122 / 172
第三章:魔人編
第122話 分かれ道
しおりを挟む
白い岩階段を上って、四階、五階と宝箱の反応を調べたが、反応があったのは地下二階だった。
姉貴の手帳に宝箱は一個ずつ出現して、現れる場所はランダムと書き足しておこう。
「あうっ、あうっ」
「宝箱は右翼側にあるそうだ。ゾンビに噛まれるんじゃないぞ」
「へぇーい」
地下二階は、茶色い煉瓦で作られた地下牢獄のような場所だ。
階段封鎖に飽きたのか、今度はオヤジ達六人も参加するようだ。
妄想オヤジに見送られて出発した。
まあ、右翼側は階段が一つしかない。十二人で守る方がおかしい。
十六人でパパッと倒して探した方が早く終わるだろう。
「この温度なら食糧庫に使えるな。あと何体ゾンビに出来るんだ? 見張りを置けば暮らせるぞ」
「いや、腹は空かないし、階段で休んだ方が安全だからいい」
「遠慮するなよ。城に住むなんて男の夢だろ。モンスターなんて岩に閉じ込めればいいんだよ」
「ほら、あそこに仲間のゾンビがいるぞ。遊んでこいよ」
「……」
地下二階の気温は少し肌寒いが、話しかけてくるオヤジ達が暑苦しい。
俺にここに住めとしつこく勧めてくるが、鉄格子の中に住むつもりはない。
俺に分からない暗号を使って、俺を閉じ込めようと話し合っているように聞こえる。
宝箱を七個見つけたら、俺から全部奪い取って、ここに閉じ込めるつもりだろうか。
ザァン!
「グガァー‼︎」
ゾンビがゾンビを倒すというおかしな状況だが、言われた通りに剣で遊んできた。
すると、「ごめん、間違えた!」と言って、戻ってきた俺を切ろうとした。
悪いけど冗談でも笑えない。次は俺も容赦なく切り返す。
「50階まで攻略したら、残りの人生、何を目標に頑張ればいいんだよ」
「いつも通りに魔道具作って、酒飲んで、飯食えばいいだろ。兄さんはこれからどうするんだ?」
隊長の妄想オヤジがいないから、暑苦しいオヤジ達の無駄話が止まらない。
多分、俺の隣にいるメルを守っているつもりだろうけど、黙って見守ってほしい。
あとやる事がないなら、死ねばいいんじゃないかな?
「とくにないですね」
「おいおい、若いうちから目標立てないと駄目だって。それだと、ボッーと生きているのと一緒だぜ」
「そうだぜ。ゴールしたら終わりじゃないんだ。ゴールした後がスタートなんだよ」
「そうなんですね。参考になります……」
ちょっと何言っているのか分からない。
興味がないから適当に答えたのが駄目だったらしい。オヤジ達の説教が始まった。
だけど、人生とは我慢と忍耐だ。嫌な事からは逃げられない。
だが、その我慢の時間も終わりそうだ。前方に強いモンスターが現れたみたいだ。
「おっ! 見つけたみたいだぞ。ちょっと苦戦してやがる」
「へぇー、骸骨剣士か。いつもの剣と少し違うな。倒される前に武器加工しないと」
「よし、兄さん。生け捕りにして、剣を回収してくれ! 良い剣作ってやるよ!」
三階に続いて、また俺の出番みたいだ。オヤジ達が少し興奮している。
正直やりたくないが、迷っている間に骸骨双剣士がヴァン達に倒されそうだ。
殺生白珠の代わりに、オヤジ達に剣ぐらいプレゼントしてやるか。
「待て待て! 俺が拘束するから絶対に倒すんじゃないぞ!」
オヤジ達の群れから抜け出すと、剣を抜いて走り出した。
強化モンスターの実力は30~40階の間ぐらいとランダムだ。
だけど、さっきのキングスライムのように、巨人並みに強いのもいる。
苦戦しているから、49階の将軍ぐらいの強さだろう。四人がかりなら楽勝だ。
「どうした? 何で倒したら駄目なんだ!」
「オヤジ達がコイツの剣が欲しいらしい。名剣なんじゃないのか?」
「名剣か……なら仕方ないな。ガイ、ロビン、手足だけ破壊する。頭は絶対に壊すなよ」
「時間がないのに難しい注文ですね」
戦いを止められてガイは怒っているが、別に俺が止めたいわけじゃない。
手短に説明すると、剣士のヴァン以外も嫌々ながら賛成してくれた。
名剣なら戦力アップも期待できるから、剣士なら見逃さない。
「当たらないように気をつけてくださいよ。立ち位置は左右だけで、前後は当たりますからね」
「だったら射つな!」と言いたいが、右足だけを狙って、ロビンは時間差で弓矢を射ち続けている。
この地味な嫌がらせ攻撃に、骸骨双剣士の片腕はほぼ防御に封じられている。
その隙を突いて、俺達三人が左右から腕を狙って攻撃を繰り返す。
「両腕を封じる! 二人とも合わせろ!」
「ああ!」
ギィーン‼︎
「グゴォーッ‼︎」
ヴァンの合図で、左右から同時に攻撃を繰り出した。
骸骨双剣士は双剣で、剣二本と槍一本を上手く受け止め防御しているが、両足が隙だらけだ。
その停止した両足目掛けて、ロビンが容赦なく弓矢を発射した。
ドゴォ!
