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第三章:魔人編
第98話 石火
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溜めた魔力で地面の黒壁全部を、俺に向かって飛ばそうとしたが、それは無駄になりそうだ。
代わりに、41階の階段を見えなくしている、邪魔な黒壁を真横に飛ばした。
ひらけた視界に、アレンに両手を縛られ、連行されているメルを見つけた。
「あの変態め……」
「お前ら、早く武器を捨てろ! この女の髪を全部切って、町中を歩けないようにしてやるぞ!」
「嫌ぁ! やめてぇ!」
馬鹿な脅し文句だが、髪は女の命だと聞いた事がある。
アレンの脅迫に、メルはジタバタと必死の抵抗を見せている。
だけど、自力で逃げるのは不可能みたいだ。首根っこを掴まれている。
「くっ……」
何とかして俺が助けないといけないが、まずは俺を助けてほしい。だが、そんな時間はない。
アレンが左手でメルの前髪を掴んで、右手の剣をオデコに当てて言ってきた。
「早く武器を捨てろよ! 前髪だけ短くするぞ。お前もジッとしてないと、皮ごと切るからな!」
「ひぃっ‼︎」
俺よりも先にあの凶悪変質者を捕まえた方が良いと思うが、誰もそのつもりはないようだ。
俺と同じで誰も動かない。だけど、説得する気はあるようだ。
「アレン、無駄だ。コイツは悪い何かに操られている。人質なんて効かない」
「何言ってんですか! そんなの嘘に決まっているでしょ!」
ガイが俺の状況を説明してくれたが、アレンはまったく信じていない。
まあ、これが普通の反応だ。信じる方が馬鹿だ。
「おい、早く土下座しろ。この可愛い指を一本ずつへし折るぞ。3、2——」
「隊長ぉー! 助けてぇ!」
「やめろ、アレン。冗談にしてもやり過ぎだ」
「それは俺の台詞ですよ! 俺、ソイツに殺されそうになったんですよ!」
「気持ちは分かるが、本当に操られていたのなら仕方ないだろう。無関係の子供を傷つけるな」
多分、隊長違いだが、メルに助けを求められて、ヴァンが止めようとしている。
メルには悪いが状況が最悪すぎて、俺にはどう動けばいいのか分からない。
俺の中では『人質は気にせずに、一人で逃げるんだ』が正解だと思っている。
その結果、髪を切られて、指を折られるけど、それ以上酷い事はされないはずだ。
俺は逃げられ、メルは町に帰れる。結果だけを見れば、最善の手だと評価できる。
「隊長まで何言ってんですか! コイツら、仲間に決まっているでしょ! 俺が押さえている間に倒しちゃってくださいよ!」
「チッ!」
やっぱり、これ以上の良い手を考える時間はなさそうだ。ヴァンとガイが動く前に俺が動いた。
アレンに向かって、ダァンと力強く一歩を踏み出すと、そのまま向かっていく。
指が折られる前には無理だが、二本目が折られる前には助けてやる。
「ちょっ⁉︎ 人質がどうなっても——」
「アレン! 右に避けろ!」
「はい?」
人質を盾にして動揺するアレンを無視して突っ込んでいく。
コイツは口だけだから、子供の指を折るような残酷な事は出来ない。
だけど、後ろから、酷く焦っているようなヴァンの声が聞こえてきた。
ビューン——
「しまった……!」
俺とした事が完全に油断していた。
あの金髪がこんな美味しいところを狙わないわけない。
飛んでくる気配を感じて、背後を振り返ろうとしたが遅かった。
ドスッ! 左胸を何かが貫いていった。
そして、走っている勢いのまま地面に転がり倒された。
「うぐっ……!」
激痛とは言わないが、胸に空いた穴から赤い血がドクドクと流れていく。
こんな時、ゾンビで良かったと思う。普通は心臓がやられたら死んでいる。
「うわぁー⁉︎ こ、これ、俺じゃないですからね‼︎」
「馬鹿野郎! 何故、避けなかった!」
「何を言っている……」
