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公園不倫デビュー

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 妻の眞鍋真由子まなべまゆことは大学の新入生歓迎コンパで知り合って、その日の内に肉体関係を持つ事になった。酒も飲んでいないのに、あの頃の私は誰彼構わずに女性を誘っていた事を思い出しては、我ながら恥ずかしくなるものだ。

 真由子は田舎から上京したばかりのいかにもウブな見た目の少女だった。背中まで伸びたストレートの黒髪に、眼鏡をかけて、身体の線は細く、病弱な妹的なその姿は見ているだけで思わず守って上げたくなる気持ちにさせられた。

 だが、そんな見た目に反して彼女は処女ではなかった。逆に私よりも経験豊富な大人の女性だったのかもしれない。その頃から私は彼女を真の意味で満足させられたという実感が持てなかった。それは今でも同じかもしれない。

 今日、私は真由子に私の子供を妊娠した事を告げられた。そして、彼女と結婚する事を決めた最大の理由がそれだった。彼女は私に嘘をついている。私にとっては幸福にも不幸にもなりえる嘘である。

(彼女が私の子供を妊娠する事は。)

 ❇︎

 真由子と結婚する前の私は、結婚を前提に付き合っていた女性がいた。取引先の社長の娘であった。上手くいけば逆玉、将来は社長という夢のような人生を向かえるはずだった。

「あっあっ…うぅぅん…はぁはぁ…中に…」

社会人だった私とは違い、社長の娘でお嬢様大学の21歳の華苗かなえは子作りに積極的だった。避妊具を付けずに何度も性行為を繰り返していた。

 彼女と子作りを開始して早くも3ヶ月目の事だった。彼女が一向に妊娠の兆候が訪れない事に苛立って来たようだ。

「ねぇ!どうして妊娠しないのよ?私は早く子供を産みたいのよ。30過ぎてから産んで、子供の友達にババア呼ばわりされるのは嫌なんだからね!」

「そうなこと言っても……こればかりは運というか、確率とかじゃないし。仕方ない事なんじゃないかな。大丈夫だよ、きっとその内に必ず出来るからって!」

 華苗は我が儘で自己中心的な典型的なお嬢様だった。私とのセックスも楽しむというよりも、まるで作業のようだった。ベッドに私を寝かせて性器の上に跨るだけの日々が半年間も続いていた。そして………。

❇︎

「残念ながら、お二人の力だけでは子供を授かる事は極めて難しいとしかお答え出来ません。」

 そう子供が出来ない原因は華苗ではなかった。もちろん相性の悪さや性格の不一致といったものでもなかった。全ての原因は私の性器に生殖能力がなかった事であった。

(はっはははは、まさか俺のムスコ性器の出来が悪くて婚約破棄とはな。笑うしかないな。はぁぁぁ~、親父とお袋に何て話せばいいんだろう。)

 会社の跡継ぎが作れない私は簡単に華苗と別れる事になった。元々は私が社長に気に入られただけの男だったので、香苗は私と付き合う事を最初から快く思っていなかったようだ。別れられる正当な理由が見つかった事を大いに喜んでいた。

 そんな時に電話で『会って話したい事がある』と真由子に私は呼び出されてしまった。

 私のムスコの欠陥は良い面と悪い面がもちろんあった。良い面は毎月の避妊具コンドームの費用が0になった事だ。そして、悪い面は私は結婚して夫にはなれるが、一生自分の子供の父親にはなれないという事だった。

「私、妊娠したの。」

(はっ?何言ってんだよ、真由?俺と子供が出来る訳がないだろう。)

 最初は彼女の冗談かと思っていたが、どうやら冗談ではなく本当に妊娠しているようだ。問題は何故、私の子供だと彼女が確信しているのかだった。

「いやぁ~~、最近の避妊具は穴でも空いているのかな?まあ、出来ちゃったもんは仕方ないよな。はっはははは……で、真由はどうしたいんだ?」

 彼女はと私にハッキリ答えた。

 世の中おかしな事があるものだ。子供が作れないから華苗に捨てられた私が、今度は真由子に妊娠して子供を産みたいと相談されている。私がその場で考えられる選択肢は2つしかなかった。

 1つは『子供が作れない、俺の性器でどうやって妊娠するんだよ!巫山戯んじゃねぇよ!』と他人の子供を私に育てさせようとする真由子を罵倒して罵る事である。

 もう一つは他人の子供だと分かっていながら真由子と結婚して、自分の子供として育てる事である。性器の機能不全で華苗に捨てられたばかりの私の、ちょっとした彼女への復讐でもあった。

 それに子供が作れない男と結婚したいと思う女性が何処にいるだろうか?この選択は私と真由子の両方に利があり、そしてお腹の子供にも利がある最善の選択だとその時の私は判断した。そして私は真由子と結婚する事を決めた。
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