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最終章 旅立ち編
第25話 (薫パート)
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腹の底からグッグッと煮え滾るような不快感が湧き上がって来る。もう、この気持ちは止められない。
(凄く苛々する。古谷さんの話を聞いて、ようやく分かったよ。時折り見せる七瀬さんのあの表情はそういう事だったのか)
彼女は変われると信じようとしている。彼女は私を信じようとしている。それでも、心の奥底ではまた繰り返されるかもしれないと怯えているんだ。だから、今度は自分から告白する事に決めたんだろう。
(でも、それは違う。告白した方が正しい訳じゃない。告白したから悪い事が起こらない訳じゃない。七瀬さんは間違っている)
ガヤガヤガヤ。
私は賑やかなゲームセンターの中に足を踏み入れた。クレーンゲーム、メダルゲーム、対戦型ゲーム、数々のゲーム機に大人も子供も熱中していた。でも、この中に私を心の底から満たしてくれるものは1つしかいない。
(はぁ…はぁ…七瀬さんは何処にいるんだ⁉︎)
彼女に会いたい。ただ会いたい。会って抱き締めて好きだと言いたい。それだけで心から幸せだと思える。
瑛太と翔はメダルゲームで遊んでいた。そうなると七瀬さんと松下さんの女の子2人が遊びそうな場所を探すしかない。
(七瀬さんは自分が遊ぶよりも、人が遊んでいるゲームを見て楽しんでいたような気がする。だとしたら松下さんが好きそうなゲームの所にいるはずだ)
釣り、競馬、ダンスと探して見る。でも、2人は何処にも見当たらない。もしかすると遊び疲れて休憩しているのかもしれない。そう思い、ジュースの自動販売機に向かうと2人の姿が目に入った。
「おお、望月君。結構長かったけど話は終わったの? 萌花ちゃんは一緒じゃないの?」
「古谷さんは今はこの近くの喫茶店でケーキを食べていると思います。松下さんの分も俺が奢るので、一緒に食べて来てください。俺は七瀬さんと2人で話したい事があるんです」
「うううん……それは構わないけど…大丈夫?」
「何がですか?」
「いやぁー……何だか怒っているような気がするんだけど私の気の所為かな? 何だか2人っきりにさせるとマズいような気が……」
松下さんの言う通り、確かに私は怒っている。七瀬さんを苦しめた学校や生徒達に……でも、それだけじゃない。怒り以上に七瀬さんに私の気持ちを伝えたいと思っている。この溢れる気持ちが怒りなのか、愛なのか分からない。それでも伝えたい。
「大丈夫だよ。薫君は怒ってても女の子に乱暴な事はしないと思うから。ねぇ、そうだよね?」
コクコク。
「ほら、松下さんも私の分までケーキ食べて来なよ」
私は七瀬さんの助け舟に黙って頷いて答えました。彼女も私が古谷さんと何を話したのか気になっているみたいです。
「分かったよ。でも、何かあったら直ぐに大声で叫ぶんだよ。望月君のような普通タイプが一番危ないんだから」
(松下さんの中の俺のイメージは野獣か何かだろうか? きっと30分の間に瑛太が俺を理性の欠片も無いケダモノに仕立て上げたのだろう。今度、しっかりと話をする必要がありそうだ)
「うん、分かってる。じゃあ、行こうか。薫君は何処で話すつもりなの?」
渋々ながら七瀬さんと2人っきりになる事が許されました。元々、松下さんは関係ないのですが、せっかく皆んなで遊びに来ているのに、ほとんど自由行動になってしまいました。松下さんが怒るのも仕方ありません。彼女に喫茶店の場所を教えて、千円札を2枚渡すと喜んで2人っきりにしてくれました。こんな時にお金の力は頼りになるものです。
「ごめん。本当は話したい事はほとんどないんだよ。ただ無性に七瀬さんにキスしたくなったんだ。駄目かな?」
「えっ…‼︎ ううっ~//// 駄目じゃないけど、ここでするの? 人がいるよ?」
七瀬さんは私の言葉を理解すると、頬を紅潮させながら、キョロキョロと周囲を確認します。確かにこんな場所ではムードもプライバシーも何もないでしょう。
「そうだね。じゃあ、あの中でしようか。カーテンもあるから外からは何をしているかは分からないはずだよ」
私が指差す方向には写真倶楽部と書かれた写真を撮る機械があります。箱型の機械の中に入って400円の写真を撮るだけのものです。
「うん…あそこならいいかも。でも、何で突然キスしたくなったの? 古谷さんに何か言われたの?」
彼女が疑問に思うのも仕方ありません。最近確かめて分かった事があります。
カラオケボックスで明日香とキスした時のドキドキは、本当に明日香の事が好きだからドキドキしたのだろうか。だったら七瀬さんの部屋でキスした時のドキドキは彼女が好きだという事を意味しているのだろうか。その答えがやっと分かりました。
