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第一部 第三王子の花嫁探し

24 出来た男(前編)★

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「いや、謝ることではない。慣れるよう此方が努力するまでだ」

 そう告げるとアニエスの唇に自身の唇をそっと重ねた——


「…ラーシュ様…」

 夢現のような面持ちでラーシュを瞳に捉え、アニエスはラーシュの名を呟く。

「ふっ、まだ慣れないようだな」

 ラーシュはそう言うと徐ろに自身の上着を脱ぐ。

 ラーシュは服を着ていると華奢に見えるが、その実、余分な肉のない鍛え抜かれた精悍な身体をしている。顔と同様に計算し尽くされて造られた芸術品のように完璧な肉体美を前にし、他人の容姿に拘りのないアニエスさえも思わず見惚れる。

 次にラーシュはアニエスのガウンの中に手を入れ、肩からガウンをゆっくりと脱がせる。薄く透けている夜着からはアニエスの美しい肢体がはっきりと確認出来る。アニエスは惚けたようにラーシュの瞳に見入っていたが、その瞳の中に霰もない自身の姿が映りハッと我に返る。

「きゃっ」

 両手で胸元を覆って隠そうとするが、ラーシュに腕を掴まれ阻まれる。

「ら、ラーシュ様っ、はっ、離してくださいっ」

「何故隠す?」

「はっ、恥ずかしいからに決まってますっ」

「昨日確認済みだ」

「あの時はっ、薬のこともありましたし…もっと…暗かったので…」

「あぁ、だからきちんと見たい」

(はっ、はっきり言い過ぎですっ)

 アニエスは両腕をラーシュに掴まれたまま恥ずかしそうに頬を紅潮させ俯く。こうしている間もラーシュに見られているのかと思うと羞恥心で全身が熱を持つ。

「月の女神のように美しい」

 アニエスの胸はサラ程の豊満さはないもののオビュルタン王国の女性としては大きい方である。腰は一般的な貴族令嬢程の細さはないものの胸の大きさもあり十分に括れて見え、均等のとれた健康的な肉体美をしている。

 ラーシュは口許を手で覆い、露わになったアニエスの姿に見惚れる。

「みっ、見過ぎですっ」

「あっ、あぁ、すまない…つい美しくて見惚れてしまっていた…」

「そっ、そんなこと…ない…です…あ、ありがとう?ございます…?」

 ラーシュの言葉に何と返して良いのか分からず咄嗟に否定してしまったアニエスだったが「他人の発言を頭ごなしに否定してはいけない」と教育されていた為、発言を撤回しようと言い直したものの、やはり良い言葉が見つからず御礼を言ってみるも…しっくりとは来ずに疑問系になる。

「ふっ、いや、御礼を言うのは私の方だ」

 ラーシュはアニエスの言葉に甘い微笑みを返し、アニエスの肩に手を置くとそっとアニエスの唇に己の唇を重ねた——



 ラーシュとアニエスは唇を重ね、そっと離しては再び重ねる——何度も繰り返しているうちに、徐々に口付けの深さは増し、重なる時間も離れ難いと言うように長くなる。

 唇は何度も角度を変えて重り、舌が絡まって行く。ラーシュは口付けながらアニエスの背中を支え、ゆっくりとアニエスをベッドに横たわらせる。そしてアニエスの上から跨ぐように覆い被さり、口付けを更に深める。

 はふっ ぷちゅ クチュ じゅぶじゅぶ

「ぁんっ、っぅんん」

 ラーシュの手がアニエスの胸元に置かれ、乳房の形を確かめるように夜着の上を滑らかに動く。昨日から待ち望んでいた快感にアニエスの体は悦び、蜜壺から愛液が垂れる。

 ラーシュは夜着の上からアニエスの乳房を掴み、その先端を吸い上げる。

「あんっ、ぁぁあんっ」

 アニエスは体を捩りながらも快感に身を任せる。ラーシュはアニエスの両腕を挙げさせ夜着を脱がせると、次にショーツに手を伸ばし、やはり脱がせる。

 一枝纏わぬ姿となったアニエスを見て、ラーシュは思う。

(綺麗だ)

 アニエスの裸体にラーシュは惚ける。

 ラーシュは腹部から胸元に向かってアニエスの体を撫で上げると、乳房でその手を留め、そのまま乳房を揉みほぐす。

「はー、柔らかい」

 ラーシュは目を瞑り、その柔らかな乳房を堪能するように揉みながら、その先端を舌でチロチロと転がしたり、時折パクッと啄むように口で挟む。

「あんっ、ぃあんっ」

 そして乳房を揉みしだきながら、もう片方の乳房を口いっぱいに頬張り乳首とその周りを激しく舐め回す。

「ンァぁあんっ、っぃやんっ」

 アニエスは堪らず腰を浮かせ、快感に悶える。

 ピチャピチャ ちゅぷっちゅぱ

「アニエスふぁ、ほれが、好きだな」

 ラーシュはアニエスの乳房を咥えながら、アニエスの反応に目を細めて愉しむ。


 ラーシュは片手を乳房から離し、その進路をアニエスの陰部へと進める。そしてアニエス陰唇をなぞるように撫でると、指の先端を陰部に入れ小さく掻き混ぜるように指を動かす。

