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第10話 絵の世界に進入と異世界豚汁
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「お、お寿司は無理なんだな」
誰も食べろとは言っていない。絵に描いたおにぎりの食べ過ぎで、清はお腹が苦しい。
それでも使える魔法が分かった。絵に描いたおにぎりを取り出して、食べる事が出来る魔法だ。
かなり限定的な魔法だが、分類するなら創造魔法になる。
「さ、皿も取り出せるんだな。ほ、他の絵で試してみるんだな」
たくあんだけじゃなく、おにぎりを乗せていた絵の皿も取り出せた。
清はクレアの似顔絵を描いた紙に、手が入るか試してみた。
「だ、駄目なんだな。き、きっと好きな物しか取り出せないんだな。や、やっぱりお寿司なんだな」
清の手は紙の中には入らなかった。クレアの似顔絵に拒絶されたわけじゃないと信じたい。
念の為にスケッチブックに描いた他の絵にも手を入れようとしたが、全部に拒絶されてしまった。
間違いなく、絵に拒絶されているだけだ。
「嫌いなものも描くんだな」
赤鉛筆と黒鉛筆を使って、サラサラと極上本マグロの大トロを描いていく。
エビや玉子も好きだが、今の気分と満腹のお腹は大トロしか受け付けない。
大トロを描き終わると、黄色いレモンを描いていく。
カレーおにぎりは描くのに時間がかかるから却下だ。
「も、持てるのは取り出せるみたいなんだな。こ、こっちは戻すんだな」
大トロは口の中に入れて、取り出したレモンは絵の中に戻してみた。
描いたものは取り出すのも戻すのも自由に出来るみたいだ。
描いたものの重さで、清は取り出せるものが決まると考えている。
試しに手ではなく、頭も絵に入るかやってみた。
「は、入れたんだな。レ、レモンが浮いているんだな」
頭が紙の中に入ると、真っ白な世界が広がっていた。
空中にレモンが一個浮かんでいるが、息が出来るなら問題ない。
清は夢の中だから死んでも平気だと、勇気も出さずに絵の中に入ってみた。
「や、やっぱり水の中みたいなんだな」
身体は濡れないが、まるで生温い海を潜水している気分だ。
清は両手足を動かして、平泳ぎで白い世界を動き回っている。
底があるのか確かめたいが、底があったとしても何も無いだろう。
「そ、そろそろ部屋に戻るんだな」
食後の平泳ぎはもう十分だと、清は白い世界に唯一見える、木の天井に向かって浮上していく。
清が入って来た場所で、絵から外に出る為の唯一の出入り口だ。
「うぐぐぐっ!」と入った時と同じように、スケッチブックよりも大きな身体を無理矢理押し込んでいく。
大きなスケッチブックを用意するか、身体を鍛えないと楽に出入りは出来ない。
逆に考えれば、スケッチブックよりも大きなものは、取り出せない可能性がある。
配達に必要な清よりも大きな馬は、描いても取り出せないかもしれない。
「い、良い夢だったけど、も、もう覚めるんだな。お、おにぎりよりもお寿司が良かったんだな。ざ、残念なんだな」
スケッチブックの外になんとか出られた。
魔法も使えたし、もう心残りは何もない。清は夢が終わると思って残念がっている。
これから大量のお寿司の絵を描く気持ちにはなれない。ゴロンと床に大の字に寝転がると目を閉じた。
ソース肉じゃがは食べるつもりはないようだ。
「ぐがー。ぐがー」
「おい、清。晩飯だ。さっさと起きろ」
「ぐがぁ⁉︎」
カイルが部屋に入ると、清が大の字でいびきをかいて寝ていた。
つま先で清の左足を軽く突いて起こした。
飛び起きた清は不思議そうに、キョロキョロと辺りを見回している。
「……な、長い夢なんだな」
夢ではない、現実だ。清は立ち上がると、服に着いている土を叩き落として、晩ご飯に向かった。
ちょっと寝たから、ソース肉じゃがは食べられそうだ。せっかくだから家庭料理を味見したい。
もしかすると、もの凄く美味しい可能性もある。
「父さん、清だ。画家をやっている。俺の友達なんだけど、色んな町を回っているから、たまにしか会えないから紹介できなかったんだ」
「ほおー、そんな凄い友達がお前にいたとは知らなかったな。キヨシさん、あんた異国人みたいだが、どこの出身なんだ?」
白い床が敷かれている広い部屋に行くと、四角いテーブルに座っている父親を紹介された。
名前はトラフ。短い金髪に傭兵や兵士を思わせる険しい顔をしている。
硬く屈強な身体の方も兵士を思わせるが、職業は服磨き職人だ。