「グガァッ⁉︎」
両足の膝を粉砕された骸骨双剣士が崩れ落ちていく。
トドメを刺すなら絶好のチャンスだが、倒れた骸骨双剣士の両手の甲を踏みつけた。
これで剣は振れないし、逃げられない。
「腕を破壊する。そのまま押さえていろ」
「ああ、早くしてくれ」
何だか、25階の墓地で骸骨双剣士に墓石を投げつけていた連中を思い出すが、これはイジメじゃない。
ヴァンとガイが骸骨双剣士の両肩を剣先と矛先で破壊した。
あとは銅色の片刃剣をオヤジ達に届けるだけだ。
【呪われた剣:長剣ランクX】——長時間持ち続けると精神に異常が起こる。
「まさかな……」
届ける前に一応剣を調べてみたら、不吉な情報が見えた。
また悪質な冗談をやるつもりなら、今度はこの剣で切りつけてやる。
♢
呪われた剣をオヤジ達に届けると、武器製造で加工された呪われた剣が返ってきた。
俺は違いが分かる男だが、流石にこの違いは分からない。
違いを確かめる為、ガイに背骨を踏まれている、骸骨双剣士の頭に呪われた剣を振り下ろした。
ゴッ!
「チッ……トドメは任せる」
「ククッ。使い手が悪いだけかもしれないぞ?」
どうやら切れ味も呪われているらしい。ヒビ一つ入らなかった。
俺に代わって、ガイが笑いながら槍でトドメを刺して、赤い宝箱を出現させた。
これだけ時間をかけて、ただのモンスターだったらオヤジ達は許されない。
「んっ? おい、他のモンスターも消えていくぞ」
「へぇー、これは楽になるな」
骸骨双剣士を倒すと、他のモンスターも一緒に消え始めた。
これで安全に動けると数人が喜んでいたが、逆にロビンが注意を呼びかけている。
「むしろ警戒した方がいいです。49階と一緒なら本体が現れます」
「だったら、ヤバイな。二千匹に囲まれたら一瞬で終わりだ!」
そんなに危ないなら、さっさと結界に守られた階段に避難するに決まっている。
メルに宝箱を開けさせて、中身を回収すると、階段を封鎖しているオヤジ達六人と合流した。
ロビンが警戒する本体はまだ現れないが、現れてほしいヤツはいないだろう。
「私達は五階の開かずの扉を見てきます。安全な階段で待機していてください」
「その必要はない。俺達もこのまま付いていく。一番乗りは譲らない」
「じゃあ、俺達は帰るから頑張れよ」
「……」
ヴァン達とクォーク達は、このまま五階に行くようだ。
やる気と元気に満ちているが、悪いが俺は空気を読むつもりはない。
予定通り、ここで抜けさせてもらう。
安全第一で、機会があれば、腕輪獲得後に参加させてもらう。
「そうですか。では、気をつけてください。誰かに襲われて、寄付を台無しにしないでくださいよ」
「ああ、大丈夫だ。ダンジョンは広いから上手く逃げ回るよ」
「おい、これだけ寄付させて、都合が良すぎるんじゃないのか! ちょっとぐらい手伝え——」
誰も引き止める気がないようだ。階段でロビン達と素早く分かれた。
何かアレンが叫んでいたような気もするが、気にせずに一階の玄関ホールを目指そう。
「って⁉︎ 全員行ったのかよ。団体行動が好きだな」
「あうっ」