「っいぃやぁぁあんっ」

 アニエスは腰をくねらせ、先程とは違う快感以外の痛みを受け入れようと体にグッと力を入れる。

「痛いか」

 アニエスを心配してラーシュの動きが止まる。そんなラーシュにアニエスは頬を染めながら小さな声でラーシュに伝える。

「…大丈夫です…ので…もっと…激しく…その……ラーシュ様の…良い様にしてください…」

 ゴクリ

 ラーシュの喉が鳴る。

 思わずすっかり反り立った己の陰部をアニエスの中に突っ込み、無茶苦茶に腰を振ってしまい衝動に駆られたが、愛しい人に対してそんな事は出来ない。

 ラーシュはなるべくアニエスの体を解きほぐそうと前戯を続ける。昨日の情事でアニエスが陰核を攻められるのが好きなことは分かっている。

「ンァっああんっ!」

 指で陰核を撫でると、アニエスは喘ぎながら腰をくねらせる。そして、指よりも舌で攻める方が効果的な事も昨日習得済みである。

 ラーシュはアニエスの下方に向かうと、アニエスの脚をゆっくりと開きその中に顔を埋(うず)めた。

 コクリ

 アニエスの喉が鳴る。


 ちゅくちゅく ちゅぷちゅぷ

「ンァっ!あぁぁあんっ!」

 ラーシュがアニエスの陰核に吸い付くと、艶かしいアニエスの喘ぎ声が部屋に響く。アニエスの蜜壺から愛液が溢れるように垂れ流れる。

「凄いな、アニエス。どんどん蜜が垂れて来るぞ、気持ち良いのか、可愛いな」

 じゅぷちゅくちゅく ずずずっ ちゅぷちゅぷ

 ラーシュは満足そうにアニエスの陰核を啄んだり、舌で転がしたり、陰唇を舐め回す。そして、アニエスの愛液を吸い上げてはまた舐めるを繰り返す。

「ぁぁああんっ、ラーシュっ、さっまぁぁんんんっ、やっ、ダメんっ」

(舐めて、吸われて、おかしくなっちゃうっ)

 執拗なラーシュの舌攻めを受けながらアニエスはふわふわとする体に身を委ね、同じようにふわふわとする脳内で考えていた。

(何これっ、昨日より凄いっ、……怖いっ、おかしくなっちゃうっ)

「んんんーっ」

 意識が定まらない様子のアニエスにラーシュは舌先を尖らせクネクネと動かしながら、更に奥に舌を進める。

「いっ、いくぅ、いっちゃ…んっあぁぁあ!」

 絶頂に達したアニエスの蜜壺から愛液が溢れだす。

 じゅぶじゅぶ ずずずーっ

「ンンんんーーっ」

 ラーシュは厭らしい音で其れを吸い上げると、ラーシュの息と吸い上げる感覚にアニエスの腰が快感で再び浮き上がる。

「ひゃっ、んぁぁぁあっ……ハァハァハァハァ、アンっ、ハァハァハァ…」

 アニエスが荒い息遣いのまま敏感になっている体を捩らせていると、ラーシュは再びアニエスの陰核を指で刺激する。

「いやんっ、ぃやっ、ダメっ、ぃやぁぁぁっ」

 快感から逃れるように腰をくねらせるが、ラーシュは容赦なく刺激する。

「アニエス、きちんと解さないと」

「ンンぁっ、らー、しゅさ、まっ、もうっ、もう大丈夫ですからっんっぁぁあんっ、いっ挿れてっ、挿れて下さいぃぃっ」

 堪らない様子で腰をくねらせラーシュに挿入を強請るアニエスの姿にラーシュの欲情が唆られ、4本の指をバラバラと動かし更にアニエスの陰部を刺激し出す。

(どうしてっ!?)

 アニエスは瞳に涙を潤ませながらラーシュに強請る。

「ぃやっ、もうっ、ダメですぅっ、ラーシュさまのっ、くださいっ、挿れて~っ」

 ラーシュはアニエスの陰部から手を離すと、己の陰茎を持ち亀頭でアニエスの陰核から陰唇を撫で回す。

「ンァァぁぁあっ!」

 アニエスの腰が今日一番跳ね上がる。アニエスが指よりも、舌よりも、ラーシュの亀頭で攻められるのが好きなのも昨日攻略済みである。そして、それはラーシュにとって何よりも嬉しい事実であった。

 ラーシュの亀頭の刺激にアニエスの膣はきゅっと締まる。アニエスの体は「もっともっと」とラーシュの其れを欲するように体を畝らせる。アニエスはラーシュの首に手を回し、口付けを強請る。

「んっ、はぁ、っんふっ」
「っは、はぁ」

 口腔内でお互いの舌を絡ませながら、ラーシュは陰茎を持ち亀頭をアニエスの陰部に擦り付ける。

 ちゅぷじゅぶ んちゅぶちゅ

 上と下で淫靡な水音が鳴る。

 ラーシュは亀頭でアニエスの陰部を擦る速度を早め、時折浅く挿し込む。

 じゅぷ じゅぷじゅぶじゃぶ じゅぷっ

「ンァっ、はぁ はぁ、っあん」

 快感で脳が痺れたかのように全身がふわふわとして来たアニエスは思考が定まっているうちにと、ラーシュに伝える。

「はぁはぁはぁ…ラーシュの…挿れて…欲しい…早く欲しい…」

(あ…端なかったかな…あ…敬称付けてなかったかも…でも…もうダメ…)

 媚薬を飲んだのかと思うほどにアニエスの脳は快感を欲する欲望に勝てなくなっていた。艶かしく体を捩りながら、恍惚とした表情でラーシュに挿入を強請る。

 ゴクリ

「分かった」

 ラーシュはアニエスの言葉に喉を鳴らすと、承諾の返事をした。待ちに待った言葉であったが、いざその時が来るとラーシュの心臓が早鐘を鳴らす。


 ラーシュは己の陰茎を持ち、ゆっくりとアニエスの中へと入って行く——

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