(キスした時のドキドキは相手の事が好きだから起こるんじゃない。その行為自体が特別な事だからドキドキするんだ)
「それもあるけど……でも、1番の理由は七瀬さんの事が好きだからだよ。俺は七瀬さんともっと仲良くなりたいと思っている。それが理由だよ」
「えっ⁉︎ それって…もう薫君は斎藤さんの事はどうでもいいの?」
「ごめん。それは分からない。だから時間が欲しい。今度のお盆に明日香と会うよ。そして、この七瀬さんへの気持ちが本物なのか確かめてくる。だから、信じて欲しい。君が選んだ彼氏を」
七瀬さんは私の言葉で少しだけ喜んでくれましたが、次の言葉でガッカリさせてしまいました。私には感情と欲望の違いが分かりません。目の前にいる彼女を本当に愛しているのか。それとも欲望を愛だと錯覚しているのか。
2人で手を繋ぐと、その答えを求めて、写真倶楽部のカーテンの中に入ります。機械から擬似的な人間の音声が聞こえてきました。私はゆっくりと優しく七瀬さんを抱き締めると、その唇にキスをしました。
(やっぱりドキドキする。明日香とは違うドキドキだ)
七瀬さんともう一度キスした事で自分の気持ちが再確認できました。やっぱり七瀬さんの事が好きです。この気持ちが一時的な感情や欲望である訳がないです。彼女からソッと唇を離すと、伝えたい言葉が勝手に出てきます。
「ありがとう。やっぱり七瀬さんの事が好きだよ。俺はもう迷わないから…七瀬さんがまだ俺の事が好きなら付き合い続けたい。こんな俺の彼女になってくれませんか?」
ポロポロ。
「薫君……うん…もちろんだよ! 私も薫君の彼女でいたい。ありがとう。私を彼女に選んでくれて」
「ああ…ごめん。泣かせるつもりはなかったのに」
「あっはは…いいんだよ。この涙は流していい涙なんだから…」
七瀬さんの瞳から涙が溢れていきます。嬉し涙なのは分かっていますが、目の前で女の子が泣いていると、やっぱり困ってしまいます。だから、彼女の涙が見えないように私の胸の中で泣いてもらいたいと思いました。
ポォフン。
「ひゃぁ⁉︎」
「ごめん。七瀬さんの泣いている姿は見たくないから…七瀬さんが泣き止むまでこうしているね」
「うん…お願いします」
彼女を胸の中で抱き締め続けます。それは彼女が泣き止んだ後も続きました。
(もう離したない…)
私はこの気持ちを忘れません。この気持ちを持ったまま、明日香に伝えなければならない事があります。
(ごめん。明日香……)
(凄く苛々する。古谷さんの話を聞いて、ようやく分かったよ。時折り見せる七瀬さんのあの表情はそういう事だったのか)
彼女は変われると信じようとしている。彼女は私を信じようとしている。それでも、心の奥底ではまた繰り返されるかもしれないと怯えているんだ。だから、今度は自分から告白する事に決めたんだろう。
(でも、それは違う。告白した方が正しい訳じゃない。告白したから悪い事が起こらない訳じゃない。七瀬さんは間違っている)
ガヤガヤガヤ。
私は賑やかなゲームセンターの中に足を踏み入れた。クレーンゲーム、メダルゲーム、対戦型ゲーム、数々のゲーム機に大人も子供も熱中していた。でも、この中に私を心の底から満たしてくれるものは1つしかいない。
(はぁ…はぁ…七瀬さんは何処にいるんだ⁉︎)
彼女に会いたい。ただ会いたい。会って抱き締めて好きだと言いたい。それだけで心から幸せだと思える。
瑛太と翔はメダルゲームで遊んでいた。そうなると七瀬さんと松下さんの女の子2人が遊びそうな場所を探すしかない。
(七瀬さんは自分が遊ぶよりも、人が遊んでいるゲームを見て楽しんでいたような気がする。だとしたら松下さんが好きそうなゲームの所にいるはずだ)
釣り、競馬、ダンスと探して見る。でも、2人は何処にも見当たらない。もしかすると遊び疲れて休憩しているのかもしれない。そう思い、ジュースの自動販売機に向かうと2人の姿が目に入った。
「おお、望月君。結構長かったけど話は終わったの? 萌花ちゃんは一緒じゃないの?」
「古谷さんは今はこの近くの喫茶店でケーキを食べていると思います。松下さんの分も俺が奢るので、一緒に食べて来てください。俺は七瀬さんと2人で話したい事があるんです」
「うううん……それは構わないけど…大丈夫?」
「何がですか?」
「いやぁー……何だか怒っているような気がするんだけど私の気の所為かな? 何だか2人っきりにさせるとマズいような気が……」
松下さんの言う通り、確かに私は怒っている。七瀬さんを苦しめた学校や生徒達に……でも、それだけじゃない。怒り以上に七瀬さんに私の気持ちを伝えたいと思っている。この溢れる気持ちが怒りなのか、愛なのか分からない。それでも伝えたい。