後ろを振り返って見ると、メル以外は誰もいなかった。
オヤジ達は付いてくると思ったのに、全員が五階に行ったようだ。
二十人で頑張っても、腕輪は一人分しかないから取り合いになるだけだろうに。
「よし、到着」
モンスターがいなくなったので、玄関ホールまで余裕で行けた。
この後は40階のミノタウロスを倒しまくって、赤魔石を集めまくる。
それを一階にいる冒険者に頼んで換金してもらい、その金で進化に必要な素材を購入する。
チマチマと宝箱を探すよりは、こっちの方が早いはずだ。
神金剛石を集めようにも、最近俺達が取ったばかりだから、復活するまで手に入らない。
「これを使うのは、他の素材が手に入った後だな」
手に入れた七個の殺生白珠は、まだメルには使わない。鞄の中に保管しておく。
万が一の危機的状況が訪れた時、俺に使わないと助からない。
「さてと、小船で一気に40階まで行くからな」
「あうっ」
玄関ホールに二人乗り用の短い小船を作った。俺が前に乗って、後ろにメルを乗せた。
ヴァン達が腕輪は手に入れるか、確かめた後でもいいが、大勢の人間と荷物を運ぶのは疲れる。
乗せてくれと頼まれる前に出発だ。
姉貴の手帳に宝箱は一個ずつ出現して、現れる場所はランダムと書き足しておこう。
「あうっ、あうっ」
「宝箱は右翼側にあるそうだ。ゾンビに噛まれるんじゃないぞ」
「へぇーい」
地下二階は、茶色い煉瓦で作られた地下牢獄のような場所だ。
階段封鎖に飽きたのか、今度はオヤジ達六人も参加するようだ。
妄想オヤジに見送られて出発した。
まあ、右翼側は階段が一つしかない。十二人で守る方がおかしい。
十六人でパパッと倒して探した方が早く終わるだろう。
「この温度なら食糧庫に使えるな。あと何体ゾンビに出来るんだ? 見張りを置けば暮らせるぞ」
「いや、腹は空かないし、階段で休んだ方が安全だからいい」
「遠慮するなよ。城に住むなんて男の夢だろ。モンスターなんて岩に閉じ込めればいいんだよ」
「ほら、あそこに仲間のゾンビがいるぞ。遊んでこいよ」
「……」
地下二階の気温は少し肌寒いが、話しかけてくるオヤジ達が暑苦しい。
俺にここに住めとしつこく勧めてくるが、鉄格子の中に住むつもりはない。
俺に分からない暗号を使って、俺を閉じ込めようと話し合っているように聞こえる。
宝箱を七個見つけたら、俺から全部奪い取って、ここに閉じ込めるつもりだろうか。
ザァン!
「グガァー‼︎」
ゾンビがゾンビを倒すというおかしな状況だが、言われた通りに剣で遊んできた。
すると、「ごめん、間違えた!」と言って、戻ってきた俺を切ろうとした。
悪いけど冗談でも笑えない。次は俺も容赦なく切り返す。
「50階まで攻略したら、残りの人生、何を目標に頑張ればいいんだよ」
「いつも通りに魔道具作って、酒飲んで、飯食えばいいだろ。兄さんはこれからどうするんだ?」
隊長の妄想オヤジがいないから、暑苦しいオヤジ達の無駄話が止まらない。
多分、俺の隣にいるメルを守っているつもりだろうけど、黙って見守ってほしい。
あとやる事がないなら、死ねばいいんじゃないかな?
