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最終章 旅立ち編
最終話 (七瀬パート)
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「薫君、まずは正座しましょうか?」
「はい……」
お風呂場に立て籠もっていた斎藤さんから事情を聞いた所、昨日の晩に薫君が私と間違えて、斎藤さんに××したそうです。いくら暗かったとはいえ、本当に間違えたのか疑わしいです。途中から気がついて、『あっ、もういいや』とか開き直って続けた可能性もあります。そこはしっかりと審議しないといけません。
「本当に私と間違えて、斎藤さんに××したんですか? 正直に白状しないと二度とキスさせてあげません」
「ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、いつもより胸が大きいとは思ったけど、ほんのちょっとだけです」
チラッ。
(確かに斎藤さんのバストはDカップぐらいはありそうです。私のBよりは少しだけ大きいかもしれません。でも、この程度の差なら暗がりなら気づかない可能性もありますね)
薫君の言い訳を完全に信じた訳ではありませんが、暗がりなら身体的に近い私と斎藤さんを誤解する可能性はあるかもしれません。
「確かにちょっとだけ、斎藤さんが大きいだけですね。間違うのも無理ありません」
「くっすん…私は何度も薫に違うって言ったよ。でも、薫は全然……あぅぅ////」
ジィーーー。
やっぱり、どう見ても薫君が怪しいです。
「薫君、本当は最初から私じゃなくて斎藤さんがターゲットじゃなかったんですか?」
「違うよ! 本当に七瀬さんと間違えたんだよ。だって、『七瀬さん、好きだよ』って言いながらしたんだから」
「うっ//// それが本当だったら嬉しいですけど…」
「本当だよ! それに明日香もおかしいよ。最初は凄く抵抗していたけど、最後の辺りは全然大人しかったし、本当に嫌なら舌を噛むとかすればいいのに」
「それは…そのぉ~…」
そもそも夜這いをするのなら、私か斎藤さんか確認するべきです。もしかすると、『どっちでもいいや』とか最低の事を考えていた可能性もあります。
(それに斎藤さんも斎藤さんです。結局最後までやっているじゃないですか。本当は私に自慢したいだけなんじゃないですか?)
この2人の話を総合的に聞いた印象では、薫君はちょっと怪しいですが相手を間違えただけです。斎藤さんの方は最初から抵抗するつもりはなかったように思えます。
「はいはい、分かりました。結局は痴話喧嘩しているだけじゃないですか。どうせ、邪魔者の私がいなくなったら、また布団に潜り込んでイチャイチャするんでしょう?」
「………」
(やっぱり)
これ以上の審議は時間の無駄です。絶対に帰ったら私の知らない所で2人はイチャイチャするはずです。『駄目よ。駄目駄目!』とか言いながら、斎藤さんはきっと駄目じゃないんです。
(旅行から帰ったら、薫君を家に連れ込まないと駄目かも。このままだと薫君が斎藤さんに取られちゃう)
薫君が計画した私と斎藤さんを仲良くさせる為の旅行でしたが、結局は薫君と斎藤さんがニャンニャンして仲良くなっただけです。私も負けずに薫君とニャンニャンしないといけません。
❇︎
❇︎
❇︎
私のベッドの隣には薫君が寝ています。可愛い寝顔をもっと見ていたいですが、そろそろ起きてくれないと仕事に遅刻してしまいます。
「薫君…薫君、起きて」
ユサユサと身体を揺さぶって寝ている薫君を起こします。私もまだ眠いのに早く起きて欲しいです。
「うぅ…ううん…七瀬さん、おはよう」
「おはよう、薫君。今日は早く会社に行かないと駄目なんじゃなかったの? 遅刻しちゃうよ」
ポォフン。
「嫌だぁ~、行きたくないよぉ~」
「薫君、駄目だよぉ~。子供じゃないんだから我儘言わないで支度しないと駄目」
私を押し倒すと、薫君は胸の中に顔を埋めます。もう薫君は23歳なのにいつまでも子供のままです。
