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3人の騎士の誓い
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朝早くに、コンコンと戸を叩く音で目が覚めた。
返事をすると「すぐに下へ降りてきてください」と、声がして離れていった。
ローウェンに昨夜遅くまで、ドロドロに溶かされていつの間にか記憶がない。
昨日も最後までしてないとはいえ、かなり甘い蜜月であったことを思い出したのと、今も何も身に付けていない生まれたままの姿にほのかに顔が赤くなる。
ローウェンも目が覚めてる様子で、こちらを覗きこんでクスリと笑った。
「どうして赤くなってるの?」
「え、そ、それは・・なんとなく?」
まだ昨夜の行為や裸を明るいところで見られるのが恥ずかしいと言えば、なんとなくローウェンがより明るいところで見る予感がしたので言わないでおこうと思った。
その予測は正解だったけれど、言わなくてもローウェンにはお見通しで、実は効果はなかったりもする。
「今日は、国境を超える」
ローウェンが突如、意思が強い声で言った。
「うん」
私も、ローウェンの決意に頷いて応えた。
二人で、服を着替えて、下へ行くと既に皆が集まっていた。
「ローウェン様?ローウェン様のお部屋は使われてなかったみたいですね?どこにいらっしゃったんですか?」
アルバートがチラリと私の方を見てから、ローウェンに言った。
うわぁぁぁ!皆が居るところで、そんな質問しないでぇぇえ!
私は、恥ずかしいさで顔が真っ赤になると、ローウェンがムッとした顔になって、庇うように私の前に立った。
「アルバート、知ってて野暮な事を言うな」
「はい、すいませんね。では、彼女を連れて行くとの意味は、そういうことでいいんですね?」
アルバートが言葉に含めたような言い方をした。
え?そういうことってどういうこと?
ローウェンは分かったようで、頷いた。
「そうだ、皆もそのつもりでいてくれ」
ローウェンは、仲間の騎士達にも視線を1人1人に合わせた。
皆もなぜか納得したかのように、頷いたりニヤニヤしたりしている。
「レイナ様、今回皆を代表しまして助けていただいたことありがとうございます」
アルバートが私に声をかけると、他の騎士達も「ありがとうございます!」と一斉に頭を下げてくれた。
「そんなっ、皆様、頭を上げてください。私が私にできることをしただけで、ここまで生き抜いたのは、皆さんの自身の強さのおかげですよ」
そういうと「さすがはローウェン様の選んだ方だ」「素敵な方た」と声が聞こえた。
は、恥ずかしい!あまり誉められなれてないので勘弁して欲しい。
「いえ、レイナ様のおかげで、この国から脱出できそうで、感謝いたします」
アルバートは、ニッコリ微笑む、ローウェンに向かって「これで我が国も世継ぎの不安が減りましたね」とコッソリ耳打ちした。「余計な事を言うな」とのやり取りはレイナの耳には届かなかった。
私達は、荷物を纏めるとカーゴイルさんの指示に従って店の人達が着ているような商人の服を渡され着替えを済ませ馬車の中へ入った。
検問で荷物や人のチェックをするとのことだかカーゴイルさんの名前はかなり大きく、毎回簡単なチェックで済んでいるらしい。
その分、この国に納める税金もかなり大きいらしいが、信用させる為には仕方がないのだそう。
馬車の荷物の中は、イリードの特産の野菜や果物がメインで、生地や薪になる木も売れるらしいので沢山積み込まれた。これを2台と強盗を避ける為の護衛を雇っていて、この護衛はイリードの冒険者に頼んでいる。
いつも頼んでいる人がいるので、その人達でなく、アルソードの騎士に変えるのは、かなり危険な賭になるので、いつも通りの護衛を頼むことになったのだ。
時間通りに出発することになり、ローウェンはしばらく残ることになった仲間達と短い別れに声をかけていた。
その中で、意識不明になっていた騎士の3名が私に駆け寄ってきた。
「私は、エレン・シュトレイゼンと申します。エレンとお呼びください。この度は、私達の命を救ってくれたのがレイナ様がお持ちの幻の秘薬とお聞きしました。そのような特別な薬を私達の為に使って下さりましたこと感謝という気持ちだけでは収まりません。どうか今後、私達にあなた様をお助けする機会をいただきたい所存です」
エレンと名乗ったアイスブルーの瞳の長身な男性がスッと跪いた。
そのお隣さんの、赤茶の短髪の筋肉質な体格のいい男性もそれに続いた。
「レイナ様、私はロアン・ホーフブルクと言います。どうかロアンとお呼びください。私の命に変えてお守りいたします。」
金髪が少しくすんだような、どちらかというとオレンジ色の髪に、青い瞳のこれまたローウェンとはタイプの違う美男子の青年も誓いの言葉を口にする。
「私は、カイル・マークレイドと言います。カイルとお呼びください。今後何かありましたら、命をかけてお守りすることを誓います」
3人が私に跪、頭を下げた。
え、これってどうするばいいわけ?
