上 下
8 / 12

愛している※

しおりを挟む
「痛むか? ……すまない、アリアに痛い思いをさせたいわけではないんだ」

 そう言うと、ゆっくりと私の胸の先端を舌で転がす。
 そして空いた手で繋がっているところのすぐ上にある花芯を再び擦られれば、痛みとは別の感覚が私に襲いかかった。
 同時に、始めは痛みしか感じられなかった結合部の滑りが良くなり始めたように感じる。

 それをアンソニーも感じ取ったのか、緩慢であった動きが徐々に激しくなり、やがては腰を打ち付けるようなものへと変化していった。
 大きな屹立が引き抜かれ寂しさを覚えるのもたったの一瞬のこと。
 すぐさま奥深くまで突き立てられ、息が止まりそうになる。

 抽送を繰り返すたびに中の敏感な壁を抉られ、擦られる。
 アンソニーの屹立は先端が少し大きめであるのか、ちょうどそれが入り口に引っかかるようにして出入りするらしい。

「あっ……音、恥ずかし……ああっ」
「もっと聞かせるんだ。アリアが俺だけに乱れている姿をもっと見せて」

 溢れ出した潤滑液が、彼の抽送に合わせてグチュグチュと卑猥な水音となって響き渡る。
 アンソニーは一度屹立を抜き取ると、共にこぼれた愛液を掬うようにして再び押し込めた。

「はぁっ……こんなに最高だとは思ってもみなかった……これは、クセになりそうだな」
「えっ……?」
「しばらくこの部屋から出してやれないかもな」
「や、何言っ……ああんっ!」
「アリアが完全に俺のものになるまで、誰の目にも触れさせたくない」

 アンソニーの言う意味がよくわからず問いかけようとするが、それを遮るかのように思い切り腰を打ちつけられた。
 お互い汗ばみ湿り気を帯びた肌からは、パチュんという音が鳴り響く。

「アリア、そろそろ出てしまう」
「あっ……出るって、何を……んっ……ま、まさか…!?」
「俺の子種を、受け取ってほしい」

 流石にそれは許されることではない。
 私たちは共に未婚で、婚約者の間柄でもないというのに。
 彼の子種を注がれてしまったら、子を宿してしまうかもしれないのだ。
 そんなことになったら後継の問題も含めてかなりややこしい話になってしまう。
 意外にも冷静さを残した頭の中で、私はそんなことを考えた。

「だめ、それはダメ! お義兄様やめて……!」
「アンソニー、と呼べと言っただろう」
「あ、アンソニー! やめて、子どもができてしまうわ!」
「俺はアリアが俺の子を宿してくれても何の問題もない。むしろ嬉しいくらいだ」
「何わけのわからないこと、言って……きゃぁっ……あ、あっ……ああっ」
「くっ……アリア、アリア!」

 叫ぶように私の名前を呼んだ後、腰を何度も深く打ち付けながら震えた彼は、繋がりを保ったままその余韻に浸っている。
 それと同時にジワリと温かなものが腹の中に広がっていくのを感じて、彼が中で子種を放出したのだということがわかった。

 やがて屹立を引き抜くと、とどめきれなくなった欲望達がこぼれ、シーツにピンク色の染みを作る。

「や、ダメって言ったのに……」

 恐ろしいほどの快感と事後の痛みと、避妊をしなかったことへの不安と、様々な感情が入り乱れて知らぬ間に涙が頬を伝う。
 アンソニーはそんな私をみて少し切なげに眉を顰めると、そっと唇でその涙を吸い取りこう言った。
 
「……愛してるアリア」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました

Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。 そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。 相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。 トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。 あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。 ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。 そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが… 追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。 今更ですが、閲覧の際はご注意ください。

憐れな妻は龍の夫から逃れられない

向水白音
恋愛
龍の夫ヤトと人間の妻アズサ。夫婦は新年の儀を行うべく、二人きりで山の中の館にいた。新婚夫婦が寝室で二人きり、何も起きないわけなく……。独占欲つよつよヤンデレ気味な夫が妻を愛でる作品です。そこに愛はあります。ムーンライトノベルズにも掲載しています。

騎士団長の幼なじみ

入海月子
恋愛
マールは伯爵令嬢。幼なじみの騎士団長のラディアンのことが好き。10歳上の彼はマールのことをかわいがってはくれるけど、異性とは考えてないようで、マールはいつまでも子ども扱い。 あれこれ誘惑してみるものの、笑ってかわされる。 ある日、マールに縁談が来て……。 歳の差、体格差、身分差を書いてみたかったのです。王道のつもりです。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

彼氏に別れを告げたらヤンデレ化した

Fio
恋愛
彼女が彼氏に別れを切り出すことでヤンデレ・メンヘラ化する短編ストーリー。様々な組み合わせで書いていく予定です。良ければ感想、お気に入り登録お願いします。

×一夜の過ち→◎毎晩大正解!

名乃坂
恋愛
一夜の過ちを犯した相手が不幸にもたまたまヤンデレストーカー男だったヒロインのお話です。

処理中です...