騒がしい声に顔を上げて、何とか前を見てみた。
そこには地面に倒れているアレンと、アレンに抱き抱えられている血塗れのメルがいた。
メルの右胸からはドクドクと血が溢れている。
「メル……?」
理解は出来ないが、俺への攻撃が貫通して、メルまで届いていた。
この状況はそうとしか思えない。
「俺の所為じゃないですよ! これ、どうするんですか⁉︎ 死にますよ!」
「だったら、急げ! ホールドとリュドの二人に治療させる!」
「そんなの無理ですよ! 魔石で肉とか肺とか作れるんですか!」
「うるさい! お前が避けないからだ! さっさと回復薬を持って来い!」
アレンとガイの大声がうるさくて、静かに死ねそうにもない。
ロビンは後で殺すのは決定だが、今はその前にやる事がある。
ちょうどいい具合に血も流れているし、全部流れる前に有効利用してやる。
「あぁ……くそ……」
剣をギュッと握り締めると、ゆっくりと立ち上がった。
痛みはあるが、意識はハッキリしている。まだ動けそうだ。
「ほぉー、その状態で死なないとは、やはりモンスターにでも取り憑かれていたようだな」
「ふぅー……お前を殺すのは後にしてやる」
だけど、動けたところで、メルを奪い取るのは難しいだろう。
槍使いは大人しく渡すつもりはないようだ。
そして、俺も優しく奪い取るつもりはない。
身体から無限に作り出される魔力の圧縮を始めた。コイツ相手に下手な小細工は通用しない。
戦士として俺よりも強いと認めてやる。だから、魔力の暴力で倒すしかない。
魔力を圧縮しては、新しく作り出される魔力を再び圧縮していく。
必要なもの以外は全部失ってもいい。
「……ようやく本気になるか。ちょうどいい、俺もイラついていたところだ」
ただ意識すればいい。俺の身体は岩で出来ている。血の一滴まで岩で出来ている。
動かすんじゃない。操ればいい。それが出来れば前よりも速く強く動ける。
両手両足の圧縮した魔力を解放すると、大きな一歩を踏み出し、槍使いの胴体に剣を薙ぎ払った。
ヒュッ——
「ぐっ……!」
ギィン‼︎ 槍の赤い柄と剣の黒い刃が激しく擦れ合って、火花が飛び散った。
反応できない速さで切ったつもりなのに、まだ足りない。
「やるな!」
「……」
見える。
石突き払い右足脛打ち、槍先振り下ろし左胸刺し、槍先引き突き出し左胸刺し、間合いを取っての槍先回転払い喉切り、槍先振り下ろし脳天砕き——
ガガガガガガガッッ‼︎
「ぐっ……!」
「くっ……!」
ガイの嵐のような乱撃を剣で受けるたびに、手足にヒビが入り、赤い火の粉が身体から舞い散る。
反応も攻撃も防御も出来ているが、お互いの攻撃を防ぎ合うだけだ。
この身体で長く戦えないのは分かっている。
強すぎる魔力の所為で、身体の内側から石化した身体が燃やされ壊されていく。
これでは、石化というよりも石火に近い。
早く決着をつけないと、全身が燃え尽きて、灰のように砕けて死ぬだけだ。
「はぁ、はぁ、命を燃やす諸刃の剣か……その力で何故逃げない?」
少しは体力が落ちてきたようだ。
地面に倒れているメルを庇うように、ガイが聞いてきた。
「俺の力なら、その子供を助けられる。渡せ」
「そういう事か……断る。怪物になってまで生きたとは思わない」
時間がないから言ってみたが、大人しく渡すつもりはないようだ。
それに加勢が来ない。何故かロビンの方に集まっている。
今やる事じゃないが、メルを射ったのを責められているのだろう。
「それを決めるのはお前じゃない。助けた後に死にたいようなら殺してやるよ」
「傲慢だな。神にでもなったつもりか? 何でも出来ると思っているなら、俺を倒して連れていけ」
「はぁ……話し合いのチャンスは与えた。断ったのはお前だ。愚かな選択を後悔しろ」
時間がないのは俺だけじゃない。メルも時間がない。
説得が無理なら、どんな手段を使っても連れていくだけだ。
ドゴォン!
