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幻の秘薬は国家機密

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突然、意識不明の重大の3人と動けなかった4人の騎士達が普通に起き上がり、顔色も申し分なく元気そうになれば、普通に驚くよね?


「な、な、な?どっどうしたというのですか!?」

ルイスに、少し部屋から出るように頼んでいたけど、しばらくして戻ってきたらみんな普通に一つの部屋に固まっていたので、ルイスが驚きの声を発した。


その声に驚いて、カーゴイルも上がってきて、カーゴイルも声にならないくらい驚きで固まっている。


私は、ローウェンと目を合わせて目をパチパチと合図をして、ローウェンに任せることにした。
もう、説明はローウェンに任せるしかないと思ったから。


ローウェンは、こちらに軽くウインクをしてきた。
所謂「任せて」と言うことだろう。
はい、お願いします。


「やあ、私も驚いてるんだよ。実は、遠い国にある幻の秘薬をレイナが偶然にも持っていて、彼らの為に貴重な薬を提供してくれたんだ」

「ま、幻の秘薬ですか?それは、本当ですか?」

カーゴイルは、そんな薬が世の中にあったことが信じられないが、目の前の奇跡を見たら信じないわけにもいかない。

「まぁ、幻と思われるくらい、凄い効果がある薬だけど、レイナも今回で全て使ってしまったらしくもう残ってないから証拠はないよ」

ローウェンが残念そうに溜め息をつけば、カーゴイルもその薬を見ることが出来ないと知ってショックを受けた。

「そうですか、どんな薬か実際に見られなくて残念ですが、一体どこの国の物なのでしょうか?」

カーゴイルは、いつか手に入れられたらと思って質問した。

「・・それは、国家機密情報になるらしいから言えないんだよ」


出た!伝家の宝刀「国家機密」!これを言われると、聞いちゃいけないんだって思っちゃうよね!
案の定、カーゴイルは、口をつぐんでしまった。


「というわけだから、くれぐれもこの件は誰にも言わないようにね。もちろんルイス?君もだよ?」

ローウェンは、カーゴイルの側にいたルイスにも釘をさした。


ルイスは、顔を青ざめさせて、何度もコクンコクンと首を縦に振った。


「理解が早くて助かるよ。それでは、すまないけど、明日は僕ら全員で国境を超える。その前に検問もあるだろうけど何か提案はある?」


ローウェンは、サッと話題を明日の事に切り替えてしまった。もうこれ以上、この秘術のことで聞かれることはなさそうかだと胸をそっと撫で下ろした。


どうやら明日は、最初ローウェンと私の2人だけ商人と刷り代わり、国境を超える予定だったみたいだけど、人数が突然2名から9名と増えた為、危険じゃないかとか、荷物に隠れるだとか、変装をするだとか、かなり意見が飛び交った。


結局、一度で全員で超えるのはリスクが高いと言うことになり、明日は当初通り、ローウェンと私とアルバートの3人で国境を超えることになった。
その後、3人ずつ国境を超える手筈となり、明日の最終的な計画の打ち合わせまでして、お開きとなった。


カーゴイルさんに、私の部屋を用意してもらったので、部屋で休ませてもらうことになり、1人ホッと息をついていると、コンコンと部屋のドアからノックする音が聞こえたので「どうぞ」と声をかけるとローウェンが入ってきた。

「レイナ、君のおかげで仲間も助かったよ。改めて言わせてくれ。ありがとう」


ローウェンは、静かに頭を下げた。

「ま、待って!私がしたくてしたことだから!」

「それでも!・・彼らは、僕の・・仲間でもあるけど、子供の頃からの付き合いでね友人でもあるんだ。特にアルバートは妹の婚約者でね、妹を泣かすことになると思ったよ。本当は誰1人として失って欲しくなかったんだ。けれど、さすがに今回のことは誰かが犠牲になることを覚悟してたんだよ」


ローウェンの声が震えていた。
彼も彼らを失うことを恐れていたのね。


「今回は、本当にダメだと思ったよ。いや、思ってた。だけどレイナが変えてくれたんだ。ありがとう」


「うんん。私は・・」


大したことしてない、と言おうとしたけど、やめた。
だって、ローウェンがこんなにも感謝してくれてるし、ローウェンの役に立てたんだって思ったら嬉しくなったから。

「どういたしまして」


私は、嬉しくなって笑った。
今回は、素直に感謝を受け取ろう。
チートな能力で、私なんかって思うのは今はやめとこう。


ローウェンも嬉しそうにクシャと笑った。
そんな笑顔も素敵だと思った。

何となく、顔が赤くなったのが分かった。


ローウェンも顔が赤くなってる。


「「・・・」」



お互いに無言になって、ゆっくりとローウェンが近づいてきて、口づけを交わした。

何度も角度を変えては、啄むようなキスは、彼の情熱がキスからも溶かすような瞳からも伝わってきた。


ローウェンは、私との距離を測っている・・。
踏み込んできそうで、踏み込んでこない。


私は、恐らく口を開くだけて、ローウェンに近づける。



ローウェンとの距離を、私はゼロにしたいという気持ちが押さえられない。


私は、ゆっくりと口を開くと、待ちわびたのようにローウェンに舌が深く侵入してきた。
私の舌に絡みついては、深く吸われる。

「ああ、レイナ・・」

溜め息のように、ローウェンが私の名前を呼ぶ。


ローウェンに、あっという間に服を脱がされしまい、私は結局遅い時間まで、ドロドロに溶かされてしまった。
気が付いたら、お布団の中、ローウェンの腕の中でいつの間にか眠っていたようだった。

「起きた?まだ少し時間あるから寝てていいよ」


ローウェンが優しく、私の頭をポンポンと撫でた。

「うん」

私は、ローウェンの暖かな胸におでこを擦りつけてすぐに眠りについた。


「可愛い過ぎるよ」


ローウェンがポツリと付いたのは、耳に届かなかった。
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