「とくにないですね」
「おいおい、若いうちから目標立てないと駄目だって。それだと、ボッーと生きているのと一緒だぜ」
「そうだぜ。ゴールしたら終わりじゃないんだ。ゴールした後がスタートなんだよ」
「そうなんですね。参考になります……」
ちょっと何言っているのか分からない。
興味がないから適当に答えたのが駄目だったらしい。オヤジ達の説教が始まった。
だけど、人生とは我慢と忍耐だ。嫌な事からは逃げられない。
だが、その我慢の時間も終わりそうだ。前方に強いモンスターが現れたみたいだ。
「おっ! 見つけたみたいだぞ。ちょっと苦戦してやがる」
「へぇー、骸骨剣士か。いつもの剣と少し違うな。倒される前に武器加工しないと」
「よし、兄さん。生け捕りにして、剣を回収してくれ! 良い剣作ってやるよ!」
三階に続いて、また俺の出番みたいだ。オヤジ達が少し興奮している。
正直やりたくないが、迷っている間に骸骨双剣士がヴァン達に倒されそうだ。
殺生白珠の代わりに、オヤジ達に剣ぐらいプレゼントしてやるか。
「待て待て! 俺が拘束するから絶対に倒すんじゃないぞ!」
オヤジ達の群れから抜け出すと、剣を抜いて走り出した。
強化モンスターの実力は30~40階の間ぐらいとランダムだ。
だけど、さっきのキングスライムのように、巨人並みに強いのもいる。
苦戦しているから、49階の将軍ぐらいの強さだろう。四人がかりなら楽勝だ。
「どうした? 何で倒したら駄目なんだ!」
「オヤジ達がコイツの剣が欲しいらしい。名剣なんじゃないのか?」
「名剣か……なら仕方ないな。ガイ、ロビン、手足だけ破壊する。頭は絶対に壊すなよ」
「時間がないのに難しい注文ですね」
戦いを止められてガイは怒っているが、別に俺が止めたいわけじゃない。
手短に説明すると、剣士のヴァン以外も嫌々ながら賛成してくれた。
名剣なら戦力アップも期待できるから、剣士なら見逃さない。
「当たらないように気をつけてくださいよ。立ち位置は左右だけで、前後は当たりますからね」
「だったら射つな!」と言いたいが、右足だけを狙って、ロビンは時間差で弓矢を射ち続けている。
この地味な嫌がらせ攻撃に、骸骨双剣士の片腕はほぼ防御に封じられている。
その隙を突いて、俺達三人が左右から腕を狙って攻撃を繰り返す。
「両腕を封じる! 二人とも合わせろ!」
「ああ!」
ギィーン‼︎
「グゴォーッ‼︎」
ヴァンの合図で、左右から同時に攻撃を繰り出した。
骸骨双剣士は双剣で、剣二本と槍一本を上手く受け止め防御しているが、両足が隙だらけだ。
その停止した両足目掛けて、ロビンが容赦なく弓矢を発射した。
ドゴォ!
「グガァッ⁉︎」
両足の膝を粉砕された骸骨双剣士が崩れ落ちていく。
トドメを刺すなら絶好のチャンスだが、倒れた骸骨双剣士の両手の甲を踏みつけた。
これで剣は振れないし、逃げられない。
「腕を破壊する。そのまま押さえていろ」
「ああ、早くしてくれ」
何だか、25階の墓地で骸骨双剣士に墓石を投げつけていた連中を思い出すが、これはイジメじゃない。
ヴァンとガイが骸骨双剣士の両肩を剣先と矛先で破壊した。
あとは銅色の片刃剣をオヤジ達に届けるだけだ。
【呪われた剣:長剣ランクX】——長時間持ち続けると精神に異常が起こる。
「まさかな……」
届ける前に一応剣を調べてみたら、不吉な情報が見えた。
また悪質な冗談をやるつもりなら、今度はこの剣で切りつけてやる。
♢
呪われた剣をオヤジ達に届けると、武器製造で加工された呪われた剣が返ってきた。
俺は違いが分かる男だが、流石にこの違いは分からない。
違いを確かめる為、ガイに背骨を踏まれている、骸骨双剣士の頭に呪われた剣を振り下ろした。
ゴッ!
