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「あまり見ないでください。あなたを怖がらせたくない」
もどかしさにレティは体をよじるが、ステアにしっかりと押さえつけられる。
「動かないで。最初は痛むかもしれません……俺の背に爪を立てて構いませんので、少しだけ、我慢してください」
レティが小さく頷いたことを確認すると、ステアは真っ直ぐ自身を押し進めた。
「あっ……んんっ……」
純潔の証である通り道を、ステアが通り過ぎる瞬間に激痛が走る。
思わず顔を顰めたレティの目尻からは、自然と涙がこぼれていた。
ステアはその涙に口付けて吸い取り、彼女の緊張を解くために唇に触れた。
「レティ様、力を抜いてください……」
そう言って唇をなぞると、そのまま噛み付くように口付ける。
「ん、ふうっ……」
口付けの激しさにレティの意識がそちらへ向かった瞬間、ステアは残りの昂りを一気に押し込んだ。
ステアはゆるゆると腰を動かし始める。
最初は痛みで引き攣れるような感覚があったそこは、だいぶ馴染んできたようだ。
「あっ……」
それと共にレティの声も、甘さを含んだものへと変わっていく。
「ああ、レティ様……俺はもう……」
「レティと、呼んで欲しいのっ……ステア……」
幼い頃から側にいた大切な人。
ずっとずっと大好きだった人。
その人が自分のことを女性として意識して、自分の体に興奮してくれている。
それだけでレティは天にも昇る心地とあった。
「っレティ! レティ!」
ステアは最後の一仕事と言わんばかりに激しく抽送を繰り返し、やがてレティの中で果てた。
熱い精が中で放たれていくのを感じたレティは、なんとも幸せな気持ちになった。
「レティ、私はあなたを手折ってしまいました。私はしがない伯爵家の三男。あなたに相応しい相手ではないというのに……」
全てを終えた後、ステアはレティに腕枕をしながら謝罪した。
レティはそんな彼の胸板に擦り寄りながら首を振る。
「いいえ。私はあなたがいいの。あなたがどこの誰でも、あなたでないと嫌なの。あなたのためなら、公爵家を出る覚悟もできているわ」
「レティ……愛している」
二人はそっと口付けた。
もどかしさにレティは体をよじるが、ステアにしっかりと押さえつけられる。
「動かないで。最初は痛むかもしれません……俺の背に爪を立てて構いませんので、少しだけ、我慢してください」
レティが小さく頷いたことを確認すると、ステアは真っ直ぐ自身を押し進めた。
「あっ……んんっ……」
純潔の証である通り道を、ステアが通り過ぎる瞬間に激痛が走る。
思わず顔を顰めたレティの目尻からは、自然と涙がこぼれていた。
ステアはその涙に口付けて吸い取り、彼女の緊張を解くために唇に触れた。
「レティ様、力を抜いてください……」
そう言って唇をなぞると、そのまま噛み付くように口付ける。
「ん、ふうっ……」
口付けの激しさにレティの意識がそちらへ向かった瞬間、ステアは残りの昂りを一気に押し込んだ。
ステアはゆるゆると腰を動かし始める。
最初は痛みで引き攣れるような感覚があったそこは、だいぶ馴染んできたようだ。
「あっ……」
それと共にレティの声も、甘さを含んだものへと変わっていく。
「ああ、レティ様……俺はもう……」
「レティと、呼んで欲しいのっ……ステア……」
幼い頃から側にいた大切な人。
ずっとずっと大好きだった人。
その人が自分のことを女性として意識して、自分の体に興奮してくれている。
それだけでレティは天にも昇る心地とあった。
「っレティ! レティ!」
ステアは最後の一仕事と言わんばかりに激しく抽送を繰り返し、やがてレティの中で果てた。
熱い精が中で放たれていくのを感じたレティは、なんとも幸せな気持ちになった。
「レティ、私はあなたを手折ってしまいました。私はしがない伯爵家の三男。あなたに相応しい相手ではないというのに……」
全てを終えた後、ステアはレティに腕枕をしながら謝罪した。
レティはそんな彼の胸板に擦り寄りながら首を振る。
「いいえ。私はあなたがいいの。あなたがどこの誰でも、あなたでないと嫌なの。あなたのためなら、公爵家を出る覚悟もできているわ」
「レティ……愛している」
二人はそっと口付けた。
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