盛大に悩んでる私を見かねて、ローウェンが駆け寄って助け船を出してくれた。
「彼らは、今回君に命を救われて、君に誓いを立てたいと言ってるんだ。君が「許す」と言うのを待ってるんだよ」
「それって、私が簡単に許すとか言っちゃいけないやつじゃない?」
「どうして?彼らがレイナの命を守りたいって言ってるんだから守ってもらった方がいいよ?」
ローウェンがネッ?と小首を傾げて笑った。
あざとい!可愛い!
え、ローウェンっていつの間に、そんな技を身につけたの?
私の前に居る3人は、ジッと動かずに私の言葉を待ってるし、ローウェンも、さあ早くと言わんばかりに背中を押してくる。
私は観念して「許す」とついに言ってしまった。
エレン、ロアン、カイルは立ち上がり、嬉しそうにしていて、次の出発の時にこの国を出て、正式に母国の許可が出たら護衛に着くと言って離れていったが、そう簡単に国の許可は降りないだろうと、私は少しホッとした。
騎士達が、勝手に国やそれ以外の人を対象に忠誠を誓えるものではないと思うから。
レイナは、知らなかったが、彼らは国への忠誠とは別に王族の誰かに一度だけ忠誠を誓うことができる。
特別枠として、王族の婚約者も対象となるが、騎士の一度だけの忠誠の誓いは、婚約者というまだ曖昧な時期に取ることは、かなり稀であり、実際記憶された事例はなかった。
今回、15名の護衛騎士達の中で、ローウェン自身に忠誠を誓っているのは、命をかけて囮作戦で未だに却ってきていない5名とアルバートはローウェンの妹の婚約者に忠誠を誓っている。怪我して意識があった3名と意識不明の今回3名は、国への忠誠だけで王族の誰にも忠誠を誓っていなかった。
ローウェンに、今後彼女を正式に妻として王族に迎えいれるならば、レイナ自身に今から忠誠を誓ってもいいかと聞かれ、今後のことも考えると、命を変えても守ってくれる盾となる護衛は必須であり、彼らなら信頼できると思って許可したのだった。
ローウェンは、彼らが国へ報告する前に、レイナを正式に婚約者として王や王妃、それに臣下達にも認めさせ、少しずつ周りから固めていこうと計画を立てており、レイナを繋ぎ止めるのに余念がなかった。
返事をすると「すぐに下へ降りてきてください」と、声がして離れていった。
ローウェンに昨夜遅くまで、ドロドロに溶かされていつの間にか記憶がない。
昨日も最後までしてないとはいえ、かなり甘い蜜月であったことを思い出したのと、今も何も身に付けていない生まれたままの姿にほのかに顔が赤くなる。
ローウェンも目が覚めてる様子で、こちらを覗きこんでクスリと笑った。
「どうして赤くなってるの?」
「え、そ、それは・・なんとなく?」
まだ昨夜の行為や裸を明るいところで見られるのが恥ずかしいと言えば、なんとなくローウェンがより明るいところで見る予感がしたので言わないでおこうと思った。
その予測は正解だったけれど、言わなくてもローウェンにはお見通しで、実は効果はなかったりもする。
「今日は、国境を超える」
ローウェンが突如、意思が強い声で言った。
「うん」
私も、ローウェンの決意に頷いて応えた。
二人で、服を着替えて、下へ行くと既に皆が集まっていた。
「ローウェン様?ローウェン様のお部屋は使われてなかったみたいですね?どこにいらっしゃったんですか?」
アルバートがチラリと私の方を見てから、ローウェンに言った。
うわぁぁぁ!皆が居るところで、そんな質問しないでぇぇえ!
私は、恥ずかしいさで顔が真っ赤になると、ローウェンがムッとした顔になって、庇うように私の前に立った。
「アルバート、知ってて野暮な事を言うな」
「はい、すいませんね。では、彼女を連れて行くとの意味は、そういうことでいいんですね?」
アルバートが言葉に含めたような言い方をした。
え?そういうことってどういうこと?
ローウェンは分かったようで、頷いた。
「そうだ、皆もそのつもりでいてくれ」
ローウェンは、仲間の騎士達にも視線を1人1人に合わせた。
皆もなぜか納得したかのように、頷いたりニヤニヤしたりしている。
「レイナ様、今回皆を代表しまして助けていただいたことありがとうございます」
アルバートが私に声をかけると、他の騎士達も「ありがとうございます!」と一斉に頭を下げてくれた。
「そんなっ、皆様、頭を上げてください。私が私にできることをしただけで、ここまで生き抜いたのは、皆さんの自身の強さのおかげですよ」
そういうと「さすがはローウェン様の選んだ方だ」「素敵な方た」と声が聞こえた。
は、恥ずかしい!あまり誉められなれてないので勘弁して欲しい。
「いえ、レイナ様のおかげで、この国から脱出できそうで、感謝いたします」
アルバートは、ニッコリ微笑む、ローウェンに向かって「これで我が国も世継ぎの不安が減りましたね」とコッソリ耳打ちした。「余計な事を言うな」とのやり取りはレイナの耳には届かなかった。
私達は、荷物を纏めるとカーゴイルさんの指示に従って店の人達が着ているような商人の服を渡され着替えを済ませ馬車の中へ入った。
検問で荷物や人のチェックをするとのことだかカーゴイルさんの名前はかなり大きく、毎回簡単なチェックで済んでいるらしい。
その分、この国に納める税金もかなり大きいらしいが、信用させる為には仕方がないのだそう。
馬車の荷物の中は、イリードの特産の野菜や果物がメインで、生地や薪になる木も売れるらしいので沢山積み込まれた。これを2台と強盗を避ける為の護衛を雇っていて、この護衛はイリードの冒険者に頼んでいる。
いつも頼んでいる人がいるので、その人達でなく、アルソードの騎士に変えるのは、かなり危険な賭になるので、いつも通りの護衛を頼むことになったのだ。
時間通りに出発することになり、ローウェンはしばらく残ることになった仲間達と短い別れに声をかけていた。
その中で、意識不明になっていた騎士の3名が私に駆け寄ってきた。
「私は、エレン・シュトレイゼンと申します。エレンとお呼びください。この度は、私達の命を救ってくれたのがレイナ様がお持ちの幻の秘薬とお聞きしました。そのような特別な薬を私達の為に使って下さりましたこと感謝という気持ちだけでは収まりません。どうか今後、私達にあなた様をお助けする機会をいただきたい所存です」
エレンと名乗ったアイスブルーの瞳の長身な男性がスッと跪いた。
そのお隣さんの、赤茶の短髪の筋肉質な体格のいい男性もそれに続いた。
「レイナ様、私はロアン・ホーフブルクと言います。どうかロアンとお呼びください。私の命に変えてお守りいたします。」
金髪が少しくすんだような、どちらかというとオレンジ色の髪に、青い瞳のこれまたローウェンとはタイプの違う美男子の青年も誓いの言葉を口にする。
「私は、カイル・マークレイドと言います。カイルとお呼びください。今後何かありましたら、命をかけてお守りすることを誓います」
3人が私に跪、頭を下げた。
え、これってどうするばいいわけ?
盛大に悩んでる私を見かねて、ローウェンが駆け寄って助け船を出してくれた。
「彼らは、今回君に命を救われて、君に誓いを立てたいと言ってるんだ。君が「許す」と言うのを待ってるんだよ」
「それって、私が簡単に許すとか言っちゃいけないやつじゃない?」
「どうして?彼らがレイナの命を守りたいって言ってるんだから守ってもらった方がいいよ?」
ローウェンがネッ?と小首を傾げて笑った。
あざとい!可愛い!
え、ローウェンっていつの間に、そんな技を身につけたの?
私の前に居る3人は、ジッと動かずに私の言葉を待ってるし、ローウェンも、さあ早くと言わんばかりに背中を押してくる。
私は観念して「許す」とついに言ってしまった。
エレン、ロアン、カイルは立ち上がり、嬉しそうにしていて、次の出発の時にこの国を出て、正式に母国の許可が出たら護衛に着くと言って離れていったが、そう簡単に国の許可は降りないだろうと、私は少しホッとした。
騎士達が、勝手に国やそれ以外の人を対象に忠誠を誓えるものではないと思うから。
レイナは、知らなかったが、彼らは国への忠誠とは別に王族の誰かに一度だけ忠誠を誓うことができる。
特別枠として、王族の婚約者も対象となるが、騎士の一度だけの忠誠の誓いは、婚約者というまだ曖昧な時期に取ることは、かなり稀であり、実際記憶された事例はなかった。
今回、15名の護衛騎士達の中で、ローウェン自身に忠誠を誓っているのは、命をかけて囮作戦で未だに却ってきていない5名とアルバートはローウェンの妹の婚約者に忠誠を誓っている。怪我して意識があった3名と意識不明の今回3名は、国への忠誠だけで王族の誰にも忠誠を誓っていなかった。
ローウェンに、今後彼女を正式に妻として王族に迎えいれるならば、レイナ自身に今から忠誠を誓ってもいいかと聞かれ、今後のことも考えると、命を変えても守ってくれる盾となる護衛は必須であり、彼らなら信頼できると思って許可したのだった。
ローウェンは、彼らが国へ報告する前に、レイナを正式に婚約者として王や王妃、それに臣下達にも認めさせ、少しずつ周りから固めていこうと計画を立てており、レイナを繋ぎ止めるのに余念がなかった。
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