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フィオナ編

第38話 亡者

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 夜の草原に剣を右手に握って立っていると、そういえば夜に戦うのが初めてだという事に気付きました。街の灯りがあるので多少は見えますが、少し街から離れると、あとは月明かりを頼りにモンスターを探すしかありません。探しているモンスターの正式な名前はゾンビではなく、彷徨う亡者(さまようもうじゃ)です。倒しても倒しても、次の日の夜には平然と現れます。亡者の心残りを解決しない事には成仏出来ないと、神都の神官達は言いますが、モンスターを倒しても本当の意味では消えない事は周知の事実です。亡者をモンスターと見るか、人と見るかの違いでした。

 ラン「あぁ~(´Д` )やだなぁ~。だってゾンビだよ!触ったらヌルヌル、ベタベタしてそうで気持ち悪いでしょう。ゴム手袋しないと触れないよぉ~(泣)!」と現れたゾンビモンスターは『ゔぅぅ~~』と唸りながらペタペタと歩いて来ます。しかも、何匹もいっぺんに向かって来ます。余程、襲う相手がいないのでしょう。私達以外にはゾンビが徘徊する街の外には出ていないようです。

 クロエ「ねぇ(´Д` )思ったんだけど、夜は変装しなくていいんじゃない?誰も見てないと思うし……。」とすぐに却下されました。油断していると見つかるらしいです。でも夜は人混みも少しは減りますが、それでも身を隠すには十分な人がいます。少し慎重になり過ぎです。

 ラン「(-_-)💬(あなたは大丈夫かもしないけど、私が駄目なのよ。この街で10人以上の子供達を誘拐したから、私をしつこく探している人もいるのよ。)」と協力者にならない人もいます。過去に犯した過ちを償うチャンスがもらえる方が珍しいのです。現在、彼女の協力者は50人を超えています。計画を立てて準備するまでには多少の時間が必要でした。それもあと少しで終わりです。囚われた全ての女性達が解放されるのです!

 クロエ「ʕ⁎̯͡⁎ʔ༄数が多いから速さの指輪2個で、まずは数を減らすわよ!ランも盗みながら倒しなさいよ!」とこの女は言わないとやらないから面倒ですが、そこそこの戦闘の腕もあるので安心して任せられます。向かって来るゾンビの手足や首を斬り飛ばしますが倒れません。足を失っても、首が無くなっても、真っ直ぐに向かって来ます。

 クロエ「(`∇´)何で倒せないのよ(無敵なの)!」

 ラン「あぁ~(*^o^*)それはね!武器に聖水をかけてないからだよ!ゾンビ系のモンスターには聖水を使わないと倒せないから。」とそれは戦闘の前に言わないといけない事です!自分の武器にはしっかりと風の精から盗んだ聖水を使用しています。

 ラン『(OvO)ハァッ(短剣二刀流・四連斬り)』『ズゥババババ(直撃)‼︎』

 ゾンビ『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ゔぅぅ~~(胴体・滅多斬り)‼︎』『♬チャリンチャリン(66ゴールド)』

 ラン「ふぅε-(´∀`; )こんな感じで倒せるから、クロエも頑張って倒しなさいよ!それと風の精と違って、無駄にタフだから連続攻撃を意識した方が倒しやすいわよ!」
  
 クロエ「はいはい、分かりましたよ。(-_-;)💬(意外と戦闘経験が豊富みたいだけど頼りないのよね。)」と鉄の剣に聖水の入った小瓶から、聖水をかけていきます。今度はちゃんと倒せるはずです。

 ゾンビ『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ゔぅぅ~~(助けて)』

 クロエ『(`0`)ハァ~~(鉄の剣・振り下ろし)』『ズゥバァ(直撃)!』

 ゾンビ『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ゔぅぅ~~(頭部・大損傷)!』『(´༎ຶོρ༎ຶོ`)ゔぅぅ~~(痛いよう)』と一撃では倒せないようです。やはり言われた通りに連続攻撃した方が効果的のようです。

 クロエ「はぁはぁ(>_>)スピードをコントロール出来るようになれば、指輪2個でも平気なようだけど、まだまだ駄目ね!」と力を入れ過ぎると簡単にトップスピードが出せるので体力の消費が激しいです。コイツらは考えなしに向かって来るので練習台にはピッタリの相手でした。
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