「チッ……トドメは任せる」
「ククッ。使い手が悪いだけかもしれないぞ?」
どうやら切れ味も呪われているらしい。ヒビ一つ入らなかった。
俺に代わって、ガイが笑いながら槍でトドメを刺して、赤い宝箱を出現させた。
これだけ時間をかけて、ただのモンスターだったらオヤジ達は許されない。
「んっ? おい、他のモンスターも消えていくぞ」
「へぇー、これは楽になるな」
骸骨双剣士を倒すと、他のモンスターも一緒に消え始めた。
これで安全に動けると数人が喜んでいたが、逆にロビンが注意を呼びかけている。
「むしろ警戒した方がいいです。49階と一緒なら本体が現れます」
「だったら、ヤバイな。二千匹に囲まれたら一瞬で終わりだ!」
そんなに危ないなら、さっさと結界に守られた階段に避難するに決まっている。
メルに宝箱を開けさせて、中身を回収すると、階段を封鎖しているオヤジ達六人と合流した。
ロビンが警戒する本体はまだ現れないが、現れてほしいヤツはいないだろう。
「私達は五階の開かずの扉を見てきます。安全な階段で待機していてください」
「その必要はない。俺達もこのまま付いていく。一番乗りは譲らない」
「じゃあ、俺達は帰るから頑張れよ」
「……」
ヴァン達とクォーク達は、このまま五階に行くようだ。
やる気と元気に満ちているが、悪いが俺は空気を読むつもりはない。
予定通り、ここで抜けさせてもらう。
安全第一で、機会があれば、腕輪獲得後に参加させてもらう。
「そうですか。では、気をつけてください。誰かに襲われて、寄付を台無しにしないでくださいよ」
「ああ、大丈夫だ。ダンジョンは広いから上手く逃げ回るよ」
「おい、これだけ寄付させて、都合が良すぎるんじゃないのか! ちょっとぐらい手伝え——」
誰も引き止める気がないようだ。階段でロビン達と素早く分かれた。
何かアレンが叫んでいたような気もするが、気にせずに一階の玄関ホールを目指そう。
「って⁉︎ 全員行ったのかよ。団体行動が好きだな」
「あうっ」
後ろを振り返って見ると、メル以外は誰もいなかった。
オヤジ達は付いてくると思ったのに、全員が五階に行ったようだ。
二十人で頑張っても、腕輪は一人分しかないから取り合いになるだけだろうに。
「よし、到着」
モンスターがいなくなったので、玄関ホールまで余裕で行けた。
この後は40階のミノタウロスを倒しまくって、赤魔石を集めまくる。
それを一階にいる冒険者に頼んで換金してもらい、その金で進化に必要な素材を購入する。
チマチマと宝箱を探すよりは、こっちの方が早いはずだ。
神金剛石を集めようにも、最近俺達が取ったばかりだから、復活するまで手に入らない。
「これを使うのは、他の素材が手に入った後だな」
手に入れた七個の殺生白珠は、まだメルには使わない。鞄の中に保管しておく。
万が一の危機的状況が訪れた時、俺に使わないと助からない。
「さてと、小船で一気に40階まで行くからな」
「あうっ」
玄関ホールに二人乗り用の短い小船を作った。俺が前に乗って、後ろにメルを乗せた。
ヴァン達が腕輪は手に入れるか、確かめた後でもいいが、大勢の人間と荷物を運ぶのは疲れる。
乗せてくれと頼まれる前に出発だ。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
辺境の契約魔法師~スキルと知識で異世界改革~
有雲相三
ファンタジー
前世の知識を保持したまま転生した主人公。彼はアルフォンス=テイルフィラーと名付けられ、辺境伯の孫として生まれる。彼の父フィリップは辺境伯家の長男ではあるものの、魔法の才に恵まれず、弟ガリウスに家督を奪われようとしていた。そんな時、アルフォンスに多彩なスキルが宿っていることが発覚し、事態が大きく揺れ動く。己の利権保守の為にガリウスを推す貴族達。逆境の中、果たして主人公は父を当主に押し上げることは出来るのか。
主人公、アルフォンス=テイルフィラー。この世界で唯一の契約魔法師として、後に世界に名を馳せる一人の男の物語である。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
視力0.01の転生重弩使い 『なんも見えんけど多分味方じゃないからヨシッ!』
ふつうのにーちゃん
ファンタジー
転生者グレイボーンは、前世でシュールな死に方をしてしまったがあまりに神に気に入られ、【重弩使い】のギフトを与えられた。
しかしその神は実のところ、人の運命を弄ぶ邪神だった。
確かに重弩使いとして破格の才能を持って生まれたが、彼は『10cm先までしかまともに見えない』という、台無しのハンデを抱えていた。
それから時が流れ、彼が15歳を迎えると、父が死病を患い、男と蒸発した母が帰ってきた。
異父兄妹のリチェルと共に。