「大丈夫だよ。薫君は怒ってても女の子に乱暴な事はしないと思うから。ねぇ、そうだよね?」
コクコク。
「ほら、松下さんも私の分までケーキ食べて来なよ」
私は七瀬さんの助け舟に黙って頷いて答えました。彼女も私が古谷さんと何を話したのか気になっているみたいです。
「分かったよ。でも、何かあったら直ぐに大声で叫ぶんだよ。望月君のような普通タイプが一番危ないんだから」
(松下さんの中の俺のイメージは野獣か何かだろうか? きっと30分の間に瑛太が俺を理性の欠片も無いケダモノに仕立て上げたのだろう。今度、しっかりと話をする必要がありそうだ)
「うん、分かってる。じゃあ、行こうか。薫君は何処で話すつもりなの?」
渋々ながら七瀬さんと2人っきりになる事が許されました。元々、松下さんは関係ないのですが、せっかく皆んなで遊びに来ているのに、ほとんど自由行動になってしまいました。松下さんが怒るのも仕方ありません。彼女に喫茶店の場所を教えて、千円札を2枚渡すと喜んで2人っきりにしてくれました。こんな時にお金の力は頼りになるものです。
「ごめん。本当は話したい事はほとんどないんだよ。ただ無性に七瀬さんにキスしたくなったんだ。駄目かな?」
「えっ…‼︎ ううっ~//// 駄目じゃないけど、ここでするの? 人がいるよ?」
七瀬さんは私の言葉を理解すると、頬を紅潮させながら、キョロキョロと周囲を確認します。確かにこんな場所ではムードもプライバシーも何もないでしょう。
「そうだね。じゃあ、あの中でしようか。カーテンもあるから外からは何をしているかは分からないはずだよ」
私が指差す方向には写真倶楽部と書かれた写真を撮る機械があります。箱型の機械の中に入って400円の写真を撮るだけのものです。
「うん…あそこならいいかも。でも、何で突然キスしたくなったの? 古谷さんに何か言われたの?」
彼女が疑問に思うのも仕方ありません。最近確かめて分かった事があります。
カラオケボックスで明日香とキスした時のドキドキは、本当に明日香の事が好きだからドキドキしたのだろうか。だったら七瀬さんの部屋でキスした時のドキドキは彼女が好きだという事を意味しているのだろうか。その答えがやっと分かりました。
(キスした時のドキドキは相手の事が好きだから起こるんじゃない。その行為自体が特別な事だからドキドキするんだ)
「それもあるけど……でも、1番の理由は七瀬さんの事が好きだからだよ。俺は七瀬さんともっと仲良くなりたいと思っている。それが理由だよ」
「えっ⁉︎ それって…もう薫君は斎藤さんの事はどうでもいいの?」
「ごめん。それは分からない。だから時間が欲しい。今度のお盆に明日香と会うよ。そして、この七瀬さんへの気持ちが本物なのか確かめてくる。だから、信じて欲しい。君が選んだ彼氏を」
七瀬さんは私の言葉で少しだけ喜んでくれましたが、次の言葉でガッカリさせてしまいました。私には感情と欲望の違いが分かりません。目の前にいる彼女を本当に愛しているのか。それとも欲望を愛だと錯覚しているのか。
2人で手を繋ぐと、その答えを求めて、写真倶楽部のカーテンの中に入ります。機械から擬似的な人間の音声が聞こえてきました。私はゆっくりと優しく七瀬さんを抱き締めると、その唇にキスをしました。
(やっぱりドキドキする。明日香とは違うドキドキだ)
七瀬さんともう一度キスした事で自分の気持ちが再確認できました。やっぱり七瀬さんの事が好きです。この気持ちが一時的な感情や欲望である訳がないです。彼女からソッと唇を離すと、伝えたい言葉が勝手に出てきます。
「ありがとう。やっぱり七瀬さんの事が好きだよ。俺はもう迷わないから…七瀬さんがまだ俺の事が好きなら付き合い続けたい。こんな俺の彼女になってくれませんか?」
ポロポロ。
「薫君……うん…もちろんだよ! 私も薫君の彼女でいたい。ありがとう。私を彼女に選んでくれて」
「ああ…ごめん。泣かせるつもりはなかったのに」
「あっはは…いいんだよ。この涙は流していい涙なんだから…」
七瀬さんの瞳から涙が溢れていきます。嬉し涙なのは分かっていますが、目の前で女の子が泣いていると、やっぱり困ってしまいます。だから、彼女の涙が見えないように私の胸の中で泣いてもらいたいと思いました。
ポォフン。
「ひゃぁ⁉︎」
「ごめん。七瀬さんの泣いている姿は見たくないから…七瀬さんが泣き止むまでこうしているね」
「うん…お願いします」
彼女を胸の中で抱き締め続けます。それは彼女が泣き止んだ後も続きました。
(もう離したない…)
私はこの気持ちを忘れません。この気持ちを持ったまま、明日香に伝えなければならない事があります。
(ごめん。明日香……)
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