「何を……!」
踏み込むと同時に、左足に集めた魔力でメルの身体を岩塊で包み込んだ。
そして、岩塊を階段に向かって発射した。悪いが優しく運んでいる余裕はない。
「動くな! 中身をグチャグチャに押し潰すぞ!」
「くっ、この卑怯者が!」
「正解だよ!」
ザァン‼︎ 動こうとしたガイの身体を脅迫で僅かに止めると、その左足に即座に剣を振り下ろした。
膝下から切断されて、ガイの身体が傾いていく。戦場では優しさは捨てた方がいい。
命取りになるだけだ。
代わりに、41階の階段を見えなくしている、邪魔な黒壁を真横に飛ばした。
ひらけた視界に、アレンに両手を縛られ、連行されているメルを見つけた。
「あの変態め……」
「お前ら、早く武器を捨てろ! この女の髪を全部切って、町中を歩けないようにしてやるぞ!」
「嫌ぁ! やめてぇ!」
馬鹿な脅し文句だが、髪は女の命だと聞いた事がある。
アレンの脅迫に、メルはジタバタと必死の抵抗を見せている。
だけど、自力で逃げるのは不可能みたいだ。首根っこを掴まれている。
「くっ……」
何とかして俺が助けないといけないが、まずは俺を助けてほしい。だが、そんな時間はない。
アレンが左手でメルの前髪を掴んで、右手の剣をオデコに当てて言ってきた。
「早く武器を捨てろよ! 前髪だけ短くするぞ。お前もジッとしてないと、皮ごと切るからな!」
「ひぃっ‼︎」
俺よりも先にあの凶悪変質者を捕まえた方が良いと思うが、誰もそのつもりはないようだ。
俺と同じで誰も動かない。だけど、説得する気はあるようだ。
「アレン、無駄だ。コイツは悪い何かに操られている。人質なんて効かない」
「何言ってんですか! そんなの嘘に決まっているでしょ!」
ガイが俺の状況を説明してくれたが、アレンはまったく信じていない。
まあ、これが普通の反応だ。信じる方が馬鹿だ。
「おい、早く土下座しろ。この可愛い指を一本ずつへし折るぞ。3、2——」
「隊長ぉー! 助けてぇ!」
「やめろ、アレン。冗談にしてもやり過ぎだ」
「それは俺の台詞ですよ! 俺、ソイツに殺されそうになったんですよ!」
「気持ちは分かるが、本当に操られていたのなら仕方ないだろう。無関係の子供を傷つけるな」
多分、隊長違いだが、メルに助けを求められて、ヴァンが止めようとしている。
メルには悪いが状況が最悪すぎて、俺にはどう動けばいいのか分からない。
俺の中では『人質は気にせずに、一人で逃げるんだ』が正解だと思っている。
その結果、髪を切られて、指を折られるけど、それ以上酷い事はされないはずだ。
俺は逃げられ、メルは町に帰れる。結果だけを見れば、最善の手だと評価できる。
「隊長まで何言ってんですか! コイツら、仲間に決まっているでしょ! 俺が押さえている間に倒しちゃってくださいよ!」
「チッ!」
やっぱり、これ以上の良い手を考える時間はなさそうだ。ヴァンとガイが動く前に俺が動いた。
アレンに向かって、ダァンと力強く一歩を踏み出すと、そのまま向かっていく。
指が折られる前には無理だが、二本目が折られる前には助けてやる。
「ちょっ⁉︎ 人質がどうなっても——」
「アレン! 右に避けろ!」
「はい?」
人質を盾にして動揺するアレンを無視して突っ込んでいく。
コイツは口だけだから、子供の指を折るような残酷な事は出来ない。
だけど、後ろから、酷く焦っているようなヴァンの声が聞こえてきた。
ビューン——
「しまった……!」
俺とした事が完全に油断していた。
あの金髪がこんな美味しいところを狙わないわけない。
飛んでくる気配を感じて、背後を振り返ろうとしたが遅かった。
ドスッ! 左胸を何かが貫いていった。
そして、走っている勢いのまま地面に転がり倒された。
「うぐっ……!」
激痛とは言わないが、胸に空いた穴から赤い血がドクドクと流れていく。
こんな時、ゾンビで良かったと思う。普通は心臓がやられたら死んでいる。
「うわぁー⁉︎ こ、これ、俺じゃないですからね‼︎」
「馬鹿野郎! 何故、避けなかった!」
「何を言っている……」
騒がしい声に顔を上げて、何とか前を見てみた。
そこには地面に倒れているアレンと、アレンに抱き抱えられている血塗れのメルがいた。
メルの右胸からはドクドクと血が溢れている。
「メル……?」