「もうぉ~、斎藤さんも起きて、薫君を家から追い出すのを手伝ってよ」
「ごめん。夜勤で疲れているから1人で頑張って……zzzZZ」
ベッドに寝ている斎藤さんに助けを求めました。でも、さっき家に帰ってきたばかりなのか、グッタリとしています。今は役に立ちそうにないです。
「はぁ~~。薫君、仕事しないと家賃が払えなくて一緒に暮らせなくなるんだよ? それでもいいの?」
「嫌…」
「だったら、仕事しないと駄目だよ。頑張って仕事してきたら、ご褒美いっぱいあげるからね」
「今欲しい…」
パシィン。
「駄目」
薫君の後頭部を軽く叩きました。そろそろ私も本気を出さないと薫君が遅刻してしまいます。本当に薫君には困ったものです。
高校を卒業した私達は3人で小さなマンションに暮らし始めました。それもこれも薫君が私と斎藤さんのどちらと結婚するか決められないからです。最近ではこのままズルズルと二股のまま逃げ切られそうな気配が濃厚になってきました。
(ふっふ…でも、そろそろこの関係も終わりそうです。薫君はパパになります。でも、まだ薫君には内緒です)
ナデナデ。
「頑張んないと駄目ですよぉ~。薫君もいつかはパパになるんですから、いつまでも子供のままではいられないんですよぉ~」
「七瀬…さん…zzz」
薫君の頭を優しく撫で続けます。大学を卒業した薫君は貿易会社に入社しました。夜遅くまで英会話の練習を頑張っているのは知っています。家にいる間はいっぱい甘えさせたいです。
(はぁ~~。今日も薫君は遅刻しそうです)
私の胸の中で薫君はスヤスヤと寝息を立て始めました。私は携帯電話を手に取ると、お父さんに今日も薫君が遅刻する事を連絡しないといけません。
「もうぉ~、薫君の馬鹿」
私は寝ている薫君の唇にキスすると、少しだけ怒りました。そして、斎藤さんと薫君の2人に挟まれるようにして一緒に眠る事にしました。
「はい……」
お風呂場に立て籠もっていた斎藤さんから事情を聞いた所、昨日の晩に薫君が私と間違えて、斎藤さんに××したそうです。いくら暗かったとはいえ、本当に間違えたのか疑わしいです。途中から気がついて、『あっ、もういいや』とか開き直って続けた可能性もあります。そこはしっかりと審議しないといけません。
「本当に私と間違えて、斎藤さんに××したんですか? 正直に白状しないと二度とキスさせてあげません」
「ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、いつもより胸が大きいとは思ったけど、ほんのちょっとだけです」
チラッ。
(確かに斎藤さんのバストはDカップぐらいはありそうです。私のBよりは少しだけ大きいかもしれません。でも、この程度の差なら暗がりなら気づかない可能性もありますね)
薫君の言い訳を完全に信じた訳ではありませんが、暗がりなら身体的に近い私と斎藤さんを誤解する可能性はあるかもしれません。
「確かにちょっとだけ、斎藤さんが大きいだけですね。間違うのも無理ありません」
「くっすん…私は何度も薫に違うって言ったよ。でも、薫は全然……あぅぅ////」
ジィーーー。
やっぱり、どう見ても薫君が怪しいです。
「薫君、本当は最初から私じゃなくて斎藤さんがターゲットじゃなかったんですか?」
「違うよ! 本当に七瀬さんと間違えたんだよ。だって、『七瀬さん、好きだよ』って言いながらしたんだから」
「うっ//// それが本当だったら嬉しいですけど…」
「本当だよ! それに明日香もおかしいよ。最初は凄く抵抗していたけど、最後の辺りは全然大人しかったし、本当に嫌なら舌を噛むとかすればいいのに」
「それは…そのぉ~…」
そもそも夜這いをするのなら、私か斎藤さんか確認するべきです。もしかすると、『どっちでもいいや』とか最低の事を考えていた可能性もあります。
(それに斎藤さんも斎藤さんです。結局最後までやっているじゃないですか。本当は私に自慢したいだけなんじゃないですか?)
