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第2章・王都入門編。

第20話・仕事を探そう。

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 ジィ~~~~~と、酒場の二階の壁に貼られた、数十件の依頼内容を他の冒険者様と一緒にエッサは見ていました。

 やっぱり、本に載っていない依頼が多いなぁ。多分、救世主様達の冒険に不必要な部分は削除されているんだなぁ。という事はエロ本が存在する可能性はまだまだあるどぉ!

「あのぉ~、すみません。オラのような田舎から出て来たばかりの、弱くて雑魚でも出来るお仕事はこの中にありますでしょうか?」

 困った時は知っている人に聞くのか一番です。エッサは隣で依頼内容を見ていた冒険者に聞いてみました。

「おっ!新米だな。だったら、この大森林のスライムゼリー集めだな。運が良ければ3匹倒すだけで集められる。まあ、運が絡んでくるから、そこまでオススメは出来ねぇけどな。」

「エッ~と、スライムゼリーを3個集めるだけなんですねぇ。ありがとうございます。あっ!そういえば、一つ聞きたい事があるんですが、武器やお金は何処に消えているんでさぁ?何をいくつ持っているのか考えれば、すぐに頭の中に浮かぶんで分かるんですが、取り出し方が分からなくて困っているんですよ。」

 これは本当に困った問題なんだべぇ。オムライスを注文する時にいくらお金を持っているか考えれば所持金の額は分かるんだども、目には見えねぇから安心出来ねぇ。それに最初に手に入れた片手剣のグラディウスが、大森林で片手剣のファントムソードを手に入れたら、消えてしまったさぁ。

「何処に消えたのかは知らねえー。だけど、取り出す時は、欲しいものや使いたいものを思い浮かべながら、出ろ!と強く思えば勝手に出て来る。嘘だと思うなら、やってみるんだな。」

「よぉ~し、行くどぉ!んんっ~~~~、出ろ!」

 エッサが気合いを入れて、出ろ!と強く念じました。パアッと目の前に片手剣のグラディウスが現れたました。

「そうそう!そんな感じで出せる。それにわざわざ、お金とかアイテムを直接出さなくても支払いとか交換は可能だからな。まあ、頑張れよ。モンスターを何匹も倒していると、誰でもちょっとずつ強くなるもんだ。この辺のモンスターに苦戦するようなら、船で弱いモンスターがいる大陸に渡るしかねぇな。じゃぁ、頑張れよ、新米!」

「ご親切にありがとうこざいますぅ。お気をつけてぇ。」

 カッコいい先輩冒険者様はオラよりも先に、お仕事に向かって行きました。父ちゃん、母ちゃん、王都にも親切な人はいるようですぅ。フローラちゃんや親切な冒険者さんと、これからお友達になれるようにオラ、精一杯頑張るつもりですぅ。父ちゃん、母ちゃん、オラ、頑張るよぉ~!

 テクテクテク、テクテクテク、ピィタと王都の出入りで足を止めます。門番さんはみんな一緒の鎧を着て、頭をスッポリと覆い隠す兜を被っているので、誰が誰かは分かりません。とりあえず挨拶は大事です。

「おはようございますぅ。お疲れ様ですぅ。これからちょっと大森林まで出掛けますぅ。夕方には帰るつもりですぅ。それでは失礼しますぅ。」

「すぅすぅ、うるせぇよ。さっさと通れ。」

 うんだぁ。昨日よりは仲良くなれた気がするぅ。うんだぁ、うんだぁ。舌打ちされないだけマシだぁ。さあ、大森林に向かうべぇ。
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