彼はリチェルを嫌うが、結局は母の代わりに面倒を見ることになった。
ところがしばらくしたある日、リチェルが失踪してしまう。
妹に愛情を懐き始めていたグレイボーンは深い衝撃を受けた。
だが皮肉にもその衝撃がきっかけとなり、彼は前世の記憶を取り戻すことになる。
決意したグレイボーンは、父から規格外の重弩《アーバレスト》を受け継いだ。
彼はそれを抱えて、リチェルが入り込んだという魔物の領域に踏み込む。
リチェルを救い、これからは良い兄となるために。
「たぶん人じゃないヨシッッ!!」
当たれば一撃必殺。
ただし、彼の目には、それが魔物か人かはわからない。
勘で必殺の弩を放つ超危険人物にして、空気の読めないシスコン兄の誕生だった。
毎日2~3話投稿。なろうとカクヨムでも公開しています。
異世界の約束:追放者の再興〜外れギフト【光】を授り侯爵家を追い出されたけど本当はチート持ちなので幸せに生きて見返してやります!〜
KeyBow
ファンタジー
主人公の井野口 孝志は交通事故により死亡し、異世界へ転生した。
そこは剣と魔法の王道的なファンタジー世界。
転生した先は侯爵家の子息。
妾の子として家督相続とは無縁のはずだったが、兄の全てが事故により死亡し嫡男に。
女神により魔王討伐を受ける者は記憶を持ったまま転生させる事が出来ると言われ、主人公はゲームで遊んだ世界に転生した。
ゲームと言ってもその世界を模したゲームで、手を打たなければこうなる【if】の世界だった。
理不尽な死を迎えるモブ以下のヒロインを救いたく、転生した先で14歳の時にギフトを得られる信託の儀の後に追放されるが、その時に備えストーリーを変えてしまう。
メイヤと言うゲームでは犯され、絶望から自殺した少女をそのルートから外す事を幼少期より決めていた。
しかしそう簡単な話ではない。
女神の意図とは違う生き様と、ゲームで救えなかった少女を救う。
2人で逃げて何処かで畑でも耕しながら生きようとしていたが、計画が狂い何故か闘技場でハッスルする未来が待ち受けているとは物語がスタートした時はまだ知らない・・・
多くの者と出会い、誤解されたり頼られたり、理不尽な目に遭ったりと、平穏な生活を求める主人公の思いとは裏腹に波乱万丈な未来が待ち受けている。
しかし、主人公補正からかメインストリートから逃げられない予感。
信託の儀の後に侯爵家から追放されるところから物語はスタートする。
いつしか追放した侯爵家にザマアをし、経済的にも見返し謝罪させる事を当面の目標とする事へと、物語の早々に変化していく。
孤児達と出会い自活と脱却を手伝ったりお人好しだ。
また、貴族ではあるが、多くの貴族が好んでするが自分は奴隷を性的に抱かないとのポリシーが行動に規制を掛ける。
果たして幸せを掴む事が出来るのか?魔王討伐から逃げられるのか?・・・
【R18】異世界魔剣士のハーレム冒険譚~病弱青年は転生し、極上の冒険と性活を目指す~
泰雅
ファンタジー
病弱ひ弱な青年「青峰レオ」は、その悲惨な人生を女神に同情され、異世界に転生することに。
女神曰く、異世界で人生をしっかり楽しめということらしいが、何か裏がある予感も。
そんなことはお構いなしに才覚溢れる冒険者となり、女の子とお近づきになりまくる状況に。
冒険もエロも楽しみたい人向け、大人の異世界転生冒険活劇始まります。
・【♡(お相手の名前)】はとりあえずエロイことしています。悪しからず。
・【☆】は挿絵があります。AI生成なので細部などの再現は甘いですが、キャラクターのイメージをお楽しみください。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体・思想・名称などとは一切関係ありません。
※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
※この物語のえちちなシーンがある登場人物は全員18歳以上の設定です。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
なぜかクセすご美少女たちに振り回されている俺は本の物語に出てくる武器を具現化する能力で無双する!!
浅羽ふゆ
ファンタジー
【男性向けHOTランキング最高9位記録】なんやかんやあって美少女たちに振り回される毎日を送るケイタ。
じつはけっこう強かった。というよりかなり強かった。
しかし、なぜかなかなかその実力を発揮しきれない。
その理由は……美少女たちのクセがすごすぎたからである!
それでもケイタはめげません。なぜならーーーー。
この生活、けっこう悪くないんですよね!!
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる