だましだましの入院生活

時駆けるだましだまし

翌日の看護師さんは天使だった。

歩行訓練の時、私が利き手に点滴をしているのと左手の針の後に「痛かったですよね…歩きにくいね」とコードが絡まらないよう配慮してくれた。

昨日の看護師さんは彼女自身がひっかけてスルーしただけに優しさが身に染みる。

また、この日の昼食は豚肉のカレー炒めだったからか今日の看護師さんは「病院食じゃ珍しいくらいカレーの匂いしてましたがどうでしたか？」と話を振ってくれた。

正直な味の感想は…不味い。
カレー味なのに不味かった。
豚肉と玉ねぎを水に付けて火を通し、灰汁を取らずにカレー粉を入れたら再現できると思う。
カレー粉なのに肉の臭みが消えてないとかスゴすぎる。

匂いは悪くなかったからか看護師さんは天使の笑顔だ。

「えと、、カレー粉の味そのままでカレーの味はなかった…です」
「！…私たちが口にすることって無くて…そうなんですね…」
少し困った笑顔。不味さが伝わったのだろう。
「すみません」と謝った。
が、やっぱり彼女は天使だった。
「それでもしっかり食べて、だましだましさんエライです！」

天使もとい聖女がいた。


手術翌日なのに、早々に一人で歩けて、食べられる。
てなわけで予定より早く尿道カテーテルや点滴を取ってもらえることとなった。

こうなればあとは退院の日まで暇である。
色々持ってきたけど座って作業はさすがにお腹が痛い。
コレを書いてもいたけれど創作も休み休みで、ただ横になり色々考える時間が多かった。


予約なく、複数人で一度に入るお風呂。

低すぎる便座のレトロなトイレ。

黄昏時だけ現れるこの世のモノで無い存在。

対応差のスゴい看護師。

不味すぎるご飯。

手首近くの腕にプラスチックではなく、手の甲に注射針そのままの点滴。


ここの病院、1階にはオシャレなカフェもレストランも、ある。
ローソンも大型のものが入っており、お菓子の自販機まで置いてあった。
術前説明も細やかで丁寧。
診察も安心感を感じ任せられた。
お会計はクレジットカード可能で機械精算も出来る。

外来で来ていた時は古い造りだけど未来を感じる流石国立病院と思える場所だった。

そこに入院し、体験している内容は多分昭和のあるある…。


…！

タイムスリップ体験だー！

だましだましの思考の終着はそこだった。
そして外来は未来だった、で気付いたことがある。

トイレはローソン行く時に行こう！
普通にキレイな新しいトイレだったはずだ！




こうして、だましだましは退院を心待ちにローソンへ向かうべく歩行練習をするのだった。





お読みくださりありがとうございました。
実はこれ、リアルタイム記だったので退院は今度の9日なのです。
今日はまだ手術翌日なのでのんびりしたいと思います。
とりあえずローソン、行ってきます(笑)