理解は出来ないが、俺への攻撃が貫通して、メルまで届いていた。
この状況はそうとしか思えない。
「俺の所為じゃないですよ! これ、どうするんですか⁉︎ 死にますよ!」
「だったら、急げ! ホールドとリュドの二人に治療させる!」
「そんなの無理ですよ! 魔石で肉とか肺とか作れるんですか!」
「うるさい! お前が避けないからだ! さっさと回復薬を持って来い!」
アレンとガイの大声がうるさくて、静かに死ねそうにもない。
ロビンは後で殺すのは決定だが、今はその前にやる事がある。
ちょうどいい具合に血も流れているし、全部流れる前に有効利用してやる。
「あぁ……くそ……」
剣をギュッと握り締めると、ゆっくりと立ち上がった。
痛みはあるが、意識はハッキリしている。まだ動けそうだ。
「ほぉー、その状態で死なないとは、やはりモンスターにでも取り憑かれていたようだな」
「ふぅー……お前を殺すのは後にしてやる」
だけど、動けたところで、メルを奪い取るのは難しいだろう。
槍使いは大人しく渡すつもりはないようだ。
そして、俺も優しく奪い取るつもりはない。
身体から無限に作り出される魔力の圧縮を始めた。コイツ相手に下手な小細工は通用しない。
戦士として俺よりも強いと認めてやる。だから、魔力の暴力で倒すしかない。
魔力を圧縮しては、新しく作り出される魔力を再び圧縮していく。
必要なもの以外は全部失ってもいい。
「……ようやく本気になるか。ちょうどいい、俺もイラついていたところだ」
ただ意識すればいい。俺の身体は岩で出来ている。血の一滴まで岩で出来ている。
動かすんじゃない。操ればいい。それが出来れば前よりも速く強く動ける。
両手両足の圧縮した魔力を解放すると、大きな一歩を踏み出し、槍使いの胴体に剣を薙ぎ払った。
ヒュッ——
「ぐっ……!」
ギィン‼︎ 槍の赤い柄と剣の黒い刃が激しく擦れ合って、火花が飛び散った。
反応できない速さで切ったつもりなのに、まだ足りない。
「やるな!」
「……」
見える。
石突き払い右足脛打ち、槍先振り下ろし左胸刺し、槍先引き突き出し左胸刺し、間合いを取っての槍先回転払い喉切り、槍先振り下ろし脳天砕き——
ガガガガガガガッッ‼︎
「ぐっ……!」
「くっ……!」
ガイの嵐のような乱撃を剣で受けるたびに、手足にヒビが入り、赤い火の粉が身体から舞い散る。
反応も攻撃も防御も出来ているが、お互いの攻撃を防ぎ合うだけだ。
この身体で長く戦えないのは分かっている。
強すぎる魔力の所為で、身体の内側から石化した身体が燃やされ壊されていく。
これでは、石化というよりも石火に近い。
早く決着をつけないと、全身が燃え尽きて、灰のように砕けて死ぬだけだ。
「はぁ、はぁ、命を燃やす諸刃の剣か……その力で何故逃げない?」
少しは体力が落ちてきたようだ。
地面に倒れているメルを庇うように、ガイが聞いてきた。
「俺の力なら、その子供を助けられる。渡せ」
「そういう事か……断る。怪物になってまで生きたとは思わない」
時間がないから言ってみたが、大人しく渡すつもりはないようだ。
それに加勢が来ない。何故かロビンの方に集まっている。
今やる事じゃないが、メルを射ったのを責められているのだろう。
「それを決めるのはお前じゃない。助けた後に死にたいようなら殺してやるよ」
「傲慢だな。神にでもなったつもりか? 何でも出来ると思っているなら、俺を倒して連れていけ」
「はぁ……話し合いのチャンスは与えた。断ったのはお前だ。愚かな選択を後悔しろ」
時間がないのは俺だけじゃない。メルも時間がない。
説得が無理なら、どんな手段を使っても連れていくだけだ。
ドゴォン!
「何を……!」
踏み込むと同時に、左足に集めた魔力でメルの身体を岩塊で包み込んだ。
そして、岩塊を階段に向かって発射した。悪いが優しく運んでいる余裕はない。
「動くな! 中身をグチャグチャに押し潰すぞ!」
「くっ、この卑怯者が!」
「正解だよ!」
ザァン‼︎ 動こうとしたガイの身体を脅迫で僅かに止めると、その左足に即座に剣を振り下ろした。
膝下から切断されて、ガイの身体が傾いていく。戦場では優しさは捨てた方がいい。
命取りになるだけだ。
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