この2人の話を総合的に聞いた印象では、薫君はちょっと怪しいですが相手を間違えただけです。斎藤さんの方は最初から抵抗するつもりはなかったように思えます。
「はいはい、分かりました。結局は痴話喧嘩しているだけじゃないですか。どうせ、邪魔者の私がいなくなったら、また布団に潜り込んでイチャイチャするんでしょう?」
「………」
(やっぱり)
これ以上の審議は時間の無駄です。絶対に帰ったら私の知らない所で2人はイチャイチャするはずです。『駄目よ。駄目駄目!』とか言いながら、斎藤さんはきっと駄目じゃないんです。
(旅行から帰ったら、薫君を家に連れ込まないと駄目かも。このままだと薫君が斎藤さんに取られちゃう)
薫君が計画した私と斎藤さんを仲良くさせる為の旅行でしたが、結局は薫君と斎藤さんがニャンニャンして仲良くなっただけです。私も負けずに薫君とニャンニャンしないといけません。
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私のベッドの隣には薫君が寝ています。可愛い寝顔をもっと見ていたいですが、そろそろ起きてくれないと仕事に遅刻してしまいます。
「薫君…薫君、起きて」
ユサユサと身体を揺さぶって寝ている薫君を起こします。私もまだ眠いのに早く起きて欲しいです。
「うぅ…ううん…七瀬さん、おはよう」
「おはよう、薫君。今日は早く会社に行かないと駄目なんじゃなかったの? 遅刻しちゃうよ」
ポォフン。
「嫌だぁ~、行きたくないよぉ~」
「薫君、駄目だよぉ~。子供じゃないんだから我儘言わないで支度しないと駄目」
私を押し倒すと、薫君は胸の中に顔を埋めます。もう薫君は23歳なのにいつまでも子供のままです。
「もうぉ~、斎藤さんも起きて、薫君を家から追い出すのを手伝ってよ」
「ごめん。夜勤で疲れているから1人で頑張って……zzzZZ」
ベッドに寝ている斎藤さんに助けを求めました。でも、さっき家に帰ってきたばかりなのか、グッタリとしています。今は役に立ちそうにないです。
「はぁ~~。薫君、仕事しないと家賃が払えなくて一緒に暮らせなくなるんだよ? それでもいいの?」
「嫌…」
「だったら、仕事しないと駄目だよ。頑張って仕事してきたら、ご褒美いっぱいあげるからね」
「今欲しい…」
パシィン。
「駄目」
薫君の後頭部を軽く叩きました。そろそろ私も本気を出さないと薫君が遅刻してしまいます。本当に薫君には困ったものです。
高校を卒業した私達は3人で小さなマンションに暮らし始めました。それもこれも薫君が私と斎藤さんのどちらと結婚するか決められないからです。最近ではこのままズルズルと二股のまま逃げ切られそうな気配が濃厚になってきました。
(ふっふ…でも、そろそろこの関係も終わりそうです。薫君はパパになります。でも、まだ薫君には内緒です)
ナデナデ。
「頑張んないと駄目ですよぉ~。薫君もいつかはパパになるんですから、いつまでも子供のままではいられないんですよぉ~」
「七瀬…さん…zzz」
薫君の頭を優しく撫で続けます。大学を卒業した薫君は貿易会社に入社しました。夜遅くまで英会話の練習を頑張っているのは知っています。家にいる間はいっぱい甘えさせたいです。
(はぁ~~。今日も薫君は遅刻しそうです)
私の胸の中で薫君はスヤスヤと寝息を立て始めました。私は携帯電話を手に取ると、お父さんに今日も薫君が遅刻する事を連絡しないといけません。
「もうぉ~、薫君の馬鹿」
私は寝ている薫君の唇にキスすると、少しだけ怒りました。そして、斎藤さんと薫君の2人に挟まれるようにして一緒に眠る事にしました。
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