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第6話 カティナ

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 街に到着した僕達だったけど、僕はラルフ君によって無理矢理に家まで送られて自分の部屋で休む事になった。僕は2人でミレイお姉さんとお母さんに謝りに行くつもりだったけど、今後の事を考えて行動しろと言われたら、ベットの上で横になるしかありませんでした。

        🔖

 ラルフ「(;´д`)💬(こんな時、冷静に判断できる2人が揃っていない。カイルは怪我と罪悪感でまともに頭が動いてないし、まずはフィオナ姉ちゃんが誘拐されたのを1番に知らせないとマズイのは母ちゃんだな!ミレイ姉ちゃんとは会えないから、知らせなければ分からないけど、知らせたら心配させるだけで、何の解決にもならないし、あぁ~色々と考えるよりもフィオナ姉ちゃんの家に行かないとな!」とまずは娘が家に帰らないと母親なら心配するはず、事情を知らせるのと、遠くに住んでいるおばあちゃんと妹に危険を教えてあげる必要もありました。両足は疲労で歩くたびに痛みを感じますが、カイルに比べれば、薬草を使うだけで明日にも回復する程度の軽いものです。今はフィオナの家に行くのが先でした。

        🔖

 ラルフ「(・・?)誰か居るみたい⁈」とフィオナ姉ちゃんの家に着いたらガサゴソと人が動く音が聞こえて来た。あの2人かもしれない‼︎と一瞬思ってしまったが、そんなはずはない。もしかしたらフィオナ姉ちゃんが男達から逃げて家の中にいるかもしれない。そんな事もありえない。やっぱりフィオナ姉ちゃんの母ちゃんが居るんだろうな。家の扉をノックする事がとてつもなく怖かった。本当に怖いのは今日の最悪の出来事を母親に話す事なのに……。

 『♬コンコン、コンコン(扉をノック)』

 ?「はい⁉︎」と女性の声が中から聞こえて来た。やっぱりフィオナ姉ちゃんじゃない。木の扉が内側に向かって開いて行くと、目の前にはまだ30歳後半になったばかりの綺麗なおばさんが立っていた。髪の色は栗色で瞳は茶色、どう見てもフィオナとミレイの母親だった。肩まで届くミディアムヘアを全体的にウェーブ(波立たせる)させていた。

 ラルフ「(-_-;)すみません、こんな時間に。……フィオナ姉ちゃんのお母さんですか?」と緊張して何を喋っていいのか分からないけど、まずは挨拶しないと始まらないよな!

 ?「あぁ~(*'▽'*)もしかして、最近、フィオナが話してくれているカイル君?初めまして、私がミレイとフィオナの母親のカティナよ。どうぞ上がって頂戴♬フィオナはまだ帰ってないけど、いつもなら6時過ぎには帰って来るから、それまでゆっくりしていってね!」と俺をカイルと勘違いしているようだけど、まったく知らない人から突然、言われるよりはマシだよな。

 ラルフ「(-_-)すみません、俺はカイルじゃなくて、ラルフと言います。カイルは今は怪我していて、俺が無理矢理に家に休ませて来ました。今日、ここに来たのはフィオナ姉ちゃんの事で話さないといけない事があって来ました!」

 カティナ「そう(-_-;)何かあったのね?正直に言って、覚悟は出来ているから。あの子は隠していたようだけど、家の中のガラクタや擦り傷を毎日作って帰って来たら、親なら分かるわ!言ってみて?」と俺は今日はカイルの代わりに来たんだ!アイツなら殴られるようと罵られようと全部言うだろう。俺も隠さずに言ってやる。

 ラルフ「実は………」とモンスターを倒していた事、フィオナ姉ちゃんが拐われた事、狙われた理由が父親の借金だった事、おばあちゃんと妹に危害を加えると脅して、フィオナ姉ちゃんに言う事を聞かせたこと事、知っている事は全て話しました。カイルが重傷で倒れていた状態で必死で手に入れた情報も、もちろん入っています。全てを黙って聞いてくれたカティナおばさんは、静かに立って部屋の右端にある小さな机の引き出しから、フィオナ姉ちゃんが書いた手紙を持って来ました。何通もの手紙の中から『カイル』『ラルフ』と名前が書かれた手紙を渡してくれました。

 カティナ「ミレイには黙っていなさい。私が直接伝えたいから、それと娘に代わって、お詫びします。私達、家族の問題にはこれ以上関わらないで、子供らしく楽しく幸せに暮らしなさい。本当にごめんなさいね。」と涙も笑顔も見せません。ただ、ただ起こった出来事を淡々と受け入れているように思えました。でも、どうしても聞きたい事がありました。

 ラルフ「(-_-;)フィオナ姉ちゃんが連れて行かれた場所に心当たりはありませんか?父親が逃げた場所が分かればそこに連れて行かれたと思うんです。どんな事でもいい」

 カティナ「ごめんなさいね。あの娘にもう父親はいないの。いたとしても、何処にいるのか分からないわ。さあ、もう遅いから早く帰りなさい!」と家を追い出されるように出ることになりましたが、ドアが閉まると、家の中から、微かな女性の泣き声が聞こえて来ました。カイルの名前が書かれた手紙をしっかりと持って、その場を急いで離れました。
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