるなら、レベルやステータスを思い浮かべながら、強く見たいと念じれば見れるはずだべぇ。やってみるんだな!んんっ~~~~、出ろ!」

『名前・エッサ。職業・村人剣士。レベル1。HP100。MP100。攻撃力30。魔力40。敏捷135。』

「おぉ!見えた!これがステータスというものあるかぁ~?オラはどちらかといえば魔法の方が得意なんだなぁ~。でも、この森に出るスライムのステータスの方が強いんだなぁ。」

 パラパラと本のページをめくって確認すると、これからエッサが戦うスライムのステータスが載っていました。

『スライム・レベル12。HP1200。MP0。攻撃力90。魔力66。敏捷76。』

 本に書かれている戦闘アドバイスの通りなら、攻撃力や魔力と呼ばれる数値が相手に与える事が出来る、基本的なダメージ量のようです。つまりは、オラの物理攻撃が命中する事で、スライムに30のダメージを与える事が出来るらしいです。

「オラの攻撃力だったら、スライムを40回も切らないと倒せねぇけどぉ、武器や剣技の攻撃力を足せば、何とか倒せるかもしれねぇ。でも、スライムの攻撃は絶対に一回しか喰らったら駄目だぁ!二回喰らったら死んでしまうぅ!こんなの自殺と一緒じゃねぇかぁ~。冒険者の人達はみんな正気じゃねぇなぁ。」

 ちょっと冷静に計算しないと駄目だな。片手剣・ファントムソードの攻撃力は26。魔力は0。剣技の斬空波は、攻撃力を1倍にしかしねぇから、オラの攻撃力そのままのダメージしか与えられねぇ。つまりはオラの一撃はダメージ46という事になるぅ。

「計算では26回ぐらい、スライムを切る事が出来れば倒せる事になるけど、魔法を覚えたり、弱点を突けばもっと簡単に倒せるはずだな。スライムは体当たりしかしねぇから、素早い動きでヒットアンドアウェイ(攻撃したら回避)作戦だな。オラも随分とプロデューサー様の世界の言葉に詳しくなってしまったなぁ。」

 テクテクテク、テクテクテクと警戒する必要はありません。開けてない宝箱からアイテムを回収しながら、スライムを探します。スライムの他にも『トロール』というモンスターもいますが、こいつはHP2400で、攻撃力200もあります。まだ、オラは死にたくねぇです。

『グニュグニュ。グニュグニュ。』と相変わらず蝸牛のように動きが遅いです。でも、舐めてかかって攻撃していると、突然飛び跳ねて、体当たりしてくる危険な奴です。相手を油断させてから攻撃する策士です。エッサは剣を構えて戦闘準備はバッチリです。絶対に油断しません。油断出来ません!

「スライム、お前には恨みはねぇけど、倒させてもらうどぉ。でも、安心しろ。優秀なモンスターデザイン様がお前の代わりを数時間で作ってくれるからなぁ。行くどぉ~!」

 エッサ対スライムの戦いは、エッサの作戦通りに進んで行きました。1回攻撃したら、体当たりを警戒してすぐに距離を取ります。

 ただ、真っ直ぐにスライムに突っ込んでいったら、カウンターの体当たりを喰らうかもしれないので、ある程度接近したら、左右にランダムに走る方向を変えます。動きを読ませない作戦でしたが、効果があったのか分かりません。

『ザァン!サァーーー。』と最後の一撃が決まると、スライムは灰になって消えていきました。

「はぁはぁはぁ。ふぅ~~~、予想通りに倒せたべぇ。でも、スライムゼリーは見えねぇな?」

 自動的にアイテムが回収されたかもしれないので、持っているアイテムを思い浮かべましたが、持っていませんでした。ついでにレベルも確認しましたが、レベル1のままでした。次のスライムを探さないといけません。


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