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カイル編

第30話 神都潜入

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 ボウガン使いのトレバーさんが戻って来たのは、翌日の朝だった。先に潜入していた諜報員の話では、誘拐した女性も借金の肩に連れて来た女性も関係なく一箇所に集められているようです。ある年齢まではそこに置いていて、20歳を過ぎた女性を各地の支部に派遣しているようです。組長の指示で女性達は全て保護して、組織の関係者や利用者の名簿を入手するように言われているようです。おそらくは証人と証拠を押さえて、脅迫する道具に使うのでしょう。

 トレバー「ふぅわぁ~(´-`).。oOちょっと寝るから、その間に神都に移動してくれ。襲撃は今夜の夜に行なう予定だ。客が多く利用する時間を狙う事で人質と用心棒の守りを分散させる事が出来る。建物の中には50~100人以上の女達がいると思われているが、用心棒の数は20人以下しかいない。万が一に襲撃された時は神都から応援の用心棒が30人は来るらしいから、こっちも戦力を分散しないといけない。まあ、その辺の説明は神都組に任せるから、さっさと寝させろ!」と布団も敷いていない港街の宿屋の床(木材)に寝転びました。旅行者が多いので家具などは置かないようにしているらしいです。手癖の悪い旅行者もいるらしく、部屋の中には何も置かれていません。

 イアン「じゃあ(-_-)先に行くけど、寝坊して遅れんじゃないぞ!戦力が1人少ないだけで計画に変更が起きるんだからな。」ともう寝ているのか返事がありません。100人以上の女性をどうやって連れ去るのか、その方法が気になりますが、神都組と呼ばれる人達が説明してくれるはずです。

        🔖

 港街からは何十台もある大型の16人乗りの馬車が、朝から夕方まで神都との間を行き来しています。夜間は馬を休める為と道にゾンビ系のモンスターが出現するのが原因でした。噛まれた馬が凶暴化するので、無理して走らせても損するだけだそうです。馬車を操縦する御者(ぎょしゃ)のおじさんの話が終わる頃には神都に到着しました。

 ラルフ「おぉ~(*⁰▿⁰*)これが神都!まるで巨大なお城みたいだなぁ~!」とウエディングケーキのように街の中央に向かって街の建物が高く伸びていきます。

 イアン「まずは(-_-)神殿で魂を変えてもらうぞ!すぐには効果は現れないが、今やっとかないと今日の夜にはこの大陸から脱出するんだから、チャンスは今しかないぞ!」と神殿は街の中央にある1番高い塔にあるらしく。その場所の力を借りる事で魂の形を変える事が出来るらしいです。

 カイル「ラルフ君(*'▽'*)僕は戦士を選ぶよ!魔法使いは強そうだけど、僕はお金をいっぱい稼がないといけないから、使用回数が限られている魔法よりも、長期戦向きの戦士の方が良いと思うんだよ!ラルフ君はどうするの?」

 ラルフ「俺も(^o^)戦士を選ぶよ!流石に背が低くなるとか、弱くなるのは嫌だからな。やっぱり男は頭よりも身体で勝負だろ!」となんとなく意味は分かりました。神殿の中に入ると青白く光る大きな石版の前で神官服を着たおじいさんが立っていました。僕の前の人の身体がちょっと光ると儀式が終わったようです。

 カイル「(^_^;)よろしくお願いします。」

 大神官「(-_-)うむ。」と僕の身体が光ったと思ったら終わりました。身体が熱くなったり、痛みもありません。まあ、タダで受けられる儀式なので、こんなものかもしれません。ラルフ君の儀式が終わったので、外で待っているイアンさんと合流して、神都組が集まっている建物に向かう事になりました。
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