靴磨きの服版だ。主に高級な革服を綺麗に磨いている。
「に、日本なんだな」
「ん? 何が二本なんだ?」
渋い声で出身国を聞かれて、清は普通に答えた。
だが、トラフは右手の指を二本見せて、何が二本なのか聞いている。
確かに日本語は同じ言い方でも複数の意味を持つ。日本と二本を間違うのは仕方ない。
異世界言語が日本語に翻訳されているなら、間違わないという僅かな疑問は『謎の抵抗できない力』が働くから、当然抹殺される。
「ち、違うんだな。に、二本じゃなくて、日本なんだな」
「ああ~、ニホンか。……聞いた事がない国だが、何が名産なんだ?」
「お、お米なんだな。お、お米で作るおにぎりが美味しんだな。ちょ、ちょっと待ってて欲しいんだな」
「ん?」
説明するよりは見せて食べてもらった方が早い。
清はテーブルから立ち上がると、スケッチブックを取りに行った。
「お、お待たせなんだな。か、描くまで少し時間がかかるから、お、お食事どうぞなんだな」
部屋から戻って来た清はテーブルに座ると、三人に気にせずに晩ご飯を食べるようにすすめた。
自分の胃袋はまだガツガツ食べられるような余裕はない。
「分かった。そうさせてもらうとしよう。キヨシさんも絵は急がなくていいから、遠慮なく食べてくれ。リコラは料理上手なんだ。異国の人の口にも合うのか是非知りたい」
「わ、分かったんだな。い、いただきますなんだな」
食事中に絵を描くのは失礼な態度だ。
清は鉛筆を置くと、代わりに鉄のスプーンを持った。
灰色のボール型の陶器の中には、油の浮いた濃い茶色の汁が入っている。
日本の味噌汁のようなもので、肉、インゲン豆、ジャガイモが入っている。
お椀を持って、ズズズッとまずはスープから飲んでみた。味は豚骨ラーメンに近い。
濃い豚汁だと思えば、違和感なく普通に美味しい。
「お、美味しんだな。何杯でも飲めるんだな」
「ほおー、そうか! 遠慮せずにドンドン飲んでくれ!」
何杯でもは嘘だ。3杯で限界だ。清に褒められて、リコラよりもトラフの方が喜んでいる。
清に自分の分も飲めと、灰色の陶器を渡しているぐらいだ。
「い、いただきますなんだな」と断る事は出来ない。わんこそばではないが、わんこ豚汁が始まりそうだ。
清はトラフの豚汁を頑張って飲むと、器とスプーンをテーブルに置いて、スケッチブックと鉛筆を手に持った。
これでわんこ豚汁を回避する事が出来る。
誰も食べろとは言っていない。絵に描いたおにぎりの食べ過ぎで、清はお腹が苦しい。
それでも使える魔法が分かった。絵に描いたおにぎりを取り出して、食べる事が出来る魔法だ。
かなり限定的な魔法だが、分類するなら創造魔法になる。
「さ、皿も取り出せるんだな。ほ、他の絵で試してみるんだな」
たくあんだけじゃなく、おにぎりを乗せていた絵の皿も取り出せた。
清はクレアの似顔絵を描いた紙に、手が入るか試してみた。
「だ、駄目なんだな。き、きっと好きな物しか取り出せないんだな。や、やっぱりお寿司なんだな」
清の手は紙の中には入らなかった。クレアの似顔絵に拒絶されたわけじゃないと信じたい。
念の為にスケッチブックに描いた他の絵にも手を入れようとしたが、全部に拒絶されてしまった。
間違いなく、絵に拒絶されているだけだ。
「嫌いなものも描くんだな」
赤鉛筆と黒鉛筆を使って、サラサラと極上本マグロの大トロを描いていく。
エビや玉子も好きだが、今の気分と満腹のお腹は大トロしか受け付けない。
大トロを描き終わると、黄色いレモンを描いていく。
カレーおにぎりは描くのに時間がかかるから却下だ。
「も、持てるのは取り出せるみたいなんだな。こ、こっちは戻すんだな」
大トロは口の中に入れて、取り出したレモンは絵の中に戻してみた。
描いたものは取り出すのも戻すのも自由に出来るみたいだ。
描いたものの重さで、清は取り出せるものが決まると考えている。
試しに手ではなく、頭も絵に入るかやってみた。
「は、入れたんだな。レ、レモンが浮いているんだな」
頭が紙の中に入ると、真っ白な世界が広がっていた。
空中にレモンが一個浮かんでいるが、息が出来るなら問題ない。
清は夢の中だから死んでも平気だと、勇気も出さずに絵の中に入ってみた。
「や、やっぱり水の中みたいなんだな」
身体は濡れないが、まるで生温い海を潜水している気分だ。
清は両手足を動かして、平泳ぎで白い世界を動き回っている。
底があるのか確かめたいが、底があったとしても何も無いだろう。
「そ、そろそろ部屋に戻るんだな」
食後の平泳ぎはもう十分だと、清は白い世界に唯一見える、木の天井に向かって浮上していく。
清が入って来た場所で、絵から外に出る為の唯一の出入り口だ。
「うぐぐぐっ!」と入った時と同じように、スケッチブックよりも大きな身体を無理矢理押し込んでいく。
大きなスケッチブックを用意するか、身体を鍛えないと楽に出入りは出来ない。
逆に考えれば、スケッチブックよりも大きなものは、取り出せない可能性がある。
配達に必要な清よりも大きな馬は、描いても取り出せないかもしれない。
「い、良い夢だったけど、も、もう覚めるんだな。お、おにぎりよりもお寿司が良かったんだな。ざ、残念なんだな」
スケッチブックの外になんとか出られた。
魔法も使えたし、もう心残りは何もない。清は夢が終わると思って残念がっている。
これから大量のお寿司の絵を描く気持ちにはなれない。ゴロンと床に大の字に寝転がると目を閉じた。
ソース肉じゃがは食べるつもりはないようだ。
「ぐがー。ぐがー」
「おい、清。晩飯だ。さっさと起きろ」
「ぐがぁ⁉︎」
カイルが部屋に入ると、清が大の字でいびきをかいて寝ていた。
つま先で清の左足を軽く突いて起こした。
飛び起きた清は不思議そうに、キョロキョロと辺りを見回している。
「……な、長い夢なんだな」
夢ではない、現実だ。清は立ち上がると、服に着いている土を叩き落として、晩ご飯に向かった。
ちょっと寝たから、ソース肉じゃがは食べられそうだ。せっかくだから家庭料理を味見したい。
もしかすると、もの凄く美味しい可能性もある。
「父さん、清だ。画家をやっている。俺の友達なんだけど、色んな町を回っているから、たまにしか会えないから紹介できなかったんだ」
「ほおー、そんな凄い友達がお前にいたとは知らなかったな。キヨシさん、あんた異国人みたいだが、どこの出身なんだ?」
白い床が敷かれている広い部屋に行くと、四角いテーブルに座っている父親を紹介された。
名前はトラフ。短い金髪に傭兵や兵士を思わせる険しい顔をしている。
硬く屈強な身体の方も兵士を思わせるが、職業は服磨き職人だ。
靴磨きの服版だ。主に高級な革服を綺麗に磨いている。
「に、日本なんだな」
「ん? 何が二本なんだ?」
渋い声で出身国を聞かれて、清は普通に答えた。
だが、トラフは右手の指を二本見せて、何が二本なのか聞いている。
確かに日本語は同じ言い方でも複数の意味を持つ。日本と二本を間違うのは仕方ない。
異世界言語が日本語に翻訳されているなら、間違わないという僅かな疑問は『謎の抵抗できない力』が働くから、当然抹殺される。
「ち、違うんだな。に、二本じゃなくて、日本なんだな」
「ああ~、ニホンか。……聞いた事がない国だが、何が名産なんだ?」
「お、お米なんだな。お、お米で作るおにぎりが美味しんだな。ちょ、ちょっと待ってて欲しいんだな」
「ん?」
説明するよりは見せて食べてもらった方が早い。
清はテーブルから立ち上がると、スケッチブックを取りに行った。
「お、お待たせなんだな。か、描くまで少し時間がかかるから、お、お食事どうぞなんだな」
部屋から戻って来た清はテーブルに座ると、三人に気にせずに晩ご飯を食べるようにすすめた。
自分の胃袋はまだガツガツ食べられるような余裕はない。
「分かった。そうさせてもらうとしよう。キヨシさんも絵は急がなくていいから、遠慮なく食べてくれ。リコラは料理上手なんだ。異国の人の口にも合うのか是非知りたい」
「わ、分かったんだな。い、いただきますなんだな」
食事中に絵を描くのは失礼な態度だ。
清は鉛筆を置くと、代わりに鉄のスプーンを持った。
灰色のボール型の陶器の中には、油の浮いた濃い茶色の汁が入っている。
日本の味噌汁のようなもので、肉、インゲン豆、ジャガイモが入っている。
お椀を持って、ズズズッとまずはスープから飲んでみた。味は豚骨ラーメンに近い。
濃い豚汁だと思えば、違和感なく普通に美味しい。
「お、美味しんだな。何杯でも飲めるんだな」
「ほおー、そうか! 遠慮せずにドンドン飲んでくれ!」
何杯でもは嘘だ。3杯で限界だ。清に褒められて、リコラよりもトラフの方が喜んでいる。
清に自分の分も飲めと、灰色の陶器を渡しているぐらいだ。
「い、いただきますなんだな」と断る事は出来ない。わんこそばではないが、わんこ豚汁が始まりそうだ。
清はトラフの豚汁を頑張って飲むと、器とスプーンをテーブルに置いて、スケッチブックと鉛筆を手に持った。
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